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獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……
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Posted by ブクログ
面白かった!レミゼの折り込みがそこそこにあってレミゼを知っている人間としての面白さもあったのだけど、それ以外にも主人公メルチョールの生い立ちが事件の合間合間に挟まれていて、そこが一人の孤独な男が愛を知るようになる迄の道のりとしてまた面白い。事件そのものは謎もありつつ比較的大きく動かないのだが、主人公...続きを読むの回想を挟みながら進むので事件そのものが回想と重なり合うことで重層感が出る。 レミゼ知らなくても映画一本見た様な満足感のある本なんだけど、レミゼ知ってたら主人公のバルとジャベのハイブリッド感とか素晴らしいのだよ。キャラとしてはジャベが一番好きな主人公だけどその生い立ちにはバルを踏襲している描写もあったりね。レミゼ読み返したい。 主人公は妻と本を通じて知り合ったのだが、本好きの二人が本の話をしているシーンとかじんわり暖かくてそういう意味でもこの本は好きでした
獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……。 極めて猟奇的な場面で幕を開けるこの作品、単なる警察小説...続きを読むではありませんでした。読書が人生を変える力のある営みであることを改めて実感しました。残りの二作も期待しています。
スペインの作家ハビエル・セルカスの作品。初めて知った作家であり、予備知識なく読み始める。 主人公のメルチョールは娼婦の母に育てられ、犯罪に手を染めることで刑務所に入るが、そこでユゴー作の'レ・ミゼラブル'を知り、母が殺されたことを契機として警察官として生きる道を模索する。風変わり...続きを読むな弁護士の助けもあり、希望が叶い、警察官として働き始めるが、テロリストの犯罪に直面し、全員射殺で未然に防ぐが、復讐から保護されるため、田舎町テラ・アルト勤務へと移される。犯罪とは無縁と思われたこの町で、資産家夫婦が惨殺死されるという事件が発生、母殺害の犯人を見つけ出すこともできず、資産家殺人の犯人探しも行き詰まっていく。主人公の過去の出来事と、現在進行中の捜査と交互にストーリーが展開していくが、'レ・ミゼラブル'から受けた正義に対する思いと、次々と判明していく意外な事実との葛藤が本書のテーマとなって結実していく。 謎解きと直接関係なさそうな話が現れてくるので、まだるっこしく感じるが、ストーリーに深みを与えている。最後まで何が起きるか予断できない内容であり、読み応えがあった。
初めて読んだスペインのミステリー。 ミステリーというよりは主人公の生き様がメインで、事件も捜査していく様子も特に斬新さがあるわけではないが、読みやすく主人公も魅力的だった。続編も読んでみたい。
スペインの中央とも揉めている曰く付きの街が舞台。レミゼラブルを読む事で更生した刑事が主人公。その地の富豪夫婦の惨殺死の謎を解明すると言うミステリだが、その要素は低い。むしろ主人公の過去や思いを描いてる。濃いイメージの作品だった。
スペインの田舎町、レ・ミゼラブルを愛する刑事が富豪夫婦の殺害事件に挑むが… #テラ・アルタの憎悪 ■あらすじ スペインのテラアルタで発生した事件、村一番の富豪夫婦が拷問して殺害された。かつての投獄され、書籍『レ・ミゼラブル』と出会いによって刑事になった経緯があるメルチョールが捜査にあたる。 しかし...続きを読む決め手となる証拠がでず、捜査が打ち切られようとしてた。彼は独断で捜査を進めようとするも、政治力によって試みが困難となっていき… ■きっと読みたくなるレビュー 不思議な魅力がある主人公と、スペインにある田舎町の暗部が見え隠れするミステリーです。 物語の筋としては大きく二つで、富豪夫婦の殺害事件の捜査と刑事メルチョールの過去を巡る回想。もちろん本筋は前者ではあるんですが、作品としての重心はむしろ後者にある感じですね。 