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Posted by ブクログ
最後まで読んで拳銃使いの娘というタイトルに得心がいった 何か一つのものを守りたいという憧れにつながる
物騒で苦手な話だったが読みやすくてページ数が少ないせいかサラサラ読めた とても良い
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★5 ギャングからの逃避行、愛する娘を守るため、命を懸ける父親の熱い想いと行動… #拳銃使いの娘
■きっと読みたくなるレビュー
熱く、素敵な話やった… ★5
少女ポリーが可愛すぎて尊い。
金星生まれの設定やぬいぐるみに自分に投影したりするなどして、いつも微妙な精神バランスをはかって、自らの境遇を受けいれている。それでも彼女には、生き物として生死の覚悟をしなければならない場面が次々と迫ってくる。
決して多くを語らず、ぐっと歯を食いしばんで強い意思をもって勇気のある決断していく。読めば読むほど胸が苦しくなっていくよ…
読んでいる最中は、なぜこんな父親と一緒にいるのか、どうしても理解できなかった。しかし読み進めていくうちに、その理由と正体がだんだんわかってくる。
それは父親ネイトの娘を想う気持ち。
娘のためにすべてを投げ売り、自分がもつすべて技術や能力を分け与え、どんな犠牲を払ってでも娘の命だけは守る。彼は最初から最後まで、一切ぶれない。これは子どもをもつ親としては熱すぎる。
本書はとにかくこの二人の絆、会話、行動、成長に尽きる。
何度も襲い掛かる絶体絶命の危機。いつも父親が娘をひっぱり、時には体をはって守る。娘は父の安否を気遣い、やったことのないことに挑んでいく。それがたとえ汚れた仕事や暴力であっても、二人とも覚悟をもって突き進む。
決して強くはない、むしろ何も持っていない二人であるが、彼らの命を懸けた行動のひとつひとつが、読者の魂を揺さぶってくるのです。
なお本作はプロットが上手で、文章も読みやすく、それでいて文芸的で綺麗。エンタメとしても優れ、そのまま映画になっちゃう。
しかもページ数もそれほど多くなく、バランスも抜群。海外ミステリーに読みなれてない人でも手軽に楽しめる優秀な作品でした。
■ぜっさん推しポイント
良い作品には記憶に刻まれる名シーンがある。
終盤にポリーが躍動する場面があるんですが、これが超痺れるんですよ…
緊張感とリアルさ、そしてポリーが自信の弱さを乗り越えていく心の叫び。
これは歴史に残る名シーンです。これを堪能するだけでも、読む価値がありますので、ぜひぜひ体験してみてください。
Posted by ブクログ
海外ドラマ「メンタリスト」の脚本家であるジョーダンハーパーの初作品。「メンタリスト」好きだったなぁ。。。
で、本作はミステリというより冒険小説。主人公は父親ネイトと、娘のポリーと熊(ぬいぐるみ)。
ネイトが牢獄内でギャングのボスの弟を殺してしまったため、自分だけでなく元妻と娘ポリーまで処刑対象に。出所後すでに元妻が殺されていたため、誘拐のようにポリーと逃げることに。逃避行の道すがら、成長していくポリーと父親との関係。
短い小説ながら、とんでもなく良かった。
あと、熊のぬいぐるみ、キャラが濃すぎる笑
他の作品も読みたいけど、書いてなさそう?
ポケミスって一品物の良作が多いから一度集め始めると止まらないんだよなぁ。。。
Posted by ブクログ
ギャングに命を狙われた少女と父親の逃避行。
ノワールですが、面白いです。
11歳の少女ポリーは、母親とその再婚相手と暮らしていました。
父親は何年も収監中。
ところがある日突然父親が現れ、命を狙われているから一緒に来いと告げます。
刑務所にいた父のネイトは、ギャング組織の親玉に睨まれ、家族ともども抹殺指令が出たため、脱獄してきたのだ。
妻がとっくに再婚した相手と暮らしている娘のことなど、あまり気にかけてはいなかったのだが。
父と同じ淡い青色の眼をしたポリー。
「拳銃使いの眼よ」と母親には言われていました。
互いに馴染のなかった父と娘が危機に瀕してやむなく行動を共にし、次第に気が合う相棒となっていくロードノヴェル。
常識を超えた状況ではあるが、その関係性に心温まります。
暗殺指令を覆すために、どういう手段をとるか?
