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深い森のまん中にある、深い深い穴の底。兄弟は空を見上げ、脱出の方法を思案している。土壁に階段をつくる。弟を肩にかつぎ上げる。どれほど見込みがなくとも、ふたりは生きなければならない。虫や木の根を食べ、泥水を飲む日々が綴られるなか、やがて物語は不可思議な幻覚と、めくるめく謎で満たされていく――。なぜ章番号は素数だけなのか。幻覚に隠された暗号とはなにか。そもそも兄弟はなぜ穴に落ちたのか。ふたりが辿りつく結末は、驚愕とともに力強い感動をもたらす。現代版『星の王子さま』であり、“深い穴”で生きるあなたに捧げる寓話。/解説=西崎憲
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Posted by ブクログ
東京旅行の際に目に止まった1冊。
作者もタイトルも初めて見た作品でしたが、装丁に惹かれて購入。
内容としては、かなり気味の悪いぞっとするお話。登場するのは名前も年齢も分からない兄と弟の2人だけ。深い森の奥にある、深い深い穴の底からどうにか脱出しようと思案する中で、徐々に奇妙に、そして謎に満たされていきます。
読後感としては、かなり気持ち悪いです。暗くて狭い穴の底の2人。何ヶ月もその中で暮らす2人は、雨水を飲み、虫や根っこを食べ、ただただ脱出に向けて過ごしていく。その様子が妙に想像できてしまって134ページとは思えないくらい長く感じました…。
そして、現代版『星の王子さま』として知られる作品とのことですが、内容はかなり異なるように思えました。
哲学的な内容もかなり難しく、どなたか解説をお願いします!
Posted by ブクログ
兄弟が深い穴に落ちている。
彼らはそこから脱出しようと、生き延びようともがく。
言ってしまえばそれだけの話を、淡々とした筆致で描きます。不合理で危機的な状況をふたり協力して脱出する話かという予想は、序盤の方で霧散します。強圧的な兄、黙々と従う弟。見る見るうちに悪化していく状況、狂っていく弟。
速やかな悪循環が、童話を語るような筆致でなめらかに描かれ、読む側までもが蟻地獄に引きずり込まれたかのようにただこの酷い顛末を追うばかりでした。
そうして、ぱっとわかる真実と結果を残し、するりと物語は収束します。どこかあっけなく、軽やかに。幾重にもくるまれた寓意や仄めかしに明確な答えを導けないもどかしさはあったものの、読後感はそれほど悪くもありませんでした。
彼らふたりの物語だったのか、彼らをなにかになぞらえた物語だったのか。とらえようはさまざまで、きっと読む方の自由なんでしょう。その境界線をつけないもどかしさを生む描き方が上手い物語でした。
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