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Posted by ブクログ 2021年03月06日
20年前に毒を飲んだ女が死に、残された3人の人生が語られ始める。
もう戻らない故郷、誰の人生にも自分が居ないようにと祈り選び取った孤独の淵、空白を他者で埋めようとすること。
共有した時間が落とした影は消えない。真実よりもはっきり見えるのは最高密度の孤独の形。
誰も心に立ち入らせなかった少女、常に他...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月07日
『その年配の男がお茶を飲み干してから、二人で少艾(シャオアイ)の火葬の書類を丹念に調べた。死亡証明書。死因は急性肺炎の後に起きた肺不全だ。それから、抹消の公印が押された黄ばんだ戸籍簿。身分証。受付係は泊陽(ボーヤン)の身分証も含め、書類を念入りに点検した。泊陽が記入した数字や日付の下に、鉛筆の小さな...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年12月07日
登場人物の孤独に長い時間取り囲まれて孤独感にひたった後に、最後少しそれがほどける兆しで緊張感が緩んで、読んだ後涙とまらない。
とても好き。孤独というテーマが響くのもあるけれど、登場人物や世界観が好きなのか、同じ作者の他の作品も読んでみよう。
存在の耐えられない軽さを好きなのと、独りでいるより優し...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月14日
物語は小艾(シャオアイ)の葬儀のシーンからはじまる。この章の視点人物は三十七歳の泊陽(ボーヤン)で、彼は小艾の母の代わりに火葬場に来ている。小艾は伯陽より六歳上だったが、誤って或は故意に毒物を飲んだせいで、二十一年間というもの病いの床にあった。その毒物は、泊陽の母が勤務する大学の薬品室から盗み出され...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月20日
長患いの親類女性の死を看取った男性から話は始まる。語りの穏やかさから、もっと静かな展開が掘り下げられるのかと思いきや、長患いは服毒事件に端を発しており、エキセントリックな冷たい孤児に振り回された幼馴染みはどちらも普通の幸せや家庭とは縁遠くなり… 時代も地理も視点も目まぐるしく変わり、散々なのに、やっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月12日
三人の高校生の姉御的な女性が毒のために21年間寝たきりのまま亡くなる.誰が毒を飲ませたのか?という謎が三人の人生に影を落とし,互いに会うことなくいびつな暮らしを送ることになる.愛すること愛されることを恐れ,他人と関係をうまく結べないそんな人生を送ることを描きながら,誰にもがささやかな救いが訪れている...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月26日
読後丸一日経ったというのに、まだ悲しみの余韻。物語はシャオアイという少女が毒を盛られた、一体誰に?というミステリ仕立だけど、犯人探しが主題じゃない。
ミステリと思って読むともどかしくて途中で嫌になると思う。
作風で言うと村上春樹と江國香織を足した感じ。両者好きな方は飽きずに読めるかも。
しかし、文体...続きを読む
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