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戦争目前の世界で,突如「雪崩のように」流行り始めた未知の疫病.大理石のような白い斑点が体のどこかにできたが最後,人は生きながら腐敗してゆく.そこへ特効薬を発見したという貧しい町医者が現れたのだが――.死に至る病を前に,人びとは何を選ぶのか? 一九三七年刊行の名作SF戯曲が,現代の我々に鋭く問いかける.
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Posted by ブクログ
この作品は戯曲形式で書かれたSFで、ページ数にして文庫本で150頁少々とかなりコンパクトな作品となっています。ですが彼の代表作『ロボット』と同じく、驚くべき濃密さです。物語に引き込まれてあっという間に読み切ってしまいました。この作品もチャペックの魅力がこれでもかと詰まっています。非常におすすめな作品...続きを読むです。
カレル・チャペックの戯曲「白い病」を一気に読みました。 作家のチャペックはナチス・ドイツを痛烈に批判したチェコの国民的作家です。 また、ロボット という言葉を初めて使ったことでも知られています。 まず、この戯曲を読んで、すぐ頭に浮かんだのがナチス・ドイツまもとより、 スターリン時代のソ連、軍事政権下...続きを読むの日本でした。 戦争・侵略を目指したこれらの国々では、軍事拡大を強力に推し進め、 自国民の優秀さを強調し、敵国を倒すためには一致団結しなければならない という全体主義的な考え方を洗脳化してきました。 この戯曲はそうした状況の下にあるある国で 「白い病」という疫病が蔓延すというパンデミックが襲ってきました。 体の一部に白い斑点が出来、やがて身体を深く冒し死に至らしめるという 感染力の強い、未知の伝染病が蔓延してきたのです。 しかし特効薬を発見したという町医者が現れ、 特効薬も用いて下層階級の人びとを救いはじめました。 軍部では彼に協力を求めますが、 彼はその条件としてある事を条件として要求しました。 チャペックはこの作品を発表した翌年、肺炎のためこの世を去っている。 チェコスロヴァキアという国もナチス・ドイツの保護領となりました。 所で、コロナ過はまだ続いておりますが、 1918年から1920年にかけ全世界的に大流行したスペイン風邪は 1億人を超えていたと推定されており、 人類史上最も死者を出したパンデミックのひとつとされています。 しかし、日本の歴史の教科書(山川出版)にはその記載がありません。 当時、日本では人口5500万人に対し約2380万人(人口比:約43%)が感染、 約39万人が死亡したとされるにもかかわらずです。 1914年から1918年まで続いた第一次世界大戦で 日本軍が大陸に出兵したことは載っているのですが…
チャペック1937年作の戯曲。中国発の未知の病が世界中でパンデミックを引き起こすというあまりにも予言的な物語。 疫病は世界中に深刻なパニックを引き起こし、50歳前後以上の人のみが感染し死に至る疫病は世代間の軋轢をも生む。特効薬を発見したガレーン博士は永久平和を国家に要求し貧乏人以外への薬の提供を拒む...続きを読む。 国家元帥もクリューク男爵も間違いなく偉大な人物である。国家と自身の信念にとっては。元帥の台詞「...この若者は有能だ、だが分別がありすぎる。偉大なことはなし得んだろう...」は本当に大事なことは「偉大さ」でなく「分別」だと語っている。 物語はハッピーエンドには終わらない。今現在の世界も永久平和は全く成し遂げられていない。 「前書き」「作者による解題」「解説」も秀逸。
怖かった。 あまりにも現代と酷似していて、ぞっとした。 平和は来ない、恒久の平和は人間には来ないのだ。 誰かに読ませたい、と感じたのは実に久々。
あっという間に読める。話も面白い。皮肉が効いている。コロナ禍やSNS、ロシアウクライナ戦争等、現代の実社会にも充分通じる内容で驚いた。もちろん架空の国のお話ではあるのだけれど、基本が同じという感じがした。カレル・チャペック氏がこの作品を書いた頃からずっと人類のやり方は変わっていないのだなと、半ば悲し...続きを読むい気持ちにもなった。
昨今の状況にも繋がるものがあるということで、本屋で紹介されていたので購入。 戯曲形式の文体で進行する物語で、内容は軍国主義が蔓延る国に、突如として原因不明の病が発生するといったもの。 病の治療法を提供する代わりに、戦争を止めさせようとする医師。どうしても戦争がやりたい体制側。 ゆずれない主張を...続きを読む繰り返していくうちに、病は蔓延し、発症してしまう人の身体と精神を蝕む。 最後は狂った群衆により、全てが台無しになるのがなんともやるせない。
社会階層、不条理、ジレンマ、群集心理、それらが複雑に混ざり合った先に、戦争と疾病があり、それぞれを利用する人間がいる。元帥には戦争それと対するように病にはガレーン医師が。コロナ渦の中、注目されている本作は、まるで今の状況を予言しているのではないかと思う人も多いだろう。設定まで似ている。。。チャペック...続きを読むが今の状況の中にいたらどんな作品を書くのだろうか?
1937年の作品ということだが,今の世の中にも変わらぬ問題定義をしている.医師としてのガレーン博士と人間としての戦争を止めたいというガレーンの葛藤が心に突き刺さる.そして恐ろしいのは,煽られた群衆だということが今も昔も真実だ.またコロナの薬がガレーンのような人に発見されたら世界はどう変わるのだろうと...続きを読むふと思ってしまった.
カレルチャペックという推し作家の戯曲です。 戦争を目前にし、全世界に突如と広まった「白い病」と聞けばまぁ今の情勢を思い浮かべる人が9割でしょう。 唯一治療法を知る医者、軍需産業に携わる経営者、 枢密院顧問、戦争を指揮する元帥閣下、民衆。 なんでもない一家のやりとりが一番リアルでフィクションめいて...続きを読むいる。エッセイもとても面白い作家なので、もっと知られたらいいのになあ。紅茶ばかりでなく。
「ロボット」という言葉を小説で最初に著した著者。序盤の病気の発生源からして、まるで現代の状況を予言していたかのようで驚かされます。 内容は、パンデミックと戦争の両方とも解決しようとする、平和を希求して妥協を知らない医師の孤独な闘い。はたして彼は、国家を動かすことができるのかというお話し。最後の終わ...続きを読むり方が、何かを暗示しているようで、考えさせられます。 この戯曲が書かれたのが1937年。第一次世界大戦、スペイン風邪、世界恐慌などを経験。スペイン内戦が起きて、まさにナチスが台頭し始めた頃のこと。このような混沌とした世の中で、二度と戦争を起こして欲しくないと平和を願って書かれたと思います。しかし、そんな彼も翌年には、ミュンヘン会談で故郷がナチスに割譲されて、人類は二度目の大戦に突入していきます…著者の心情を思うと、なんだかやりきれない気持ちになります。
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白い病
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カレル・チャペック
阿部賢一
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