つるばら村は今は春です。野原に花が咲いて、雪解けの水が小川を流れています。
くるみさんは、つるばら村で「三日月屋」という宅配のパン屋さんをやっています。でも最近はあまりお客さんも来てくれません。「パンの注文に来てくれないかな…」くるみさんのつぶやきは、春の風にのって山の方に運ばれます。
その日の夜
...続きを読むから、くるみさんの宅配パン屋さんには変わった注文が来るようになります。
クマさんからの「タンポポのはちみつを入れたパンを焼いてください」、ホテルのお料理係のうさぎさんからの「三日月のパンを届けてください」、こびとさんたちからの「つるばらのジャムを入れたパンを焼きたいので台所を貸してください」
くるみさんも、ネコのパーティに呼ばれたり、北風のお客さんに星を振らせてもらったり、新しいパンを作ることを楽しみにしています。
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つるばら村の季節の様子や、パンのにおい、くるみさんやお客さんの楽しい気持ちが感じられる優しいファンタジーです!