熊のぬいぐるみを離さない女の子は次第に度胸を身につけ、変貌していきます。
そして…?
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)新人賞受賞作。
スピーディな展開で、読ませます。
Posted by ブクログ
ページを開いた瞬間から、がばっと掴まれた心は、物語のスピード感と一緒に走り出す。登場人物の主観ごとに変えて語られる物語は短くまとまり、次の登場人物の物語へスピードを緩めることなく引継がれ、先を読ませる。
描かれているのは暴力に支配された世界なので、好き嫌いが分かれるかもしれないが、面白い。おそらく映像化されるだろうが、本書を読んでいた時間の高揚感を超えることはないと思う。活字の持つ力は、まだまだ侮れない。
Posted by ブクログ
刑務所内で大きな犯罪組織に刃向い、家族ともども死刑宣告を下された父親、救出に向かうもかつての妻と再婚相手は既に殺され、かろうじて娘だけを救出できた。彼と娘の逃避行は逃げ回るのではなく、戦うことで死刑宣告を取り下げさせようという危険かつアクティブなものだった…。
娘を犯罪者にするつもりは毛頭ないし、自分も犯罪など犯したくはないが、それでもこの父娘がいいなぁと思うのである。二人で強盗を繰り返すシーン、生き延びるための訓練を行うシーン、ジャンクな食事を楽しむシーン…。娘をもつ父親なら「あぁ、俺もこういう娘との関係が欲しい」と思うんじゃないだろうか?
この本は、犯罪小説であり、アクション小説であるが、何よりも、娘の安全を確保し、成長を見守る父親の姿に感動する、この本は家族小説である。
タイトルの「拳銃使い」はちょっと違うような気もするが、語呂とリズムがいいので、これも良し。
Posted by ブクログ
2019年このミステリーがすごい!海外編第2位
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀新人賞、アレックス賞受賞作品
緻密な描写が目に浮かびました。この内容なら映像化も容易だと思われます。
読み終えてみれば、娘思いの良い?父親でした。
Posted by ブクログ
はい面白いです。最高です。
パパと娘の逃避行。生きるために、守るためにギャングに立ち向かうクライムノワール。血と暴力には熊のぬいぐるみがお似合いだぜ!!
父親の覚悟により娘は変貌していく。拳銃使いの娘へと。娘は相棒となる…娘を鍛え上げることで親子を取り戻していくのだ。成長の物語であり家族の絆の物語でもある。場面転換がとにかく素晴らしく、登場人物もすぐ把握できる。異常にすっきりしたリービタリィ海外苦手な人もおススメです。
保安官が好きでねぇ。トンプスン読んだからかもしれないが狂ってるやつほど正義に偏りがあってぶっとい芯のある生き様がいい。とにかく読もう!こりゃあ傑作だ!!
作者が影響受けたもの。
『ペーパームーン』、タランティーノ、エルロイ…もうお判りだね?
