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われわれ園芸家は未来に生きているのだ――。草花をこよなく愛したチェコの作家、カレル・チャペックが描く、園芸愛好家の幸福な熱狂に満ちた一年。その軽妙な筆致で世界中の読者を魅了し続ける名エッセイを、著者生誕130年を記念し、新装版として刊行。 〈新装版解説〉阿部賢一
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Posted by ブクログ
『R.U.R.(ロボット)』『絶対製造工場』『山椒魚戦争』など、人類のディストピアを描いたカレル・チャペック、その彼が園芸家として草花を愛でる日常を送っていた。それを知っただけでも心休まる。 訳者は小松太郎。ケストナーやハインリッヒ・ベルなどの小説の訳者として知られる。本書はドイツ語訳からの重訳だが...続きを読む、園芸に詳しいこともあって、本書も名訳だと思う。植物についての訳注も詳しい。原題『園芸家の1年』を、『園芸家12カ月』としたところもまたいい。 挿絵はカレルの兄のヨゼフ・チャペック。58のほのぼのとした線画。本文を読みながら、色鉛筆で彩色して(ぬり絵だね)、楽しんでしまった。
私の持っているのは1997年改版の中公文庫、20年以上も前に園芸の楽しみを知り始めたころに「そうそう、そのとおり」と膝を打ちながら読んだ本。今もずっと庭仕事が好きでたまらず、赤ん坊を眺めていて飽きないのと同じにいつまでのみていたい庭である。明るいので窓辺に座って読書をしようと思っても庭に目がいってさ...続きを読むっぱり進まないという困ったことになるのだ。文と兄ヨゼフの挿絵が一体となって実に楽しい。
1年を通して園芸家の生態を紹介している本。 文体にちょっと皮肉っぽいところとか自虐ネタみたいなのもありそれがユーモラスで面白かった。 私は本が好きだけど買うだけ買ってなかなか読む時間が取れず積読になってしまったり、そういう本たちが増えて部屋のスペースが圧迫されてたりするので、作中に出てくる育てたい植...続きを読む物の種をあれもこれもと買った後に庭にスペースがないことに気づくっていうエピソードにすごく共感した笑 私はあんまりガーデニングには関心がないんだけど自分の知らない分野の趣味を楽しんでる人の話を聞くのが好きだから、この本からは園芸への情熱や愛が伝わってきてすごく楽しめた
固有名詞がたっくさん、ほんとたっっっくさん出てくるので、もっと植物に詳しくなってから読みたい!でもそんなん言ってたら一生読めんかもしれんから読んだよ。 マニア特有の熱中を通り越した狂気がユーモラスに書かれてて楽しい。
チェコの作家、カレルチャペックによる 園芸愛好家の一年のエッセイ。 園芸愛好家が毎月、庭のことについて どんな事を考え、行動しているかが書かれていた。 園芸の事だから、牧歌的内容かと思いきや, 結構刺激的だった。 園芸家だからという訳ではなく、 感性、文章がとても刺激的で面白かった。 一つの事...続きを読むに夢中になっている人から 出てくる感性っていえのは、 やっぱり面白いなと思った。 私も庭を素敵にしたいと思ったけど、 この本で、本気の園芸愛を知り 私には無理だろうなぁと諦めの気持ちになった。 庭での作業は、 初めたら無心になったり,自然との対話で 生活や人との会話では出てこないような 考えが出てきたりするので、 作家と園芸愛好家の生活は 精神的にも時間的にも相性抜群な気がした。
われわれ園芸家は未来に生きているのだ―。草花をこよなく愛したチェコの作家、カレル・チャペックが描く、園芸愛好家の幸福な熱狂に満ちた一年。そのユーモラスな筆致で世界中の読者を魅了し続ける、無類に愉快な名エッセイ。 挿絵まであってとってもかわいい本
面白い! まさかこれほどユーモア溢れ、小気味良い寄席のような面白い本たど思ってもみなかった! 現在の我が家は庭もなく、園芸と言えば4個のサボテンを何年も愛おしく育てている(サボテンの花は本当に美しいのです!)以外、何もしていないのだが… そんなの全く関係なく楽しめる 熱心でマニアックで、少々偏...