過去犯罪に手を染めるも、『レ・ミゼラブル』と出会いから今まで持っていなかった価値観が芽生え、人生を切り開いていく。ただ人間としての気質は変わることはないのが魅力のポイント。心情描写もセリフも荒ぶることなく淡々と書かれているのがまた良くて、静かだけど強い存在感を残していくんです。 また警察の同僚たちや、友人や家族たちの描写もいかにも居そうな人たちばかりだし、じっくりと物語に浸ることができました。 事件の謎解き自体は想像したほど展開はしませんでしたが、終盤に語られる事件の真相や背景にはなかなかの戦慄が走る。昔にどこかの映画で見たようなシーンが目に浮かんできて、人間の「憎悪」が伝わってきました。 ■ぜっさん推しポイント 人間がいかに自分中心の価値観で生きており、他人の都合を考えていないかを示唆してくれる。絶対の正義は存在せず、正義と悪には相対性があることを理解しないといけないですね。汲汲として疲弊している人ばかりの現代、色んな人に伝わってほしいと思いました。
あらすじに惹かれて読み始めたのだが、思ったより事件の深掘りがなくてその点は期待と違った。 ただ思いの外、レ・ミゼラブルを絡めて主人公が居場所を見つける展開の後半はじんわりと温かい気持ちになった。
日本、USA、イングランド、スウェーデン、フランス、インド、そしてこのスペインと各国の推理小説を読みました、どの国の警察官もブラックな職場です。
惨劇から始まるスペイン産ミステリ。 スペイン、珍しいな。 あんまり思い浮かばないな。 『風の影』とか? ならず者あがりの刑事メルチョールが”何も起きない町”、”旅の途中で通りすぎるだけの場所”テラ・アルタで出くわした凄惨な事件。 この町きっての富豪で町の産業を一手に握る「アデル美術印刷」の夫婦が屋...続きを読む敷内で拷問を受け、無惨な姿で殺されているのが発見された。 誰が、何のために?金品目当てか、怨恨なのか? おどろおどろしい事件を巡る調査の日を追う物語が続くのかと思いきや、かなりのページを割いて主人公の過去に飛ぶ。 かたや事件究明の方はするすると手の中を溢れ落ちて行き、進展らしい進展は起きないまま過去の話へと成り下がっていく。。。 凄惨な事件を呼び水にする物語は、その事件の裏に潜むきな臭さだったり、犯人のサイコ性だったりがメインになるのが常なところ。 タイトルや装丁の雰囲気からもまさにそんなイメージを想起するところだが、意外にもその辺はあっさり目なところが新鮮。 むしろ、メルチョールの過去との決着を目指す物語や、服役中に出会った『レ・ミゼラブル』への賛美を中心に展開する人生観が興味深い。 「小説の半分は著者が書いているが、残りの半分は読み手が埋めるんだ」 中盤以降、カミュ『異邦人』、ボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』、ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』、ジョルジュ・ペレック『人生使用法』なんかも言及され始め、警察小説×文学の様相を呈してきて乙。 メルチョールのジャベール(『レ・ミゼラブル』に出てくる悪徳警官)評。 「彼は偽りの悪人なんだ。そのことに気づかないか?そして偽りの悪人は、真の善人なんだ」 「そう考えると、偽りの善人もいるってことね」 「もちろんだとも。それが真の悪人だ」 そうした人生観や辿ってきた道のりがあってこその喪失の重さ、正義とは何か、復讐とは何かを問う最終盤。 「憎む相手を殺すために、自分も毒を飲むようなもの」の言葉が胸を刺す。 色々詰め込んだ割にはとっ散らからず、それぞれのカケラがそれぞれの厚み色味を帯びてうまく纏まっていた印象を受けた。 とにかく、ことあるごとに読みたいなーと思っていた『レ・ミゼラブル』、絶対読まなきゃという気に改めてさせてくれた。 続編もあるようなので、是非に邦訳してもらいたいもの。
ストーリー自体は好き。ただ最後の黒幕の話は、黒幕自体にそうするメリットがなく、話の説明のためにそうした感がある。
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