(どストライク
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アクション小説。
レオンみたいな。
お父さんが物騒な人だと娘も物騒になるお話。
でも超人的な活躍する訳でもなく、地に足のついた娘の活躍&成長でした。
映画になるのね?見たいかも。
Posted by ブクログ
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)新人賞受賞作品。早川書房は海外作品の受賞作品を半年から一年くらいで日本語版にして出版してくれる稀有な版元である。中でもポケミスは早撃ちにかけては名の知れた叢書なので、ぼくは八割方は読んでいる。新たな作家に出会うことも多い。本書デビューとなったこのジョーダン・ハーパーみたいな活きのいい作家と。
少女が犯罪者の父親と逃亡し逆転勝利を、目指すロード・ノヴェルである。のっけから彼等の殺害指令が全米に出される。超重警監房にいる犯罪グループのボスから発される。少女は、父親と同じ拳銃使いの眼をしている。海ではなく川のように青い眼を。
作者はテレビドラマ作家だそうで、小説の展開もなるほどスピーディーで心地良い。ノワールで、クライムで、バイオレンスでありながら、熊のぬいぐるみを手放さない少女の成長物語でもある。
巻末解説によると、インスピレーションを受けたのは『子連れ狼』『ペーパームーン』『レオン』作家としてはジェイムズ・エルロイ、コーマック・マッカーシー、クエンティン・タランティーノだそうだ。笑いたくなるほど納得。推して知るべし。
犯罪に無縁の人はおよそ出てこない。はぼすべての人物が堅気ではない作品世界で、一番不似合いだったのが主人公の少女ポニーだ。もちろん主人公は彼女。拳銃使いの父親の隣、助手席でタフに育ってゆく彼女の変貌ぶりこそが、この作品のすべてを駆け抜ける魅力である。
時に美しく、時に容赦のない文章が、アメリカ西部の荒野を縦横に切り取ってゆく。薄手の本ながら密度の詰まった重量級の傑作としてインパクトを与えてくれること間違いなし、請け合います。
Posted by ブクログ
あらゆるギャングから命を狙われる男と、その娘が過酷な環境で急激に成長してく姿を描く
解説にあるように「子連れ狼」「レオン」やタランティーノ感があり
(冒頭の刑務所内に居るギャングの総長から親子の「抹殺命令」が下るあたりの描写とか)
テレビドラマの脚本家出身(最近多い)の場面切り替えつつテンポよく進む。親子として歪な形ではあるけど絆が育まれていく感じと、隣り合わせの乾いた暴力世界が良い。
ギャングから命を狙われているので「早く安全な状態になって欲しい」と願いつつ「読み終わるのがなんかさみしい」という妙な心地よさ。
映画化されるらしいので、観ます。
余談:「ネイト・◯◯スキー」と聞くとC.J.ボックス「ジョー・ピケットシリーズ」の鷹匠ネイトが思い浮かぶので、読みながらややイメージを引きずった。
Posted by ブクログ
砂漠の荒野で裸エプロンでメタンフェタミン調理するのって『ブレイキング・バッド』が流行らせたの? それともアメリカンクライムの常識なのかな?
そんな感じのザ・アメリカ産クライムものって感じの小説。
刑務所帰りパッパが弱っちいJCの娘を迎えにくるオープニングから、ギャングとのドンパチ、修羅場を経てだんだんタフになっていくJCガール、時にホロっとくる父娘の絆……ちょっとでも気になるフレーズがあったらきっと楽しめるはず。
Posted by ブクログ
方向音痴なんです
そして方向音痴の天敵と言えば野外フェスかどでかいショッピングセンターと相場は決まっています
特に大きな建物の中はまずいですよね
もう完全自分の居場所を見失って右も左もわからなくなります(いや左右はわかるでしょ!)
そしてそういうでっかいショッピングセンターに付きものの広大な屋内駐車場ね!
あれもう100%自分がどこに駐めたかわからなくなりますもんね
どのエスカレーター使ってどの通路を使ってとか完璧に覚えたつもりでいて今日こそは迷いなく自分の車の場所に!と思うんですが
やっぱり『見当違いの場所へ』なんちて
さて『拳銃使いの娘』です
「拳銃使い」違うやん!というね
まあそういうことじゃないんでしょうがw
刑務所から出所した父としばらく会っていなかった11歳の娘が殺し屋から身を躱しながら旅を続ける中で娘は強さを身に付け父娘の距離が縮まっていき二人は反撃にでる
なんかありそうな設定ですがなかなかに面白かったです
でもなぁ、なんか惜しいんですよね
二人の距離の縮まって行くところとかちょっと雑なんですよね
おいおいそれで信頼関係できあがっちゃうの?って
もうちょっと丁寧な心理描写があったらもっともっと面白くなりそう
それにしても皆さんこういう傑作をどうやって探し出してくるのかな
ハヤカワにこんなノベル(?)のシリーズがあるなんて知りませんでした
ま、おかげさまでたどり着けたので良しとしよう
Posted by ブクログ
自分が初めて買ったハヤカワ・ポケットミステリはデイヴィッド・ゴードン著『用心棒 』でした。しかも去年の話です。生まれてはじめてハヤカワ・ポケットミステリのこのタイプの本を手にとったのが去年なのです。ものを知らないというのは怖いもので「なんだこの凝った作りの本は!」と感動しました。そして続くはデニス・ルヘイン著『ザ・ドロップ』。あれ? 評判の良い翻訳ハードボイルドを買うとこの手の装丁が多いな・・・と思っていたところに来ました3冊め『拳銃使いの娘』。
なるほど、要するに信頼と実績のハヤカワ・ポケットミステリということか!これも面白かったです!
