あらすじ
彼女が「レシタティフ」を「実験」だと言うなら、本気でそれを意図しているのだ。その実験の被験者は読者である――
施設で同室になったトワイラとロバータは、白人と黒人の二人組で「塩と胡椒」と呼ばれていた。 月日が経ち、二人はダイナー、スーパー、デモ集会、レストランで四度再会する。 二人が共有する記憶と彼女たちについて、何が正しいのだろうか?
ノーベル文学賞作家、トニ・モリスンが唯一書き残した実験小説。
大好評「I am I am I am」シリーズ第五弾。解説:ゼイディー・スミス
二人の少女はこの世の誰も知らないことを知ってた――質問をしないこと。信じなきゃいけないことは信じること。
ずけずけと訊かずに広い心で接するのは、気遣いでもあった。
あなたのお母さんも病気? ううん、一晩中踊ってるの。
ふうん――そして、わかった、といううなずき。(本文より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読みながら不安定な気持ちになる。
トワイラとロバータ、どっちが白人? 黒人?
それは最後まで明かされない。
もちろんそれが著者の狙い。偏見を招く構造への疑問。
そして施設での彼女らより「下」の位置にいる、施設で働くマギーはたぶん障がい者。これもまた二項対立。
全編示唆的なストーリーで、メタファーかなと思わせる会話や表現が山盛りもり。
作品自体は短く、大きめの字で56ページ。
それとほぼ同量(以上?)のゼイディー・スミスによる序文「実はあの中にちゃんとした人間がいた」があって、内容的にネタバレになるので、作品の後に移されている。
これがまた深い考察で素晴らしい。