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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「人間と犬」「洋服屋で」「鼻かぜ」――身近な出来事をもとに、暖かく、優しく、時に厳しいまなざしでもって、愛すべき人たちを描いた珠玉のエッセイ集。オリジナル版。解説=飯島周
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Posted by ブクログ
猫丸さんのお薦め本です。ありがとうございます。 カレル・チャペックは1890年生まれのチェコの作家。 プラハのカレル大学で学んだ後、ベルリンとパリに留学。 帰国後の1916年(26歳)から創作開始。 1921年に新聞社入社。 生涯ジャーナリストとして活動。 この作品はエッセイ集で Ⅰ男と女と日常生...続きを読む活 Ⅱ文化と社会 Ⅲ政治的動物 ⅠとⅡは大変面白く読みましたが、Ⅲは私には少々難しかったです。 Ⅰの男と女と日常生活は軽妙洒脱な男女の違いの妙などユーモアの溢れるエッセイが多く、例えば「毛皮なしのシラミ」では 「それは豊かな人たちが貧しくなるようにということではなく、豊かな人たちが他人の貧しさのために苦しむように、ということだ。わたしは、人々がまったくお金を持つ必要がない、と猛烈に宣言したいのではなく、ほかの人たちを雨ざらしのトロッコの上に置き去りにしなくてもよいように十分なお金を持つべきだ、と言いたいのだ」と述べられています。 又、Ⅱの文化と社会では「適時適書」が愉快でした。読書好きの方なら実に楽しい文章です。長いので引用はしませんが。 日本の関東大震災(1923年)についても触れられています。「物乞いの前での気恥ずかしさ」から引用を少し。 「非常に素朴な、一般には貧しい人たちだけが、それでも当然なことといして考慮せずにほどこしをすることができる。しかしそうでないわれわれはもはやほどこしによって救われることはない。むしろ困惑させられる。ほどこしをするとしたら、急いでおずおずと、ほとんど臆病者のようにするのである」 「不幸の中で」で手榴弾について述べている文章も印象的でした。
同じ誕生日の作家ということでたまたま手に取った本。100年近く昔のエッセイなのに、すごく面白い!チャペックの時代から現代まで世の中は全く変わっていないかのようだ。文体の読み易さやユーモアのセンスが個人的にどストライクで、他の作品も読んでみたくなった。
日常のささいなできごとを見守るチャペックは、からかいまじりのユーモアを発揮する。鼻かぜや、女について、男について、家にまつわるあれこれ、買い物について・・・。上機嫌の底にあるのは、それほど偉くも立派でもない、人間に対する愛情だろう。その愛情が政治に向かうと、人間らしい生き方を求めての、熱い呼びかけと...続きを読むなる。チャペックは偏ったものの見方を嫌う。人間をひとつの鋳型に押し込めるのではなく、多様性を認めたうえで、人としての共通項に目を向ける。チャペックは、肯定の人だ。否定を重ねて唯一のものを求めたりはしない。雑然として、非効率かもしれないが、豊かだ。
作家であり、ジャーナリストでもあるチャペック。その真骨頂−エッセイ。 是非是非、ご一読を。 ※ネタバレの恐れのため、以下自粛※
「灰色のスーツを白のスーツと黒のスーツの妥協と呼ぶ人たちがいるのだ。一部の人たちにとって音符dはcとeの間の妥協なのである。政治的な中央とは、その人たちにとって狂った革命主義と中世的な反動の妥協なのである。朝はたんに朝ではなくて、真夜中と真昼の間の妥協である。渇きの事実は水と火の間の妥協である。」 ...続きを読む 「『われらがため』氏は三回も燃えさかる坑内に足を踏み入れた。そして『われらがため』はこの世を去った。『われらがため』は生き埋めにされた人たちに救助をもたらした。(プロノビス)」 チャペックは「園芸家12か月」もオススメ。面白いよ。
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