その雪と血を

その雪と血を

小説・文芸
880円 (税込)

4pt

オーラヴ・ヨハンセンは殺し屋だ。この数年間、麻薬業者のボスに命じられて殺人を引き受けてきた。今回の仕事は、不貞を働いているらしいボスの妻を始末すること。いつものように引き金をひくつもりだ。だが彼女の姿を見た瞬間、信じられないことが起こる。オーラヴは恋に落ちてしまったのだ――。葛藤する彼の銃口は誰に向かうのか。放たれた弾丸が首都の犯罪組織を大きく揺るがす……。雪降りしきる70年代のノルウェーを舞台に、世界で著作累計2800万部を突破した北欧ミステリの重鎮が描く血と愛の物語。

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その雪と血を のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ハードボイルドの哀しい結末

    愛することも愛されることもよく分からないと感じる、
    絶望しているわけではなく、不器用に手探りで愛を感じようとする……
    自身の物語を見つけようとする、主人公の悲しさ。

    200項に満たない“中編”に、冬の情景をふんだんに盛り込んだ抒情詩のような一片の小説

    主人公一人称で描かれるのは主人公の「想像(思い)」でもあり、
    見え隠れする「現実」でもある。
    最後の章で一人称が外れたとき、夢から覚めたような感覚でいる自分に驚く。

    クリスマスの夜、町を覆う雪
    「悲しみもやがて温かいベールに包まれる」という幻想
    ……残酷です。

    0
    2021年12月09日

    Posted by ブクログ

    殺し屋の男が自分のボスの女であり
    暗殺の標的である女に惚れてしまうとこから始まるパルプ・ノワール

    あらすじだけで、どんな結末になるか
    なんとなくわかってしまうんだけど
    寒さが伝わってくるくらいの綺麗な描写が良い。
    暴力すらやや和らげてるような印象(ヤワなわけではない) ただただ切ない。

    余談:パルプ・ノワールってなんなの?とか今なぜ70年代でノワールなの?とか疑問に思ってたことを全て解説してくれてて感動した。

    0
    2019年03月13日

    Posted by ブクログ

    ボスに依頼された人物を始末する殺し屋、オーラヴ。次の依頼は、ボスの妻を殺すこと。任務を遂行するためボスの家に赴いたオーラヴは、妻に一目惚れしてしまう…。

    0
    2018年06月06日

    Posted by ブクログ

    俺にはできないことが3つあると言って消去法的に殺し屋となった男が、殺さないという道を選んだことで得られた悲しい結末、あるいはハッピーエンドの物語。人にはそれぞれテーマがあってそのテーマに沿って人生は物語として再構成される。同じ事象を目の前にしても、個々人によっては見えているものも違えばその解釈も大きく異なる。そういう意味で一人称で語られる物語は読むたびに解釈が変わるほど入念な小説だった。エピローグでは語り手が変わるがそれが意味することは何だろうと考えあぐねる。カートヴォネガットの『タイタンの妖女』で死にゆく男が見た夢の光景の話があるが、この物語では何がどこまで夢だったのだろうと考え始めるとキリがないけれど、そのキリのなさゆえに小説というものは深化し、読み手によって命を与えられるのだろう。雪という肉体と血を身に纏って。

    0
    2017年03月10日

    Posted by ブクログ

     翻訳ミステリの多国籍化がすっかり歓迎ムードになっている昨今。英米の小説よりももしかしたら売れ行きがいいのではないか、とさえ思わせる北欧ミステリの世界的な台頭はやはり目立つ。

     その中でも異色の作家ジョー・ネスボ。主人公の個性を大切にする傾向が強い北欧作家の中でも、強烈なオリジナリティを持たせるジョー・ネスボ。本作はネスボらしからぬ薄い一冊で、中編と呼んでも過言ではないほどの<ポケミス>ぶりだ。

     そして数多くのパルプノワールが傑作を生み出してきたように、作品の長さではなく、詩のように語られ、詩のように生き、詩のように死んでゆく薄手の作品は、今日も、いつの世でも、どこの地でも好まれる傾向にあると思う。

     抒情溢れるクリスマス・ストーリー。救いようのない人生の中で、主人公の殺し屋家業の青年が夢見、恋をした。一瞬の出会いとさえ呼べない出会いが、人生を決定づける。

     悲しくも美しいラブストーリー。行き場のないメルヘン。苦しく不器用の連続であった人生に手向けられた花束のような一篇。素敵で胸の衝かれるこの作品に、是非とも酔い痴れて頂きたい。

    0
    2017年01月07日

    Posted by ブクログ

    好みな作品。愛と血と暴力が蠢き、始末屋の主人公の運命を翻弄する。
    ページ数が少ない為、駆け足で物語が進むのだが、これは極上なノワールだ。狂おしいほどに美しく叙情的。冷たい雪と深い闇が織りなす暗黒。

    裏切りと幻想。この2つ。突如訪れる展開で、ミステリーとしての美しさを兼ね合わせた、傑作だと気付くことになる。

    0
    2017年10月19日

    Posted by ブクログ

    ひゃー、これはこれは。。。見事!   
    あっぱれなパルプフィクション。あっぱれなクリスマスストーリー。
    この薄さで完璧。

    0
    2016年12月24日

    Posted by ブクログ

     タイトルと最初の3行で、もうどうしようもないくらいダメでバカでロマンチストな男の物語だと言うことが分かる。実にしょうがない悪党が、クリスマスにこんなに美しい物語を紡ぐなんて反則だ。ときめくじゃないか。
     クリスマスまでに読んで欲しい。

    0
    2016年11月27日

    Posted by ブクログ

    表紙が印象的な一冊。海外ミステリーは苦手でしたが本書は一気読みでした。

    ザ・ハードボイルド。短い文章でさらっとした言い回しがたくさんあり、まるで詩のようです。
    例えば
    〈いい話というやつは、ありえないほどいい話だと、悪い話になることもある。〉
    キザな感じが好き嫌い分かれるかもしれませんが…。個人的には好きなほうです。

    人は誰しも自分の〈物語〉を生きている。起こった事実は同じでもそこにどんな意味を持たせるかで物語は全く変わってくる。
    そんなことを思い出させてくれる良書でした。

    * *
    物語とは直接関係ありませんが、主人公の『レ・ミゼラブル』への考察は何かはっとさせられるものがあります。
    曰く、《ジャンバルジャンは本当にパンを盗んだだけだったのか?ー》 
    確かに…。今度読み返してみようかな。

    0
    2023年04月29日

    Posted by ブクログ

    ノルェー作家 もう、最初暗くて暗くて何度投げそうになったか でも177pと薄いので、意地でも読み終えてやると思ったら、あらら…最後の最後にあぁこうきたか ん〜上手いな 
    とてつもなく悲しく、美しいラスト 胸に沁み入りました この作家は日本人好みだと思う 

    0
    2017年05月01日

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