【感想・ネタバレ】カンマの女王 「ニューヨーカー」校正係のここだけの話のレビュー

あらすじ

「自分の仕事で好きなのは、人となりのすべてが求められるところである。文法、句読法、語法、外国語、文学の知識だけでなく、さまざまな経験、たとえば旅行、ガーデニング、船、歌、配管修理、カトリック信仰、中西部、モッツァレラ、電車のゲーム、ニュジャージーが生きてくる」(序章より)

★推薦文★

鉛筆と紙の辞書を愛し、校正が「出過ぎた真似」といわれるのを恐れている“女王"。他人とは思えない。

――牟田 都子(校正者)



正しい英語とは何だろう?
カンマの思想とは?
鬼校正者はどこを見る?
今、英語の「揺らぎ」があなたを魅了する。

――阿部 公彦(英米文学者)

★概要★

誤字・脱字や言葉の誤用を正す「校正」。ベテラン校正者の眼を通じて見るそれは、規則と心情とのあいだで揺れ動く、意外なほど人間らしい仕事だった!
アメリカの老舗雑誌『THE NEW YORKER』の校正担当者で、“Comma Queen“〈カンマの女王〉の異名をもつ著者が、その半生と、校正の現場で遭遇したミスや「揺れ」を振り返る――。“between You and I"のようなネイティブでも間違える文法や語法、ディケンズ、メルヴィル、ディキンソンら著名作家たちが操る記号――カンマやダッシュ、コロン――の独特な使い方、クセが強い校正者たちのエピソード、トランスジェンダーのきょうだいを呼ぶときの代名詞etc…。「正しい英文法」だけでは白黒つけられない、迷いと葛藤の日々を描く唯一無二の校正エッセイ!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

日本語の句読点も怪しいワタクシがこんな本読むのは百年早い気もしますが…さすが「カンマの女王」、シリアルカンマの重要性には心底痛感しました。
ところで。人称代名詞の話んとこで、主格が目的格よりフォーマルに響く…って、ネイティヴでない身には全然ピンと来ないけど、じゃあ、二人称の主格と目的格が同じ(you)ってのは、感情的にどう処理をつけてるもんなんだろ。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

『カンマの女王 「ニューヨーカー」校正係のここだけの話』は、文章校正における適切な英語表現について、メチャクチャ細かく、かつ、アメリカ人らしいユーモアに溢れたエッセイだ。逆にいえばテーマはニッチで異国のユーモアセンスに対しての合う合わないの関係もあるから、読者の間口はそれほど広くはないだろう。

者のメアリ・ノリスは、アメリカの老舗雑誌『THE NEW YORKER』のベテラン校正担当者。本書の帯には御本人の写真が確認できるが、そのお姿からは、神経質そうな職人の匂いがプンプンしている。そして、だからこそ面白そうな期待感が高まる。

メアリ・ノリスが取り上げるテーマは、本当に細かくて、タイトルにもなった「カンマ」をはじめとして、「ダッシュ」「ハイフン」「アポストロフィ」等、普段は脇役扱いであろう存在たちにスポットライトを当て、その有無や位置が英語表現にいかに大きな影響を与えるのかを、語りまくる。エッセイの隅々から、メアリの偏執的なコダワリが伝わってくるのだが、それは校正のプロフェッショナルが見せる矜持でもあるのだろう。普段、何も考えずに書籍や雑誌を読んでいる私のような人間には、改めて校正という仕事の意義や価値を再認識させてくれる。

とはいえ、本書の本質的な楽しさというのは、別のところにある気がしている。つまり「校正をテーマにしたエッセイ」という見た目にまぎれて出てくる、メアリ・ノリスの毒舌や皮肉である。特に、第9章「使うなら * 正しく使おう * Fワード」では、校正という切り口を利用して、普段は言えないFワードをメアリが楽しんで使っている様子を感じる。こういうところが好きだ。

マイナス点として、個人的には、話が飛び過ぎて、脱線が過ぎる部分が目立っていた気もする。
この点、私の異文化、異業種に対する無知が過ぎるせいもあり、正直、本書の全てを楽しめてはいない。時間を置いて再読したい。

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

アメリカの老舗雑誌『ニューヨーカー』の校正係のエッセイ集。長年の校正業務の中で考えてきたことが綴られている。日本語でも英語でも言葉に誤りは付き物で、時代と共に“乱れ”ながら少しずつ変わっていく点も同じなんだなと実感できる一冊。代名詞をきっかけにジェンダー論に発展する第3章が特に面白かった。

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2021年02月06日

Posted by ブクログ

アメリカの老舗雑誌「ザ・ニューヨーカー」で校正係をしているメアリ・ノリスの、文章と彼女が関わった人たちについてのエッセイ。

ちなみに「校正係」は文字の誤植や慣用句の間違いなどを正す仕事で「校閲係」は文章の整合性やファクトチェックをする仕事だということをこの本で初めて知った。

どんな言語でも特有の癖があり、語学学習者の頭を悩ませる。ニュアンスによって漢字にするか平仮名にひらくか、間違って広まった慣用句は市民権を得られるのかなど。それは英語でも同様らしい。コロンを使うかセミコロンを使うかダッシュを使うか、"you and me"が正しいけど"you and I"が今では一般的になってしまい修正すべきかどうか迷うなど。エッセイとしてだけではなく、ネイティブでも迷うような細かい文法についても書かれていて非常に勉強になった。

個人的には、トランスジェンダーの弟が妹になったことで代名詞問題が起こった話がとても興味深かった。

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2021年10月14日

Posted by ブクログ

誰もが「プロ」になる、なれる努力を惜しまないことが人々が求める人材になるのだ、と言う強いメッセージを受けた。一部署の一つの歯車としてその役割を確実に、信頼がおける仕事をこなせる人になることが重要で、大切な存在となることをこの書は教えてくれている。転職にも必ずや例え小さな歯車でも仕事における信頼関係があれば十分他者を圧倒するような役職に就くことは間違いない。

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2021年08月27日

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