堤康徳の作品一覧
「堤康徳」の「バウドリーノ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「堤康徳」の「バウドリーノ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
薔薇の名前で名高い作者が書いた中世騎士の冒険の物語。農家の子どもバウドリーノが皇帝フリードリヒの養子となり、都の学校で青春を謳歌し、養父の遠征に付き従い、やがて聖杯返還の旅に出て、数々の魔物や種族に会いながら冒険を続け、囚われの身となった後、数少なくなった仲間とようやく帰還したと思ったら、もういっぺん行ってきます!と不帰の旅に出てしまう話です。
読み終わってからなかなか感想が書けなかったのは、私がこの物語を消化しきれなかったからでしょう。そのくらい内容が盛りだくさんでした。
歴史、教養、恋愛、冒険、博物誌、復讐譚…
私は物語をプロットなどで読むと言うよりは、主人公や著者に自分を重ねて書いてある
Posted by ブクログ
うう〜面白かった〜〜!!!エーコと聞いて難しい?と身構えていたけど、読みだしたら面白くて、あっという間に読んでしまった!感覚としては高丘親王航海記…!
「人生とは、逃げゆく夢の影でないとしたら何?」(p.155)
「神は、存在しない空間であり、そのなかでは、あなたも私も同じなのです、ちょうど今日、この止まっている時間のなかにいるように」(p.274)
…
彼はそのとき初めて理解した。本当に愛し合う者どうしが最初に愛の言葉を交わすとき、顔が青ざめて体は震え、口をつむぐものだとなぜ言われてきたかが。なぜなら、愛は、自然と魂の力すべてを自らに引きつけるからである。こうして、本当に愛し合う者どうし
Posted by ブクログ
いつ死んでもおかしくない年というフレーズにハッとさせられた。
舞台は東方世界へ。奇想天外な種族たちはプリニウスの記述そのまんまだったのだなあ、と。新プラトン主義について曖昧模糊としたイメージだけしかなかったが霧が晴れた感じでした。最後の方で話のなかの「現在」にストーリーが追いつくところとか、ビザンツの歴史家が記述した、というような造りになっているところが憎らしい。老いてまた旅立つのもいいな。冒頭書いたフレーズが上巻下巻のどこにあったかは忘れてしまったが、読んだ時は「この時代だともう死ぬ年齢だよな」などと読んだときは思っていたがその少し後に同年代の友人が亡くなって感想が変わりました。現在でもいつ
Posted by ブクログ
カバーに騙された岩波文庫。
半年くらい前に読んだ思い出し感想。コンスタンチノープルの地図だけでごはん3杯はかるくイける。パリでの青春時代、後々の友人達との出会い。ローマ皇帝とウザいイタリア諸都市との関係とか面白い。面従腹背の諸都市と泥沼のイタリア戦争。その中での当時のパリの位置付けとかも含めてこれが同時代人のマンタリテなのか、とか思える。「薔薇の名前」よりはだいぶ読みやすい。イタリアの田舎出身でフリードリヒ皇帝の養子とか設定がうますぎる。当時の最下層から最上層までの視点を得るためのものか。大変勉強になる。こんな度胸と語学とホラの才能が欲しいと思えるアレッサンドリアの守護聖人。
いやあ、読書って