続きを読む屈オヤジの園芸エッセイだ サブタイトルでも付けることを許されるのであれば、「頑固親父の園芸生活12ヶ月」…みたいな感じだ 間違ってもインスタに投稿されそうなオサレ女子の園芸生活とは全く違う! また、憧れのイングリッシュガーデン手引書みたいなのとも全く違う! とにかく表に出てくる花のビジュアルだけを大事にする園芸家ではなく、土をいじってなんぼの、コテコテの園芸家なのだ 注)ネタバレ有 ※ネタバレ無しにこの本の面白さを伝える力量がないため… チャペック曰く ~ほんとうの園芸家は花をつくるのではなく、土をつくっているのだ 園芸家の喜びは花よりもっと深い大地の胎内に根ざしているのだ~ ふふふ これだけで掴みはOKだ そして以下の表現がなんともユーモアと知的表現でお見事である ~次の世に生まれ変わったら、園芸家は、花の香に酔う蝶になんかにはならい 窒素を含む、かおり高い、くろぐろとした、ありとあらゆる大地の珍味を求めて、土の中をはいまわるミミズになるだろう~ そして、土の肥やしとしてにうってつけの舗道に転がっている馬糞を欲しいけど拾えない羞恥心と葛藤しているのだ そう、花よりダンゴならぬ、泥ダンゴ といった感じだ また最高に素晴らしい土は、こんな風に表現されている ~ベーコンのようにこってりしていて、羽のように軽くて、ショートケーキのようにボロボロくずれやすい土 品格のある美しさを持っている それに反し、ねっとりとした土、かたまった土、じくじくした粘りっけの強い、冷たい不毛の土は役に立たない醜い土で天が人類か授けたものだ 人間の心の冷酷さや、頑迷さや、陰険さと同じようにそういう土はみんな醜い~ 時折こんな感じで土(自然)も人間も同じなのだと、何かチャペックの訴えが聞こえるようである 3月春 植物たちの芽吹き チャペックがもし自分が作曲家であったなら「芽の行進曲」を作ったかもしれないと言っている ここで各楽器に見立てた植物たちの行進が描かれていて楽しくなるのだが、さらに好きなのが以下だ ~芽が出る ねばねばした鱗片からは、若々しいみどりが顔を出し、ふとった芽がひらきかかって、小さな葉脈と小さなたたみ目の、やさしいすかし細工が押しあって出ようとしていた 赤くなってはにかむことはないのだ たたんだ扇をひらくがいい うぶ毛をはやしてねむっている芽よ、目をさませ スタートの命令が、もう出たのだ 楽譜にのらない行進曲の、はなやかなラッパを吹き鳴らすがいい! 日を受けて光れ、金いろの金管楽器 とどろけ、太鼓 吹け、フリュート 幾百万のヴァイオリンたちよ、おまえたちのしぶき雨をまきちらすがいい 茶色とみどりのしずかな庭が凱旋行進曲を始めたのだ~ 躍動感が音楽を通して伝わる見事な部分 シビれます! いちいち表現力が素晴らしい 目の付け所がニクイ! こんな園芸エッセイ他にないだろう なんというか、本当に土臭いリアルな部分に、心を掴まれてしまうのだ チャペックの溢れんばかりの園芸愛、そしてユーモアあふれるエッセイ 自然と人間に対する鋭い観察力… 園芸愛が強すぎて、奥様やお子様にけん制されている俗っぽさがなんとも可笑しい! 園芸エッセイという枠にとどまらない多彩な読み方ができる 植物に無知でもまったく問題なくしっかり楽しめます!
園芸家のつぶやき&心の中だろうか。 いやいやあるある。ちょいとでも植物を育てたら、痛い程わかるなぁ。 ここまで、私はマニアックではないけど。 フレーズが詩的だなと思ったら、著者は本業は劇作家でした。
「ロボット」という言葉を生んだカレル・チャペック生誕130周年。北海道より北に位置するチェコで晩秋来春の庭計画を夢見、牛糞堆肥を愛し、クロッカスに狂喜し、雑草と水撒きに格闘し、いつかはダリア、薔薇の新種を求め。酒も煙草もやらずガタイが良く品行方正なガーディナーの12カ月。植物を愛する姿が愛しすぎと...続きを読む園芸王子三上さんも大絶賛。
今でこそ園芸店で見かける草木の名前が たくさん出てました。 イギリス園芸で一般的な植物がやっと100年程 かけて日本にやって来たんだなぁと感慨深く思いました。 今も昔も、園芸は裕福な人達の趣味で、庭の無い 自分にはただ憧れるのみです。 本の中に出てきた白いリンドウは、当時は存在してなかったけど技術革...続きを読む新の結果、今は存在してますよ〜とカレルチャペック氏に教えたい。
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園芸家12カ月 新装版
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カレル・チャペック
小松太郎
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RUR
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イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション
一杯の珈琲から
いろいろな人たち チャペック・エッセイ集
園芸家の一年
オランダ絵図 ──カレル・チャペック旅行記コレクション
消え失せた密画
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