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内気な11歳の少女ポリーの前に、収監されているはずの父親が現れた。父の敵がポリーの命を狙っているというのだ。父と出た逃亡の旅路で、ポリーは暴力を知り、盗みを知り、いやおうなしに成長していく。数々の人気ドラマを手がけた脚本家が放つ傑作サスペンス。解説収録/堺三保
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Posted by ブクログ
最後まで読んで拳銃使いの娘というタイトルに得心がいった 何か一つのものを守りたいという憧れにつながる 物騒で苦手な話だったが読みやすくてページ数が少ないせいかサラサラ読めた とても良い
★5 ギャングからの逃避行、愛する娘を守るため、命を懸ける父親の熱い想いと行動… #拳銃使いの娘 ■きっと読みたくなるレビュー 熱く、素敵な話やった… ★5 少女ポリーが可愛すぎて尊い。 金星生まれの設定やぬいぐるみに自分に投影したりするなどして、いつも微妙な精神バランスをはかって、自らの境遇を...続きを読む受けいれている。それでも彼女には、生き物として生死の覚悟をしなければならない場面が次々と迫ってくる。 決して多くを語らず、ぐっと歯を食いしばんで強い意思をもって勇気のある決断していく。読めば読むほど胸が苦しくなっていくよ… 読んでいる最中は、なぜこんな父親と一緒にいるのか、どうしても理解できなかった。しかし読み進めていくうちに、その理由と正体がだんだんわかってくる。 それは父親ネイトの娘を想う気持ち。 娘のためにすべてを投げ売り、自分がもつすべて技術や能力を分け与え、どんな犠牲を払ってでも娘の命だけは守る。彼は最初から最後まで、一切ぶれない。これは子どもをもつ親としては熱すぎる。 本書はとにかくこの二人の絆、会話、行動、成長に尽きる。 何度も襲い掛かる絶体絶命の危機。いつも父親が娘をひっぱり、時には体をはって守る。娘は父の安否を気遣い、やったことのないことに挑んでいく。それがたとえ汚れた仕事や暴力であっても、二人とも覚悟をもって突き進む。 決して強くはない、むしろ何も持っていない二人であるが、彼らの命を懸けた行動のひとつひとつが、読者の魂を揺さぶってくるのです。 なお本作はプロットが上手で、文章も読みやすく、それでいて文芸的で綺麗。エンタメとしても優れ、そのまま映画になっちゃう。 しかもページ数もそれほど多くなく、バランスも抜群。海外ミステリーに読みなれてない人でも手軽に楽しめる優秀な作品でした。 ■ぜっさん推しポイント 良い作品には記憶に刻まれる名シーンがある。 終盤にポリーが躍動する場面があるんですが、これが超痺れるんですよ… 緊張感とリアルさ、そしてポリーが自信の弱さを乗り越えていく心の叫び。 これは歴史に残る名シーンです。これを堪能するだけでも、読む価値がありますので、ぜひぜひ体験してみてください。
ギャングに命を狙われた少女と父親の逃避行。 ノワールですが、面白いです。 11歳の少女ポリーは、母親とその再婚相手と暮らしていました。 父親は何年も収監中。 ところがある日突然父親が現れ、命を狙われているから一緒に来いと告げます。 刑務所にいた父のネイトは、ギャング組織の親玉に睨まれ、家族ともど...続きを読むも抹殺指令が出たため、脱獄してきたのだ。 妻がとっくに再婚した相手と暮らしている娘のことなど、あまり気にかけてはいなかったのだが。 父と同じ淡い青色の眼をしたポリー。 「拳銃使いの眼よ」と母親には言われていました。 互いに馴染のなかった父と娘が危機に瀕してやむなく行動を共にし、次第に気が合う相棒となっていくロードノヴェル。 常識を超えた状況ではあるが、その関係性に心温まります。 暗殺指令を覆すために、どういう手段をとるか? 熊のぬいぐるみを離さない女の子は次第に度胸を身につけ、変貌していきます。 そして…? アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)新人賞受賞作。 スピーディな展開で、読ませます。