米国TVドラマの脚本家のキャリアを持つ著者の小説デビュー作なのですが、なるほど文体が映像作品のカット割りに近い感覚で、同じ人物の同じ時間軸の一連のストーリーでもチャプター割りのように小見出しがつくのが面白いです。読んでいるリズムもまさしく映画やドラマのそれ。あらすじは、刑務所から出てきたばかりの父親は服役中のトラブルのせいで犯罪組織に命を狙われることに。彼の元妻や娘も処刑命令のターゲットになってしまい、父親と娘の決死の逃避行が始まる、というもの。
原題は"She Rides Shotgun"。またキャッチーさだけを狙った邦題じゃないかといぶかしく思ったのですが、読んでいくとこの『拳銃使いの娘』というタイトルの意味と強さがズシッと入ってきます。
導入部ではなんの前振りもなく刑務所の超重警備監房に収監されている犯罪組織の総長の得体のしれない影響力の強さとその恐ろしげな人物像が描かれて、そこですっかりこの物語にのめり込んでしまいます。なんだこの小説?とぐいっと引っ張り込まれたところへ幼い少女とムショ上がりの父親のひたすらぎこちない邂逅が続き、前科者の父親に畏怖と疑いの目を向ける少女が「拳銃使いの娘」と表現される理由が徐々に明らかになっていくのですが、そんな少女の成長の過程と父親との関係性の変化が本作の読みどころです。
単に少女のサバイバルと成長と聞けば似たようなストーリーはいくらでもありそうですが、本作の特色は主人公に幼い少女を据えておきながら、ロマンス要素を一切排して、暴力性への目覚めというなんとも危ういテーマを持ち込んだところにあると考えます。娘に対して生き残るための格闘術を教えながらも彼女の危なっかしさを感じる父親が、「強くなるためにはまずは自分の弱さを感じろ」と言いつつ内面の獣を飼いならすよう娘を鍛える親子関係が新鮮です。中盤から後半にかけて登場人物が増えながら、並行して走るストーリーラインも増やし、それをクラッシュさせて回収するエキサイティングなアクションシーンも秀逸ですし、悪徳保安官の嫌らしい怖さやドラッグでハイになっているような暴力描写も凄まじい迫力でした。
少女の成長を扱ったミステリとして、本作とは対極的なクソみたいな父親が登場し、主人公の世界に対する構えも正反対とも言えるボストン・テラン『音もなく少女は』も非常にお薦めです。こちらはクソみたいな男達とそいつらが作った社会に抗う女性たちの連帯がサバイバルのキー。そして少女の成長を描いたミステリの傑作として忘れられないのがディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』。この作品では社会性や知識教養を身につける啓蒙主義がサバイバルのキーになっています。それぞれ小説として本当に面白いものばかりですし、一人の少女が幼いころから困難に直面し、もがき苦しみ成長する過程で生き残りの手段として選ぶものがこれだけバラエティーに富んでいる昨今の翻訳ミステリ小説。読み比べるのも非常に楽しいです。読んでる間は必死のパッチですが。
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タイトルからスナイパーか何か拳銃が上手な少女のストーリーかと思った。ドラッグ・殺人・復讐・家族そしてメルヘン、変わったミステリーです。
