ドナテッラ・ディ・ピエトラントニオのレビュー一覧

  • 戻ってきた娘
    イタリアの貧富の差を描いた小説であるだけでなく、男性の暴力と貧困で暮らすための困難さを描いている。
     観光国イタリアではなくて、貧困にあえぐイタリアということで日本の万引き家族に似ている。
  • 戻ってきた娘
    13歳の時、育ての親から生みの親の元へ返された主人公わたしは、恵まれた一人娘の暮しから子だくさんの貧困家庭へ。なぜ戻されたのか理由も分からない。
    これはつらい話だ…と覚悟して読み始めた。

    けれど語られる文体は淡々と静かだ。
    新たな暮らしに順応していく日々を描きながら、時々押さえられない感情が溢れだ...続きを読む
  • 戻ってきた娘
    自分を取り巻く世界とアイデンティティが同一である子どもにとっての、物のように一つの家庭から一つの家庭へと引き渡されるむごさ。同じ経験はしてないものの、幼い頃の痛みとそんな中でも日常のなかにあるささやかな幸福にそのまま触れられるような、瑞々しさに満ちた筆致が素晴らしい。
  • 戻ってきた娘
    妹のちょっと舌足らず的な喋り方が(訳し方?)とてもすんなり入ってきてこの小説のアクセントになっていて、すごく好き。
    個性的な兄妹や環境、主人公の心情が痛いほど伝わってきてこの作者と訳者の他の作品も読みたくなった。
  • 戻ってきた娘
    貧富の差なのか文化の違いなのかしらんが、貧しい地域の子供たちは早くに働かせられたり、子供のうちから大人たちと社会的で現実的な話し合いをしいられたりする。そんな子沢山な家庭から養子として裕福な家庭に引き取られて育てられていた少女が突然実家という他人の家に戻される。3歳下の妹の方がしっかりして、世慣れて...続きを読む
  • 戻ってきた娘
    大人の都合に翻弄される「わたし」が、彼女を取りまく特殊な環境の中で、出会った人、出来事、産みの親・育ての親との関係を通じて成長していく話。しかし自分でもびっくりするくらい、読後に残るものがなかった。

    思うにそれは作品のせいではなく、このところ本を読む、自分の中に言葉を取り入れるということをさぼって...続きを読む
  • 戻ってきた娘
    すごく好きな本だった。遠い国なのに情景が浮かぶ心境で,そういう本が好きなのだと思う。ニュー・シネマ・パラダイスを見た田中裕子の感想というか。続きも読みたくなる。
    他の人も書いてたけど,方言の翻訳って難しいなと思った。
  • 戻ってきた娘
    いかにも映画になりそうな物語。
    小さい映画館で、上映されそうな。
    イタリアの訛りを
    関西弁風に翻訳してあるのが、わかりやすかった
  • 戻ってきた娘
    いいことも悪いことも含めて回想される子ども時代という点で、『ニュー・シネマ・パラダイス』のような味わいがちょっとあるのだが。大人になってから過去を回想しているようなのに、大人になった姿はほとんど描かれないので、なんとなく消化不良。と思ったら続編があるのだね。なるほど。

    方言の扱いが気になった。強い...続きを読む