ページを開いた瞬間から、がばっと掴まれた心は、物語のスピード感と一緒に走り出す。登場人物の主観ごとに変えて語られる物語は短くまとまり、次の登場人物の物語へスピードを緩めることなく引継がれ、先を読ませる。 描かれているのは暴力に支配された世界なので、好き嫌いが分かれるかもしれないが、面白い。おそ...続きを読むらく映像化されるだろうが、本書を読んでいた時間の高揚感を超えることはないと思う。活字の持つ力は、まだまだ侮れない。
2019年このミステリーがすごい!海外編第2位 アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀新人賞、アレックス賞受賞作品 緻密な描写が目に浮かびました。この内容なら映像化も容易だと思われます。 読み終えてみれば、娘思いの良い?父親でした。
はい面白いです。最高です。 パパと娘の逃避行。生きるために、守るためにギャングに立ち向かうクライムノワール。血と暴力には熊のぬいぐるみがお似合いだぜ!! 父親の覚悟により娘は変貌していく。拳銃使いの娘へと。娘は相棒となる…娘を鍛え上げることで親子を取り戻していくのだ。成長の物語であり家族の絆の物語で...続きを読むもある。場面転換がとにかく素晴らしく、登場人物もすぐ把握できる。異常にすっきりしたリービタリィ海外苦手な人もおススメです。 保安官が好きでねぇ。トンプスン読んだからかもしれないが狂ってるやつほど正義に偏りがあってぶっとい芯のある生き様がいい。とにかく読もう!こりゃあ傑作だ!! 作者が影響受けたもの。 『ペーパームーン』、タランティーノ、エルロイ…もうお判りだね? (どストライク
アクション小説。 レオンみたいな。 お父さんが物騒な人だと娘も物騒になるお話。 でも超人的な活躍する訳でもなく、地に足のついた娘の活躍&成長でした。 映画になるのね?見たいかも。
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)新人賞受賞作品。早川書房は海外作品の受賞作品を半年から一年くらいで日本語版にして出版してくれる稀有な版元である。中でもポケミスは早撃ちにかけては名の知れた叢書なので、ぼくは八割方は読んでいる。新たな作家に出会うことも多い。本書デビューとなったこのジョーダン・ハー...続きを読むパーみたいな活きのいい作家と。 少女が犯罪者の父親と逃亡し逆転勝利を、目指すロード・ノヴェルである。のっけから彼等の殺害指令が全米に出される。超重警監房にいる犯罪グループのボスから発される。少女は、父親と同じ拳銃使いの眼をしている。海ではなく川のように青い眼を。 作者はテレビドラマ作家だそうで、小説の展開もなるほどスピーディーで心地良い。ノワールで、クライムで、バイオレンスでありながら、熊のぬいぐるみを手放さない少女の成長物語でもある。 巻末解説によると、インスピレーションを受けたのは『子連れ狼』『ペーパームーン』『レオン』作家としてはジェイムズ・エルロイ、コーマック・マッカーシー、クエンティン・タランティーノだそうだ。笑いたくなるほど納得。推して知るべし。 犯罪に無縁の人はおよそ出てこない。はぼすべての人物が堅気ではない作品世界で、一番不似合いだったのが主人公の少女ポニーだ。もちろん主人公は彼女。拳銃使いの父親の隣、助手席でタフに育ってゆく彼女の変貌ぶりこそが、この作品のすべてを駆け抜ける魅力である。 時に美しく、時に容赦のない文章が、アメリカ西部の荒野を縦横に切り取ってゆく。薄手の本ながら密度の詰まった重量級の傑作としてインパクトを与えてくれること間違いなし、請け合います。
方向音痴なんです そして方向音痴の天敵と言えば野外フェスかどでかいショッピングセンターと相場は決まっています 特に大きな建物の中はまずいですよね もう完全自分の居場所を見失って右も左もわからなくなります(いや左右はわかるでしょ!) そしてそういうでっかいショッピングセンターに付きものの広大な屋内...続きを読む駐車場ね! あれもう100%自分がどこに駐めたかわからなくなりますもんね どのエスカレーター使ってどの通路を使ってとか完璧に覚えたつもりでいて今日こそは迷いなく自分の車の場所に!と思うんですが やっぱり『見当違いの場所へ』なんちて さて『拳銃使いの娘』です 「拳銃使い」違うやん!というね まあそういうことじゃないんでしょうがw 刑務所から出所した父としばらく会っていなかった11歳の娘が殺し屋から身を躱しながら旅を続ける中で娘は強さを身に付け父娘の距離が縮まっていき二人は反撃にでる なんかありそうな設定ですがなかなかに面白かったです でもなぁ、なんか惜しいんですよね 二人の距離の縮まって行くところとかちょっと雑なんですよね おいおいそれで信頼関係できあがっちゃうの?って もうちょっと丁寧な心理描写があったらもっともっと面白くなりそう それにしても皆さんこういう傑作をどうやって探し出してくるのかな ハヤカワにこんなノベル(?)のシリーズがあるなんて知りませんでした ま、おかげさまでたどり着けたので良しとしよう
