アメリカの老舗雑誌「ザ・ニューヨーカー」で校正係をしているメアリ・ノリスの、文章と彼女が関わった人たちについてのエッセイ。
ちなみに「校正係」は文字の誤植や慣用句の間違いなどを正す仕事で「校閲係」は文章の整合性やファクトチェックをする仕事だということをこの本で初めて知った。
どんな言語でも特有の
...続きを読む癖があり、語学学習者の頭を悩ませる。ニュアンスによって漢字にするか平仮名にひらくか、間違って広まった慣用句は市民権を得られるのかなど。それは英語でも同様らしい。コロンを使うかセミコロンを使うかダッシュを使うか、"you and me"が正しいけど"you and I"が今では一般的になってしまい修正すべきかどうか迷うなど。エッセイとしてだけではなく、ネイティブでも迷うような細かい文法についても書かれていて非常に勉強になった。
個人的には、トランスジェンダーの弟が妹になったことで代名詞問題が起こった話がとても興味深かった。