深い穴に落ちてしまった

深い穴に落ちてしまった

770円 (税込)

3pt

3.6

深い森のまん中にある、深い深い穴の底。兄弟は空を見上げ、脱出の方法を思案している。土壁に階段をつくる。弟を肩にかつぎ上げる。どれほど見込みがなくとも、ふたりは生きなければならない。虫や木の根を食べ、泥水を飲む日々が綴られるなか、やがて物語は不可思議な幻覚と、めくるめく謎で満たされていく――。なぜ章番号は素数だけなのか。幻覚に隠された暗号とはなにか。そもそも兄弟はなぜ穴に落ちたのか。ふたりが辿りつく結末は、驚愕とともに力強い感動をもたらす。現代版『星の王子さま』であり、“深い穴”で生きるあなたに捧げる寓話。/解説=西崎憲

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深い穴に落ちてしまった のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    痛み、怒り、革命の狼煙。
    抽象化・寓話化された物語が、美しい詩的な比喩表現で綴られる。傑作。

    兄弟はなぜ穴に落ちたのか?
    はじめに結んだ「約束」は、なにか?
    袋に入った「母さんの食いもの」が話題に上がらないのは、なぜか?
    ときどき覗きこむような人影の描写は、夢か現実か?

    ミステリー的な要素で、ず

    0
    2025年03月27日

    Posted by ブクログ

    東京創元社さんの校正課員さんが選んだズシンと響く本文200ページ以内セットに入っていた1冊
    落ちてしまったというか落とされてしまったというか...
    とりあえず読んでみるかとページを開いてみたら想像以上に描写がきつく驚いてしまった。
    考えさせられる一冊なのは確かなのだが、ここから何を読み取ろうかと言わ

    0
    2024年07月08日

    Posted by ブクログ

    短編で面白く2時間程度で読めた
    かなり生々しく気持ち悪い描写が続くが、表紙のおかげで兄弟のことを角のある寓話的生き物として捉えられたのでよかった
    きもちわるさから出る幻想的な美しい文章もあってうっとりした
    このひもじさと発狂はなかなか他にない
    穴=きびしい現実、兄弟=人間のもつ性質として、現実から出

    0
    2024年07月07日

    Posted by ブクログ

    森の奥深くにある、深い穴に落ちてしまった兄弟。脱出方法を考えるも見つからない。食料は虫たち、飲料は泥水という環境の中でどうやって生き延びていくのか。絶望的な日々と、幻覚、幻想のようなものが広がったりと、狭い穴の中でさまざまな感情に出会う。どうやって脱出するのか、二人が選んだ道は。その先には何があるの

    0
    2023年06月12日

    Posted by ブクログ

    眠くなるかなと思いましたが、短いのでサクサクと読めて、内容も楽しめました。解説まで読むといろいろな仕掛けがあるとか。暗喩に富んだ大人の寓話ですが、だから推理文庫なのかと納得。

    0
    2025年08月16日

    Posted by ブクログ

    これは、難しい…気になる…気になるというのは、どうにもひっかかっていくというような
    「現代の星の王子さま」というキャッチコピーは、シチュエーションとしては似てるところもあるけど、もっと暗くて生々しい肉肉しさの印象が強くて、星の王子さまではないかな、と思う。現時点では。

    一周読んだだけで、生々しい爪

    0
    2024年03月22日

    Posted by ブクログ

    深い穴に落ちてしまった兄弟の話し。
    つ、つらい。
    どんどん病んでいく様が。
    精神削られる。
    結局なんだったのか、は読者に委ねられる系。
    『現代版星の王子さま』と書かれているけど、いやぁ・・・暗黒すぎでしょ。

    0
    2023年06月21日

    Posted by ブクログ

    兄弟が深い穴に落ちている。
    彼らはそこから脱出しようと、生き延びようともがく。

    言ってしまえばそれだけの話を、淡々とした筆致で描きます。不合理で危機的な状況をふたり協力して脱出する話かという予想は、序盤の方で霧散します。強圧的な兄、黙々と従う弟。見る見るうちに悪化していく状況、狂っていく弟。

    0
    2023年05月21日

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