ネイトが出所して向かった先は、娘の中学校だった。そのまま2人の逃亡劇が始まる。
刑務所で嵌められる事を避けようと囚人の1人を刺し殺した。犯人は判らずネイトはそのまま出所期限を迎え娑婆に出たが、元妻のエイヴィスが殺された。囚人組織のボスは刺し殺された囚人の兄で、ネイトの身内に報復に出たのだ。
青い稲妻の刺青軍団から逃れる為に、ネイトと娘ポリーと小熊の3人は逃亡を始めた。険悪だった2人だが殺すか殺されるかの緊張の連続の中、親子としての会話や愛情が育まれてきた。
全ての事情を知ったポリーはネイトから闘争の訓練を受け始め、生活の為に強盗の手伝いも進んで行った。
麻薬倉庫強盗・マフィア経営のクラブ襲撃・上納金の横取り等、犯罪を重ねる2人+1匹の会話や行動は微笑ましく凶悪父娘を、もっとやれ、頑張れって、応援したくなってきた。
事件から1年後、ギャングのボスが殺害された。
行方をくらましたネイトの仕業と噂された。
ネイトは最後の死闘で重症を追っており死んだのではと思う。その後をポリーと小熊が引き継いだのだ。と、勝手に想像した。その流れの続編に期待する。
2018年エドガー賞新人賞受賞作です。著作はTVドラマ''CSI科学捜査班''の脚本家で本作も良く出来ている、翻訳作品に多い日本人には理解し難い独特な言い回しや箸休めの様な無駄なシーンも無く、残虐な犯罪シーンが多いのにポリーの相棒ぬいぐるみの熊が緊張感をクールダウンさせてくれる。バランスの良い流れに飽きずに読める。
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とんでもない人生勉強。絞め技体得し、実践するところはすごいです。ほんとにとんでもないけど、こういう生き方もあるよな、と思わされました。次第に立派な父親に見えてきちゃうし。あんなに酷い目にあっても生存できるもんなんだな。
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アウトローの男と娘の逃避行というのはよくある設定だが、父親譲りの拳銃使いの眼をした少女が血生臭い修羅場をくぐった末に逞しくなって父親を支え遂には独り立ちする姿は実にふてぶてしくもありまた凛々しくもある。続編は書かれてないようだけれども、さらに逞しくふてぶてしくなったポリーの物語をいつか読みたいものだ。
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父と娘のロードムービー。
刑務所に入った拳銃使いである父のせいで、娘は命を狙われることになった。面識のない娘を守るために父が現れ、娘に拳銃の扱いを教えていく。
娘の無鉄砲さと父の逞しさ、頼もしさ、そして弱さが格好いい。
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内気で世界と上手く折りあえずにいる少女ポリーの人生は、刑務所帰りの父ネイトの登場によりすっかり変わってしまった。2人を追うギャングからの逃避行は果たして成功するのか?
勇敢なる相棒、熊に敬礼!
