さすらう者たち

さすらう者たち

1,320円 (税込)

6pt

4.0

文化大革命後の中国。一人の若い女性が政治犯として処刑された。物語はこの事件に否応なく巻き込まれた市井の人々の迷いや苦しみを丹念に紡ぎ、庶民の心を歪めてしまった中国の歴史の闇を描き出す。

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さすらう者たち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    中華人民共和国の文化大革命後の話。とにかく重くて辛い物語。しかしページを繰る手が止まらない。
    反革命分子として処刑される若い女性とその周囲を取り巻く人々の日常が描かれている。
    ひどい生活環境の中、逞しく生き抜く人々。中華人民共和国民の力強さを感じる。しかし、あらゆる人々が最後まで救われない…。重く、

    0
    2019年05月28日

    Posted by ブクログ

    文化大革命後の中国で、紅衛兵だった29歳の女性が処刑されるところから物語は始まる。

    市井に生きる人たちの感情や生活が、仔細に淡々と描かれていて、時代を知る、時代の犠牲者になった人たちを知る、っていうペシミスティックな目線に立っているんじゃないところが、この小説の特長だと思う。
    自分が知らない時代の

    0
    2024年07月26日

    Posted by ブクログ

    誰かが加害者の一面しか持たないことはないし、被害者の一面しか持たないこともない、ということが徹底されていると感じた。

    それまでの価値観が揺らぎ始めたとき、その価値観を維持するか捨てるかで、生活がガラッと変わるかもしれない恐ろしさを垣間見た。
    フランス革命とかロシア革命とか、歴史では淡々と習うけれど

    0
    2022年09月28日

    Posted by ブクログ

    文化大革命後の中国で、1人の女性が政治犯として処刑されたことから、否応なく激動の時代の流れに飲まれてしまった市民一人ひとりの生き方を描いた作品。

    いずれも苦しい境遇や、ハンディ、苦悩を背負った人々がフォーカスされるけれど、妙に悲痛な描写に感じないのが不思議だ。

    「さすらう者たち」というタイトルが

    0
    2021年02月02日

    Posted by ブクログ

    文革直後の中国のお話。
    登場人物が多くて、それぞれがそれぞれの立場で必死に生きようとするお話。完全な悪人も完全な善人もそこにはいない。

    八十と妮妮がすき。世間知らずというわけではなく、むしろ世界の嫌な面をよく知っているはずなのに、二人の間に漂う純朴な空気がたまらなくやるせない。

    0
    2019年08月13日

    Posted by ブクログ

    素晴らしきイーユン・リー!
    でもこれは読むのがつらくてつらくて、休み休み進めた。
    短編で知られる彼女が、文革直後の小都市で起きた政治犯の処刑を巡る惨状…?を描く長編。
    文革とはかくも苛烈に人を歪めたのか。押し付けられた価値観が、中国の古き良き文化と伝統と共に、人の心のもっとも良い部分を破壊していく。

    0
    2021年03月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ほぼ覚えていなかったから再読

    舞台は文革時の中国。反革命分子として処刑される女性がおり、彼女が暮らした街の住人達が、処刑を中心にぐるぐると回っていく感じ。

    でも文革も中国も超えて、普遍的な人間の愚かしさや、人生のままならなさの話。

    失うものがある人は、綺麗事ばかりでは生きていけない。綺麗事を言

    0
    2023年08月20日

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