作品一覧

  • 誰もが別れる一日
    3.7
    1巻1,496円 (税込)
    韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説
  • 日刊イ・スラ 私たちのあいだの話
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    27歳の私は “毎日" 文章をメールで送り始めた。 学資ローン返済のために ひとりで始めた「日刊」連載プロジェクト。 恋人、家族、友人、文章教室、日々の運動。 愛すべき他人から発見した、私たちと“地続き"の話。 韓国の新星を日本初紹介。 みずみずしい随筆(エッセイ)の息吹。 - - - - - 2018年、当時27歳だったイ・スラは、250万円の学資ローンを返済するために、毎日1本、文章を書いてメールで配信する連載プロジェクトを始めた。その名も「日刊イ・スラ」。 「誰からも依頼されずに文章を書きます。月・火・水・木・金曜日は連載して、週末は休みます。購読料は1カ月で1万ウォン(約千円)、20編送ります。1編が500ウォンなので、おでん一串よりは安いですが、それ以上に満足していただけるように努力します」 連載はたちまち反響を呼び、その半年分の文章をまとめた『日刊イ・スラ 随筆集』は600ページ近い分量にもかかわらずベストセラーになる(2018年の全国独立書店が選ぶ「今年の本」にも選出)。 書かれているのは、子供時代の淡い恋心、山登りでの祖父との喧嘩、恋人と誕生日に交わした言葉、文章教室での子供たちの作文、母が自分を妊娠したときの記憶、ヌードモデル時代の話……。「日記」のような形式でありながら、1本1本が独立した短いエッセイ。日常に転がっている愛とおかしみが、ときに文体を変えて、みずみずしく描き出される。 日本語版『日刊イ・スラ』は、イ・スラ初の散文集『日刊イ・スラ 随筆集』と、プロジェクトのシーズン2をまとめた『心身鍛錬』の2冊から、41編の文章を厳選してオリジナル版とした。韓国の新しい書き手を日本で初めて紹介する。 「何かについて気になり始めたら、私たちは動きだす。好奇心は愛の始まりだから」 ……(「手紙の主語」) 「あなたを身ごもったときのことを正確に記憶している、と母は言った」 ……(「懐胎」) 「逆立ちをしながら祖父のことを考えた。祖父もよく逆立ちをする」 ……(「あなたがいるから深いです」) 最善を尽くしたら私は絶対に転ばなかった。テウもそうだったはず。 ……(「滑って転ぶ練習」)

ユーザーレビュー

  • 誰もが別れる一日

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    人生の色々なしがらみの中を一日一日耐えるように生きる人々を、激励もせず、悲劇にもせず、ただ寄り添うように描くのが心地良かった

    0
    2025年09月21日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    「小市民階層の危機と不安、そして新しい未来を模索するためにそれから自立しようとしている存在に極めて深い愛情を持っている作家」解説より。
    そのとおりで「ザ・現代韓国文学」という感じ。読み応えはあり、読ませる力もある。現実的な重さと苦さを味わいたいときには良い本。
    絶望でも大げさな希望でもなく、ジャッジもせず、ただそこにあるがままの姿を誠実に描いている。
    が、現実が重いので、結果的に作品も重い。
    生きることに疲れている人が迂闊に読むとグッタリしてしまうかも。そこに一筋の光を見いだせるかどうかは読者の力に委ねられている、そんな作品。

    0
    2025年07月23日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    20代の姉妹の、ある夫婦の夫の、妻の、中年女性の、
    格差や貧困、差別、介護、結婚生活、子供のことなど社会問題の中で必死に生きる「普通の人々」の「平凡な」暮らし6篇。

    不穏で不安でハッピーな感じではないのに、不思議と暗さや不幸な感じはなく淡々と語られています。
    そこがかえって誰もが抱える普遍的な人生の悩みや重荷といった感じでとても自然に受け止められて、共感を覚え、励まされるような気持ちにさえなります。
    この淡々とさっぱりした感じ、韓国文学の好きなところです。

    0
    2025年03月12日
  • 誰もが別れる一日

    Posted by ブクログ

    서유미 씨의 단편집(ソ・ユミさんの短編集)普通の人々に目を向けた作品を発表しているソ・ユミさん。六編の小説もどれも何処にもいそうな普通の人が主人公だ。모두가 헤어지는 하루(誰もが別れる一日)そして誰でもが感じている疎外感や悲しみ、束縛感や孤立感などをこれでもかと言うように味わいさせてくれる。そして一つだけでもそれからの解放を与えてくれる。韓国でも日本でも現代の都市では生きていく辛さは同じだろうなあ。新しい仕事を見つけるためにバイトを辞めるジンー「エートル」、詩を読み始めた男ー「犬の日々」、ベンチで寝る男ー「休暇」、旅先で失踪した夫ー「うしろ姿の発見」、離婚してサウナに住み着いた男ー「その後

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    2025年01月23日
  • 日刊イ・スラ 私たちのあいだの話

    Posted by ブクログ

    著者の小説『29歳、今日から私が家長です。』が面白かったので、その前に出版された本作も読んでみたくなった。

    学資ローン返済のために文章を売るという発想がまず面白い。
    随筆集といっても脚色されていてフィクションとノンフィクションのあいだの話。
    仕事、家族、友達、恋愛、生活のこと。

    著者の書く文章は淡々としているのが心地良くて、そしてユーモアがある。
    特に面白いと思ったのは現在過去未来の自分を現スラ・過スラ・未スラと言うところ。

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    2024年10月07日

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