ドナテッラ・ディ・ピエトラントニオの作品一覧

「ドナテッラ・ディ・ピエトラントニオ」の「戻ってきた娘」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 戻ってきた娘
    3.8
    1巻1,782円 (税込)
    少女の成長を描くイタリアのベストセラー。 13歳の時にそれまで育った裕福な家庭から、実の親と兄妹が暮らす田舎の貧しい家庭に突然戻されてしまった「わたし」。大人の都合に翻弄され、あまりに違う環境に戸惑い、寄る辺の無さに悩みながらも、実の妹という理解者と共に成長し、やがて大人を乗り越えていこうとする少女の姿を描く感動作。イタリアで二大文学賞のひとつカンピエッロ賞を受賞、28か国に翻訳され、映画化も進行しているベストセラー。 (2021年3月発行作品)

ユーザーレビュー

  • 戻ってきた娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    13年間も実の娘として育てた後、物を返品するかのように、娘を極貧の実家族へ戻すなんて、、、13年間の愛情や愛着はどこへ消えるのか。主人公が新しい環境で、実の親兄弟から厄介者のように扱われる様は読んでいて心が痛む。実母も「戻ってきた娘」をどう扱って良いかわからない。無邪気で、まっすぐで、時には頼りになる妹アドリアーナの優しさ賢さには胸を打たれる。彼女の存在に、主人公「わたし」だけじゃなく私自身も救われた気がする。姉妹のその後を描いた続編もあるようなので、翻訳本が出れば読んでみたい。

    0
    2025年04月10日
  • 戻ってきた娘

    Posted by ブクログ

    イタリアの貧富の差を描いた小説であるだけでなく、男性の暴力と貧困で暮らすための困難さを描いている。
     観光国イタリアではなくて、貧困にあえぐイタリアということで日本の万引き家族に似ている。

    0
    2021年10月26日
  • 戻ってきた娘

    Posted by ブクログ

    13歳の時、育ての親から生みの親の元へ返された主人公わたしは、恵まれた一人娘の暮しから子だくさんの貧困家庭へ。なぜ戻されたのか理由も分からない。
    これはつらい話だ…と覚悟して読み始めた。

    けれど語られる文体は淡々と静かだ。
    新たな暮らしに順応していく日々を描きながら、時々押さえられない感情が溢れだす。
    「生みの親と育ての親、二人の生きた母親を持ちながら、わたしは孤児だった」と感じる孤独は身を切るようだろう。語りが静かだからこそ、心が揺さぶられる。

    妹のアドリアーナの存在が大きい。装画がわたしとアドリアーナの二人が画かれているところからも分かる。貧困の中で逞しく育った妹の強さも要領の良さも、

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    2021年08月30日
  • 戻ってきた娘

    Posted by ブクログ

    自分を取り巻く世界とアイデンティティが同一である子どもにとっての、物のように一つの家庭から一つの家庭へと引き渡されるむごさ。同じ経験はしてないものの、幼い頃の痛みとそんな中でも日常のなかにあるささやかな幸福にそのまま触れられるような、瑞々しさに満ちた筆致が素晴らしい。

    0
    2021年07月21日
  • 戻ってきた娘

    Posted by ブクログ

    まず読みやすい。暖かくて哀しくて、不安定、それでも生命のたくましさと優しさのある、古いイタリア映画のような、味わい深い作品だと思った。突然貧しい実の親のもとに返された娘の内面を思うと、本当に気の毒だけれど、彼女の意思の強さが彼女の命とプライドを守った。姉妹たちはこの先もきっとつらい思いもしながら、したたかに生き抜いていくのだろう。ああイタリアだわよ

    0
    2024年05月22日

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