カレル・チャペックの作品一覧
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ユーザーレビュー
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園芸はやむにやまれぬ一つの情熱、園芸家は植物の名称を重んずる。園芸家は、経験と環境と自然の条件から生まれる。雨が降ると、庭に雨が降っている、と思う。日がさしても、たださしているのではない。庭にさしているのだ。日がかくれると、庭がねむって、今日一日のつかれをやすめるんだ、と思ってほっとする。カレル・
...続きを読むチャペック(1890~1938、チェコ)「園芸家12ヵ月」、2020.8発行。12月の園芸家は、庭を眺める。そして、園芸カタログ、パンフレット、本、雑誌を。
Posted by ブクログ
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人間にとって、最も重要な労働力は人間である
しかし、我々が他人を労働力という単純な商品として捉えたとき、何が起こるであろうか
それは大量生産と大量消費である
人間であるのに人間ではなく、労働力の化身として生み出されたのがカレル・チャペックの想像するロボットだ
発表された時代は1921年。資本主義の暴
...続きを読む走に抵抗し、共産主義が台頭し始めた、労働における人間性が問われた時代の一つであった
人間はどう生き、どう働き、他者とどのような関係性を築くべきだろうか
彼の神話的回答がこの本にはある
Posted by ブクログ
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カレル・チャペックの戯曲「白い病」を一気に読みました。
作家のチャペックはナチス・ドイツを痛烈に批判したチェコの国民的作家です。
また、ロボット という言葉を初めて使ったことでも知られています。
まず、この戯曲を読んで、すぐ頭に浮かんだのがナチス・ドイツまもとより、
スターリン時代のソ連、軍事政権下
...続きを読むの日本でした。
戦争・侵略を目指したこれらの国々では、軍事拡大を強力に推し進め、
自国民の優秀さを強調し、敵国を倒すためには一致団結しなければならない
という全体主義的な考え方を洗脳化してきました。
この戯曲はそうした状況の下にあるある国で
「白い病」という疫病が蔓延すというパンデミックが襲ってきました。
体の一部に白い斑点が出来、やがて身体を深く冒し死に至らしめるという
感染力の強い、未知の伝染病が蔓延してきたのです。
しかし特効薬を発見したという町医者が現れ、
特効薬も用いて下層階級の人びとを救いはじめました。
軍部では彼に協力を求めますが、
彼はその条件としてある事を条件として要求しました。
チャペックはこの作品を発表した翌年、肺炎のためこの世を去っている。
チェコスロヴァキアという国もナチス・ドイツの保護領となりました。
所で、コロナ過はまだ続いておりますが、
1918年から1920年にかけ全世界的に大流行したスペイン風邪は
1億人を超えていたと推定されており、
人類史上最も死者を出したパンデミックのひとつとされています。
しかし、日本の歴史の教科書(山川出版)にはその記載がありません。
当時、日本では人口5500万人に対し約2380万人(人口比:約43%)が感染、
約39万人が死亡したとされるにもかかわらずです。
1914年から1918年まで続いた第一次世界大戦で
日本軍が大陸に出兵したことは載っているのですが…
Posted by ブクログ
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新型コロナ、そしてロシアの侵攻で世界が揺れ続ける中、こんな作品があったのか、と少し恐ろしくもなる作品でした。
突然白い斑点が体中に現れ、死に至る疫病の流行する世界。そして舞台となる国家は戦争を推し進める総統によって支配されている。
この二点が現実と合致してしまうことに恐ろしさとやりきれなさを思いま
...続きを読むす。
戯曲ということで最低限の登場人物の動作以外は、会話のみで話は進んで行きます。その分、想像力が必要とされるかもしれないけれど、セリフだけのため非常に早く読めました。
それでいて内容は濃い。示唆的な部分、寓意的な部分と色々あって、考えさせられる部分もあり、登場人物の葛藤もセリフだけのためか、表情や言葉に表れない心理などを想像させられました。
白い病が50歳以上の人間にだけ発病することで生まれる世代間の対立。
権力者や富のあるものと貧困にあえぐ人たちという、階級間の対立。
本来なら権力者や富のある人が病の治療薬の恩恵を真っ先に受けられそうなのに、それがこの作品に登場する医師の信念によって、階級や富による有利不利が全く逆転してしまう。
そこから持つもの、持たざるものの差や責任みたいなものも考えさせられる。
白い病の場合は発症する者、しない者という点で世代間対立が生まれたけど、現実を見ても、政治への影響力や資産の面で世代間対立というものが鮮明になっていて、そういうところすらも予見していたのかと思ってしまう。
さらに治療薬や戦争による武器産業をめぐって、自分の富や名誉を高めようとする人間が出てくるなど、物語で描かれる人間の欲望はどこまでも現実と地続きに描かれています。
様々な面から著者のカレル・チャペックの視点の鋭さを思わされます。
権力者や金持ちに治療薬を処方する条件として、医師は今すぐ戦争をやめるよう、総統に条件を出します。一方でその条件を呑もうとしない総統。さらに激化する民衆の戦争への熱狂。その行き着く先は……
疫病と戦争。大きな要素を自然に物語世界に取り込み、人間の欲望や悪、愚かさを痛烈に描ききった名作だったと思います。
Posted by ブクログ
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チャペック1937年作の戯曲。中国発の未知の病が世界中でパンデミックを引き起こすというあまりにも予言的な物語。
疫病は世界中に深刻なパニックを引き起こし、50歳前後以上の人のみが感染し死に至る疫病は世代間の軋轢をも生む。特効薬を発見したガレーン博士は永久平和を国家に要求し貧乏人以外への薬の提供を拒む
...続きを読む。
国家元帥もクリューク男爵も間違いなく偉大な人物である。国家と自身の信念にとっては。元帥の台詞「...この若者は有能だ、だが分別がありすぎる。偉大なことはなし得んだろう...」は本当に大事なことは「偉大さ」でなく「分別」だと語っている。
物語はハッピーエンドには終わらない。今現在の世界も永久平和は全く成し遂げられていない。
「前書き」「作者による解題」「解説」も秀逸。
Posted by ブクログ
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