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Posted by ブクログ
俺にはできないことが3つあると言って消去法的に殺し屋となった男が、殺さないという道を選んだことで得られた悲しい結末、あるいはハッピーエンドの物語。人にはそれぞれテーマがあってそのテーマに沿って人生は物語として再構成される。同じ事象を目の前にしても、個々人によっては見えているものも違えばその解釈も大きく異なる。そういう意味で一人称で語られる物語は読むたびに解釈が変わるほど入念な小説だった。エピローグでは語り手が変わるがそれが意味することは何だろうと考えあぐねる。カートヴォネガットの『タイタンの妖女』で死にゆく男が見た夢の光景の話があるが、この物語では何がどこまで夢だったのだろうと考え始めるとキリがないけれど、そのキリのなさゆえに小説というものは深化し、読み手によって命を与えられるのだろう。雪という肉体と血を身に纏って。
Posted by ブクログ
翻訳ミステリの多国籍化がすっかり歓迎ムードになっている昨今。英米の小説よりももしかしたら売れ行きがいいのではないか、とさえ思わせる北欧ミステリの世界的な台頭はやはり目立つ。
その中でも異色の作家ジョー・ネスボ。主人公の個性を大切にする傾向が強い北欧作家の中でも、強烈なオリジナリティを持たせるジョー・ネスボ。本作はネスボらしからぬ薄い一冊で、中編と呼んでも過言ではないほどの<ポケミス>ぶりだ。
そして数多くのパルプノワールが傑作を生み出してきたように、作品の長さではなく、詩のように語られ、詩のように生き、詩のように死んでゆく薄手の作品は、今日も、いつの世でも、どこの地でも好まれる傾向にあると思う。
抒情溢れるクリスマス・ストーリー。救いようのない人生の中で、主人公の殺し屋家業の青年が夢見、恋をした。一瞬の出会いとさえ呼べない出会いが、人生を決定づける。
悲しくも美しいラブストーリー。行き場のないメルヘン。苦しく不器用の連続であった人生に手向けられた花束のような一篇。素敵で胸の衝かれるこの作品に、是非とも酔い痴れて頂きたい。
Posted by ブクログ
表紙が印象的な一冊。海外ミステリーは苦手でしたが本書は一気読みでした。
ザ・ハードボイルド。短い文章でさらっとした言い回しがたくさんあり、まるで詩のようです。
例えば
〈いい話というやつは、ありえないほどいい話だと、悪い話になることもある。〉
キザな感じが好き嫌い分かれるかもしれませんが…。個人的には好きなほうです。
人は誰しも自分の〈物語〉を生きている。起こった事実は同じでもそこにどんな意味を持たせるかで物語は全く変わってくる。
そんなことを思い出させてくれる良書でした。
* *
物語とは直接関係ありませんが、主人公の『レ・ミゼラブル』への考察は何かはっとさせられるものがあります。
曰く、《ジャンバルジャンは本当にパンを盗んだだけだったのか?ー》
確かに…。今度読み返してみようかな。
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小説・文芸
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