自分が初めて買ったハヤカワ・ポケットミステリはデイヴィッド・ゴードン著『用心棒 』でした。しかも去年の話です。生まれてはじめてハヤカワ・ポケットミステリのこのタイプの本を手にとったのが去年なのです。ものを知らないというのは怖いもので「なんだこの凝った作りの本は!」と感動しました。そして続くはデニス...続きを読む・ルヘイン著『ザ・ドロップ』。あれ? 評判の良い翻訳ハードボイルドを買うとこの手の装丁が多いな・・・と思っていたところに来ました3冊め『拳銃使いの娘』。 なるほど、要するに信頼と実績のハヤカワ・ポケットミステリということか!これも面白かったです! 米国TVドラマの脚本家のキャリアを持つ著者の小説デビュー作なのですが、なるほど文体が映像作品のカット割りに近い感覚で、同じ人物の同じ時間軸の一連のストーリーでもチャプター割りのように小見出しがつくのが面白いです。読んでいるリズムもまさしく映画やドラマのそれ。あらすじは、刑務所から出てきたばかりの父親は服役中のトラブルのせいで犯罪組織に命を狙われることに。彼の元妻や娘も処刑命令のターゲットになってしまい、父親と娘の決死の逃避行が始まる、というもの。 原題は"She Rides Shotgun"。またキャッチーさだけを狙った邦題じゃないかといぶかしく思ったのですが、読んでいくとこの『拳銃使いの娘』というタイトルの意味と強さがズシッと入ってきます。 導入部ではなんの前振りもなく刑務所の超重警備監房に収監されている犯罪組織の総長の得体のしれない影響力の強さとその恐ろしげな人物像が描かれて、そこですっかりこの物語にのめり込んでしまいます。なんだこの小説?とぐいっと引っ張り込まれたところへ幼い少女とムショ上がりの父親のひたすらぎこちない邂逅が続き、前科者の父親に畏怖と疑いの目を向ける少女が「拳銃使いの娘」と表現される理由が徐々に明らかになっていくのですが、そんな少女の成長の過程と父親との関係性の変化が本作の読みどころです。 単に少女のサバイバルと成長と聞けば似たようなストーリーはいくらでもありそうですが、本作の特色は主人公に幼い少女を据えておきながら、ロマンス要素を一切排して、暴力性への目覚めというなんとも危ういテーマを持ち込んだところにあると考えます。娘に対して生き残るための格闘術を教えながらも彼女の危なっかしさを感じる父親が、「強くなるためにはまずは自分の弱さを感じろ」と言いつつ内面の獣を飼いならすよう娘を鍛える親子関係が新鮮です。中盤から後半にかけて登場人物が増えながら、並行して走るストーリーラインも増やし、それをクラッシュさせて回収するエキサイティングなアクションシーンも秀逸ですし、悪徳保安官の嫌らしい怖さやドラッグでハイになっているような暴力描写も凄まじい迫力でした。 少女の成長を扱ったミステリとして、本作とは対極的なクソみたいな父親が登場し、主人公の世界に対する構えも正反対とも言えるボストン・テラン『音もなく少女は』も非常にお薦めです。こちらはクソみたいな男達とそいつらが作った社会に抗う女性たちの連帯がサバイバルのキー。そして少女の成長を描いたミステリの傑作として忘れられないのがディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』。この作品では社会性や知識教養を身につける啓蒙主義がサバイバルのキーになっています。それぞれ小説として本当に面白いものばかりですし、一人の少女が幼いころから困難に直面し、もがき苦しみ成長する過程で生き残りの手段として選ぶものがこれだけバラエティーに富んでいる昨今の翻訳ミステリ小説。読み比べるのも非常に楽しいです。読んでる間は必死のパッチですが。
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