鈴木恵の一覧
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ユーザーレビュー
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「ミステリと教養小説とロード・ノヴェルが一体となった“終わりから始める人々の物語”」というのがその通りで、話題で高評価なことにも頷ける一冊だった。
序盤は、うーん…長いなー…どこ向かってるんだこれ?と思っていたけど、中盤からは一気に読んだ。
終始ざわざわする、悲劇の予感を感じさせる書き方だったから
...続きを読む、覚悟はしていたけど案の定泣いた。
ウォークのキャラ設定や情景の描き方から、ああこの作家さんはザ・アメリカンな刑事物や舞台設定なんかがすごく好きなんだろうな〜とも感じた。
映像化しても映えそうだし、ネトフリなんかでドラマ化しそうだなと思いながら読んでいた。もしそうなったら絶対観たい。
Posted by ブクログ
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過去と現在、様々な場所を錯綜するので最初は読みにくい小説だなと思って読み始めた。登場人物の名前も覚えられるのかなと思いながら。
翻訳小説は言葉の美しさはさておき、内容の面白さだと思っていたが、翻訳されてなお伝わる自然の美しさ、人々の細かな内面の動き。翻訳者の方も素晴らしいと思うが、この雄大な自然を言
...続きを読む葉で描いた著者は素晴らしいと感じた。しかも、イギリス人なのになぜこのようなアメリカを舞台にした小説が描けるのだろう。後書きに、なぜアメリカが舞台なのか、という理由が書かれていたが、私がアメリカのドラマや映画が好きな理由と重なっていた。具体的には、銃器問題や小さな町の保安官、FBIの存在などの犯罪絡みの法律や警察機構などだ。勝手にウォークは、ストレンジャーシングスのホッパーを想像した。
そもそも起こらなければ良かったと思わせる事件がこの街の人の、この一家の人生を破壊して行く。最後は綺麗な終わり方ではあったが、あまりにも事件の当事者も家族も可哀想だと思ってしまった。30年の刑務所生活、壊された家族の時間。いつも人生は2度ないと自身にも言い聞かせているが、どこかにまで時を巻き戻せたらとみんなが思っていたであろうし、どこかからやり直しがきくと思いながら生きて行く人たちがいた。過ぎた時間は戻らないのに。
事件の真相については、私がミステリーを読み慣れていないからか、私の見当は全く外れた。新しく子どもたちやウォークが待ち受けた人生についても。ハルも、キングも死ななければ良かったのに。長い小説だが、会話文が多いので、後から色々な部分を拾い読みし、一人一人の発する言葉の重みを受け止めた。
タイトルに通ずる文章はハルとダッチェスの会話にある。
「人は終わりから始めるのさ」
この話はただ一つの事件をそこで終わらせられなかった者たちの連鎖から生まれた物語。勇気ある女の子ダッチェスと、ウォーカー、マーサー、ハル、ドリーと言う彼女にとって人生の先輩達が必死でそれを終わらせて、ダッチェスとロビンの人生がようやく始まる。
人はある物事、事象について、必ず何か自分の中で結論を出さなくてはならない。軽く聞こえるかもしれないが、その中でやってはいけないことは、暴力や殺人等の犯罪行為だ。その負の連鎖に陥った物語だ。
「あの夜以降、あの事件を起こして以来、あいつはおれたちが誰ひとり、二度と自由になれないことを悟ってしまったんだ」
最後の書評(川出正樹氏)
「人は誰一人として人生の始まりを選ぶことはできないが、終わりを選ぶことはできる。それは単純に死を選ぶと言うことではなく、これまでの人生に区切りをつける時が来たと判断すること意味する。そうして過去を精算し、先に進むべく新たな一歩を踏み出すのだ。
ダッチェスとウォーカーの生き方を通じて、作者は読者に訴えかける。人は、なんと間違え、躓き、そのたびに手痛いダメージを受けても、学び、選択し、責任を引き受けて先へと進んでいくのだと。」
多くの人にはこの小説のようなドラマスティックな運命は待ち受けないが、些細な山や谷はある。些細な失敗や人との間に感じた軋轢など、そこなら学んで、選択して、責任を引き受けて前に進むことが大切。過去の一点に囚われて、巻き戻しはできない。
Posted by ブクログ
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最初は主人公が可哀想でなかなかのれなかったが、途中からは一気に読んだ。素晴らしい作品で評価が高いのも頷ける。
Posted by ブクログ
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読んで本当に良かった。静かな情緒が漂う重厚なミステリー、そして少女の過酷な成長譚。海外文学はどうも読み辛く苦手だが導入シーンの描写から非凡さが際立っていて強く惹きつけられグイグイ読めた。ダッチェスが間違った選択を重ねて自分自身をどんどん窮地に追いやっていく姿に胸が非常に非常に苦しかった…ハルの静かな
...続きを読む不器用な優しさに何度も涙した。皆が選ばざるをえなかった結末にもまた涙…。素晴らしく感情を揺さぶられた一冊。
Posted by ブクログ
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長かったけどその分心情や描写がスッと頭の中に浮かび上がった。
ミステリーと一括りにはできない作品で、とてもおもしろかった。
Posted by ブクログ
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