深い穴に落ちてしまった

深い穴に落ちてしまった

1,527円 (税込)

7pt

北には山脈が横たわり、海ほどもある湖をぐるりと囲んでいる森。そのまん中に穴がひとつ、口をあけている。ある日、大きな兄と小さな弟がその穴に落ちてしまった。深さおよそ7メートルの穴からどうしても出られず、何か月も木の根や虫を食べて極限状況を生きのびようとする。外界から遮断された世界で、弟は現実と怪奇と幻想が渾然一体となっためくるめく映像を見はじめる……。どうして兄弟の名前と年齢が明かされないのか。なぜ章番号が素数のみなのか。文章に織り交ぜられた不思議な暗号が示すものとは。著者によって綿密に構成され、さまざまな寓意に彩られた物語は、読後、驚愕とともに力強い感動をもたらす。暗黒時代を生きる大人のための寓話。

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深い穴に落ちてしまった のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2018年11月24日

    兄弟愛を感じさせられるシーンでは胸が熱くなりました。一つ一つの描写がとてもリアルで弟が狂っていく様子がすばらしかったです。
    自分の読解力が未熟で解けなかった謎もあるのでいつかまた挑戦したいです。

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    Posted by ブクログ 2023年07月19日

    兄と弟が深い穴に落ちてしまった。そこからどうしても外へ出られない。これは比喩なのか、ダークファンタジーなのか。重苦しい雰囲気のまま、二人だけで物語は進行する。不気味な余韻が残る大人の童話である。

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    Posted by ブクログ 2021年01月25日

    読みやすいが寓話の意味をあれこれ考えてしまい、悶々となる。簡単に正解がわからないのが、本の醍醐味ともいえるから、これはこれで個人的には結構気に入っている。

    映画化が決まっているらしいことが書いてあったが、もうできたのだろうか?どちらかというと舞台向きの内容なようにも思えるこの作品が、映画でどう描か...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月20日

    うーん、難しい(苦笑)。
    寓話なので、何がしかの教訓めいたものを提示しているし、書かれている文章や内容はそれ程には難しくないのだけれど、それをどう受け止めていいのか混乱してしまう。
    兄と弟が穴に落ちて、虫や雨水で飢えや乾きを凌ぎながら数か月を共に生活する。
    その間に弟が錯乱状態になり、哲学的とも宗教...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年07月26日

    海外版の山椒魚?と思って購入しましたが、山椒魚とはまた違った暗澹とした物語でした。
    文章に仕掛けがあり、とても計算されて良く作り込んまれた作品だと思います。自分の能力では読み解けなかった部分も多いので、そこは自分に残念です。
    グロテスクな部分もありますが、個人的には嫌いではありません。自分にとって、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年05月18日

    すごい本を読んでしまった。難しいことは語れないが、久々に読んでいて胸が苦しく、熱くなるような物語だった。読み終えた今、しばし放心状態である…。全くの予備知識なしに軽い気持ちで手に取ってしまったので、「ん?なんで穴に落ちたの?」など疑問を持ちつつもどんどん読むにつれ、瞬きの回数が減り、眼球が乾くほどに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年05月02日

    深く暗い寓話。読んでいくうちに読みとけてくる裏側に、思わずその都度調べたくなるのをこらえて物語にひたる。読み終えてから、調べて、考えて…この解釈であっているだろうか。

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    Posted by ブクログ 2017年04月26日

    20170425

    森の中のすり鉢状の深い穴に落ちてしまった兄と小さな弟。
    極限状態の中、気が狂ったように?変わってしまう弟と、弟への愛を抱えながら状況を解決しようとする兄。

    なんとも不安になる文章、深読みを誘う不気味な感じ。実際あとがきにも謎解きのヒントが書かれている。

    気持ち悪くなるし読みた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月16日

    夢を持ち行動することを教えてくれる本。

    内容は暗い話ではあるが、謎がとても多い小説です。
    その為、一度では理解できない内容だと思います。自分の置かれている状況で感じ方も変わると思います。

    僕が感じたのは、組織にずっといることで、みんなと同じ考え方になる当たり前の怖さ。そして、組織から出るために勇...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月13日

    暗くて重い。なのに、割とすらすらと読めてしまう。
    終盤に明かされる袋の意味にぞくりとしたものを感じた。母親も、なんかの例えなんだろうな。
    あとがきで触れられていた暗号は、思っていたよりも直球なメッセージで、かつ、この本の最も伝えたかったことなんだろう。

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