なんとー、びっくりしました。こんな殺伐としたストーリーなのに、読後の余韻と、そこはかとない切なさときたら。
最初は、なんかむちゃくちゃやん!と思っていたのに、気がついたらネイトの不器用ながらも娘を愛する気持ちや、ポリーが成長して行く姿にすっかりハマってしまいました。そして熊が!最後までいい味出しすぎ。
ネイトが結局どうなったのか、示唆はしつつも、解釈の可能性を残しているのも良かった。ネイトがポリーを守るためにそうしたんだね、と。
邦題は良いと思うし、銃を捨てるところは良いシーンだったけど、そんな拳銃使い感あったかなって疑問は残りました。。
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出獄直前に、闇の世界を牛耳る組織の幹部を殺してしまったことから、男は自分だけではなく家族の命をも狙われることになる。元妻とその夫は無残に殺されたことを知った男は、11歳の娘を連れて逃亡する。
まあ、プロットはこんだけで、あとは2人がいかに立ち回り生き延びるかという興味に尽きる。でもキャラクター造形が上手くて飽きさせない。タイトルの「拳銃使い」はやや大袈裟に過ぎる気がした。
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面白くて一気読み。著者は脚本家で初の小説だそうだが、なるほど読み手をダレさせないスピーディな展開で、長さもほどほど、リーダビリティ抜群だ。あ、とは言ってもギャングものを好まない人や、物理的に「痛い」描写が苦手な人は別だが。
ギャングから暗殺指令の対象とされた男が娘を守ろうとする、その設定自体に目新しさはないが、これを娘視点で書き、しかも「無垢で守られるだけの娘」にしなかった。そこが実に良い。これ、娘のポリーを主人公にしてシリーズ化できそう。当然のごとく映画化が決まっているようだが、父のネイトは誰がやるのかな。ちょっと楽しみ。
詳細な心理描写があるわけではないのに、登場人物それぞれの個性がくっきり立ち上がってくるところがすばらしいと思う。脇役である警官もチンピラも大物も、みなに存在感がある。邦題がちょっと昔風なのもクールだ。
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クマのぬいぐるみを持った,金星から来た11歳の女の子ポリー.刑務所から出てきたばかりの父親とともに命を的にした逃避行.だけど逃げるばかりでなく撃って出るところ,ハラハラドキドキしどうしの250ページだった.映画を見ているようにテンポよく物語が進みまた人物も手触り感のある表現で的確だ.守られているばかりじゃない11歳の女の子の面目躍如の活躍に興奮した.
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「その娘への正式な青信号を点す」
出獄間際、ギャング組織と敵対してしまった父ネイトは、ギャング組織により家族もろとも処刑命令を下される。
彼の娘ポリーは父ネイトとお気に入りの熊の人形とともに果て無き逃避行に巻き込まれていく。
血と暴力、父の葛藤、少女の成長。様々な要素を詰め込んだ傑作。
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11歳のポリーの前に、刑務所帰りの実の父親ネイトが突然現われた。獄中で凶悪なギャング組織を敵に回したネイトには、妻子ともども処刑命令が出ており、家族を救うため釈放されるや駆けつけたのだった。だが時すでに遅くポリーの母親は殺されてしまった。自らと娘の命を救うため、ネイトはポリーを連れて逃亡の旅に出る。処刑命令を出した組織に損害を与えるため、道々で強盗をくりかえす父子。暴力と犯罪に満ち危険と隣りあわせの旅の中で、ポリーは徐々に生き延びる術を身に着けていく。迫る追っ手と警察をかわして、父子は生き残れるか?
アクションに次ぐアクションで、読ませます。
Posted by ブクログ
強面のタフガイネイトが勢い余ってしでかした所業のつけを支払わされる事態を何とか乗り切ろうともがくありがちなクライムノベル。
特徴的なのは命を守るために共に逃避行に連れ出した娘のポリーの存在。
”拳銃使いの眼”と評された青い眼を持つ若干11歳のポリーは始めこそ内気でびくびくしていたが、道中目にする父親の振る舞い、父親から教えられる心得を糧にその道の人間に目覚めていく。
こざっぱりした文章で、TVドラマのプロデューサーが書いた物語だけあって、深みがあるというよりは次の展開をだしにテンポ良く読ませていくスピード感が売りの物語。
Posted by ブクログ
簡にして要を得たそぎ落とされ方といい人物設定といい映像化向きのストーリーで,結局レオンじゃんという感想やもうちょっと背景を知りたいよという読後感になるように思うけど,ポリーが魅力的すぎて全くそうならない。チャイナな俳優さんも含め魅力的な人を揃えて映像化してもらえる気がする。
Posted by ブクログ
ポリーが学校で自分はユダヤ教徒だと嘘を吐いたと知った時の、ポリーの母の反応が好きだ。いいお母さんだったのにね。ポリーの成長物語。ちょっと先行き恐ろしいが。ポリーこそ「恐ろしい子」by月影千草。大好きな『メンタリスト』の脚本家か。面白くて当然。