作品一覧

  • 水曜生まれの子
    3.6
    1巻2,695円 (税込)
    表題作ほか11の短編を収録。喪失、孤独、秘密、愛情……深みのあるテーマを扱っている小説だが、率直ゆえの辛辣さのなかにユーモアを感じる。唯一無二の作家による待望の一冊。
  • ガチョウの本
    4.1
    1巻2,970円 (税込)
    13歳のアニエスは作家として華々しくデビュー。本当の作者は親友のファビエンヌ。2人の小説を書くという「遊び」は周囲を巻き込み思わぬ方向に。2023年度ペン/フォークナー賞受賞。
  • 理由のない場所
    3.8
    1巻1,100円 (税込)
    母親の「私」と自殺してまもない16歳の息子との会話で進められる物語。著者の実体験をもとに書かれた本書からは、母親の深い悲しみが伝わり、強く心を打つ。他に類をみない秀逸な一冊。
  • もう行かなくては
    5.0
    1巻3,740円 (税込)
    リリアは3人の夫に先立たれ、5人の子を育て17人の孫を持つ。昔の恋人の日記を手に入れ、それに自分の解釈を書き込んでいく過程で驚くべき秘密が明らかになっていく。喪失と再生の物語。
  • 黄金の少年、エメラルドの少女
    4.2
    1巻1,210円 (税込)
    現代中国を舞台に、代理母問題を扱った衝撃の話題作「獄」、心を閉ざした四〇代の独身女性の追憶「優しさ」、愛と孤独を深く静かに描く表題作など、珠玉の九篇。O・ヘンリー賞受賞作二篇収録。
  • 独りでいるより優しくて
    4.0
    1巻2,860円 (税込)
    ある女子大生が被害者となった毒物混入事件を核に、事件に関係した当時高校生の3人の若者が抱えつづけた深い孤独を描く。中国の歴史の闇を背景に、犯罪ミステリーの要素も交えた傑作。
  • ハウスキーピング
    3.5
    1巻2,420円 (税込)
    両親のいない姉妹と、放浪生活を営んできた奔放な叔母との奇妙な三人暮らし。拠り所となる家(ハウス)の喪失の悲しみを詩情豊かにつづる、ピュリツァー賞・全米批評家賞作家のデビュー作。
  • さすらう者たち
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    文化大革命後の中国。一人の若い女性が政治犯として処刑された。物語はこの事件に否応なく巻き込まれた市井の人々の迷いや苦しみを丹念に紡ぎ、庶民の心を歪めてしまった中国の歴史の闇を描き出す。

ユーザーレビュー

  • 理由のない場所

    Posted by ブクログ

    小説家にならずにはいられなかった著者ではないか?
    一文を書くのにどれだけの苦悩や思考があったのだろう?

    0
    2025年08月08日
  • 水曜生まれの子

    Posted by ブクログ

    様々な年代の、様々な仕事を持つ人々の人生を、こんなにも物語れるなんてー。すべてのエピソードが本当にあったことのように息づいていて、なぜだか泣きそうになる。「列車の前に歩み出てきた」と言う鉄道職員。三十六個の植木鉢から流れ出る水。母親になるなんて、なんて向こうみずだったのだろう。こんにちは靴さん。さようなら靴さん。「くたばれ」。

    イーユン・リーの作品を読むと、目の前が淡い寒色系のマーブル模様に染まっていくような気持ちになる。うっすらほのあかるい諦観。
    登場する子どもの多くが、賢く繊細で生きづらそうにしているところに、筆者の長男の影を色濃く感じ、どうしようもなく悲しくなる。

    あとがきで紹介され

    0
    2025年07月04日
  • 水曜生まれの子

    Posted by ブクログ

    僕のささやかな人生を投影して、共感したと言いたいわけじゃない。 イーユン・リー自身の人生と重なる箇所を探して、分かった気になれるわけでもない。
    ここにあるのは、汎用性や互換性があるような、消化吸収しやすい感情ではない。

    それなのに、どうしようもなく心が震える。短い物語たちに心が取り込まれてゆく。
    外側から眺めるように読むことなどできず、登場人物たちの中から彼らの目を通して世界を見る。
    そんな読書になる。

    こんなに不完全な世界で、子供を産み育てると決めたとき、生まれてきた子に何がいえるだろう。
    苦しみや悲しみにも不条理からも、目を背けなさい。喜びや明るい面だけを見て生きなさいと?
    子供たちか

    0
    2025年05月16日
  • ガチョウの本

    Posted by ブクログ

    大人に可愛いげのない子どもと思われていた人に強烈におすすめしたい。
    『悪童日記』シリーズとか、『夜が明けるまで』とか可愛げのない思春期の少年少女を主人公にした小説が好きな人なら、あるいはシャーリー・ジャクソンとかフラナリー・オコナーとかミュリエル・スパークとかのような人間性をクールに(皮肉に)描き出す作家が好きな人なら絶対好きだと思う。(よく考えたら女性作家ばっかり)

    イーユン・リーは『千年の祈り』から3作までは欠かさず読んでいて、「中国のチェーホフ」と言われるのも納得だなあと思っていたのだが、久しく読んでいなかった。
    今回読んでチェーホフとは違うかもなと感じた。じゃあ誰かと訊かれれば、イー

    0
    2025年04月02日
  • ガチョウの本

    Posted by ブクログ

    思わぬ方向に物語が進んでいき、心の中に今も残留物がある感覚で消化し切れていない。これはただのサクセスストーリーでもアニエスの成長ストーリでもない。
    昼と夜、暗と陽の二人の主人公。
    子供のいたずらゲームが進みながらも、一方で無慈悲な現実に対して復讐しようとするものと、利用されるもの。最終的には望んだ現実を手に入れることはできなかった。
    けれど、これも現実であり納得できる。
    物理的に離れると精神的にも疎遠になることで様々なものが離れていく…。

    0
    2025年02月22日

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