作品一覧

  • ペストの記憶

    ペストの記憶

    小説・文芸

    4.2
    1巻3,300円 (税込)
    ★パンデミック――見えない恐怖 ロンドンで約10万人の死者を出したペスト大流行の詳細を、当時の公的文書や個人の記録などを基に再現した小説。 伝染病の爆発的流行や都市型災害の勃発、その拡大と対策に関する貴重なドキュメントとして、今日も読み継がれている古典である。 現代日本の読者に読みやすいよう、平易な語り口で訳し、さらに原典にはない章分けを加えて、展開や構成をわかりやすくした。 当時のロンドンの詳細な地図や訳注も付して、資料も充実。 群像新人文学賞評論部門を受賞し、文芸批評でも活躍している英文学者による、画期的な新訳。
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

    世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

    小説・文芸

    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    芥川賞、直木賞からノーベル文学賞まで。8つの賞から、文学の最先端が見えてくる! 世界中の文学賞は、こうやってできていた! 史上初の世界の文学賞ガイドが登場。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、世界の文学賞とその受賞作品について熱く語る1冊。芥川賞、直木賞、ノーベル文学賞といったメジャーなものから、各国の代表的なものまで。歴史あるものや最近設立されたもの、賞金が1億円を超えるものや1500円くらいのもの。世界に数多く存在する文学賞のなかから、とびきりの8つを選びました。受賞作品の解説にとどまらず、受賞作品の傾向分析や、あっと驚く選考の裏話までもが飛び出し、あなたの知的好奇心を大いに刺激します。これ1冊で、文学賞の発表シーズンが何倍も楽しくなる!カバーイラストは『刀剣乱舞』のキャラデザでおなじみの、しきみが担当。
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

    きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

    小説・文芸

    3.5
    1巻1,320円 (税込)
    10人の作家・翻訳家・書評家が、とっておきの本を紹介する読書ガイドが登場!『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、ヨーロッパやアメリカから日本まで、不朽の名作からベストセラーまで、縦横無尽に語り尽くします。共通点は、読んで面白かったこと、という一点のみ。トールキンなんかのファンタジーからホームズものなどのミステリー、それから、日本近代文学の王者、谷崎潤一郎や太宰治まで。伊坂幸太郎の青春や『不思議の国のアリス』の少女ワールド、そして江國香織から村上春樹まで。大島弓子や萩尾望都についても熱く語ります。
  • ロビンソン・クルーソー

    ロビンソン・クルーソー

    小説・文芸

    3.7
    1巻1,045円 (税込)
    十九歳ではじめて船出をしたロビンソンは、数々の苦難に襲われたあげく、南米の無人島に漂着する。日記を付け、聖書を読み、煙草をくゆらす孤独な日々のなか、彼は安全な住まいを築き、農耕や牧畜を営む工夫をこらす。近代的人間の典型として、多様なジャンルに影響を与え続ける古典的名作を、抜群に読みやすい新訳で。

ユーザーレビュー

  • ペストの記憶

    Posted by ブクログ

    「ペスト流行の都市の記録
    1665年の最後の大いなる厄災に襲われたロンドンにおける
    公的及び私的な最も驚くべき出来事の報告あるいは覚書
    その間ずっとロンドンに留まっていた一市民による未公開の著作」
     ↑ この長いのがフルの題名かな?

    同じ著者のデフォーの「ロビンソン・クルーソー」も、正式な題名は「自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述」という長ったらしいものなんですよね。

    ===
     時は1665年
     恐怖のペスト、ロンドンを襲う
     消えされた命はざっと十万
     それでもぼくは生きている!

    1664年12月ロンドンでペストにより死者が出た。
    感染はあっという間に広まった。
    本書は、ペスト禍にロンドンに留まった男が書いた、ペストの感染の広がり具合、ロンドン市民の様子、当局の対策法、新聞発表の死者の数、そしてその翌年のロンドン大火事のことなどの手記という形式の小説。
    物語性はあまりなく、目立った登場人物もほとんどいない。語りも淡々としているがこのそっけなさがこのそっけないような書き方がむしろまさにその場にいた人間のギリギリの精神状態の様子を感じさせられる。なにしろ著者自身もこの手記が出版されたときにはすでに墓地に入れられていることがわかるのだから、まさに明日は我が身だったのだ。

    デフォー自身は、1665年のペスト流行時は5歳で家族と別の場所に避難していたらしいのだが、ロンドンに残った親戚から聞いた話や、自分たちがロンドンに戻ってから感じた雰囲気などを表しているのか、淡々とした語り口にむしろ当事者としての緊迫感と身に迫るような閉塞感とが感じられる。

    こちらの版では、「ペストの記憶を読むための地図」が収録されていたり、原文にはない章わけがされていたりと読みやすい。

    以下印象的だったこと。
    ・ペストに罹った家族はできるだけそれを隠した。周りから白い目で見られたり、家を閉鎖されて健康な家族も一緒に閉じ込められてしまうから。
    ・ペストが出た家は閉鎖され、監視人がついた。だが人々はなんとか家を抜け出そうとした。そのために、監視人と暴力沙汰が起きたり、地方に感染を広げてしまったりした。
    ・家の閉鎖は当局の失敗。健康な家族も閉じ込められるので、家族のペストを隠したり、なんとかして家を抜け出そうとしたから。
    かといって、初期の頃はペスト患者にお見舞いに行った人たちが罹患したりしたので、ペスト患者の家を閉鎖したことは確かに有益だったという面もある。
     この手記においても「家の閉鎖」問題は何度も語られている。
    ・ペストに罹った人たちは、膿で苦しみ狂乱状態に陥ったり、元気に散歩していて疲れて休息してそのまま死んだり、家族の死に発狂してペストそのものではなく恐怖で死んだり、そしてどの家からも家族を失った嘆きの声が聞こえてきたという。
    ・比較的裕福な人達は早めに田舎に逃げたり、広場の小屋に籠もった。行き場所がない人たちは、徒歩でロンドンを出て、野宿をして過ごした。広場のテントに籠もっている生活はそれはそれで安全を保てていた。
    ・避難した人たちが、公共の乗り物に乗ったり、宿に泊まったりしなければ、あんなに感染が広まらなかっただろう。
    ・怪しい医療やまじないが流行った。詐欺行為。
    ・ロンドンに遺体が転がり、住人がいなくなった家からは略奪が行われた。
     遺体問題は徐々に回復して、日中遺体が放置されることはなくなっていった。
    ・当局は秘密主義だったし、非常時に守るべき規則を定めてもいなかったので食料貯蔵がなく、貧民たちは困窮した。
    ・食料対策は、ロンドン市の対策として食料品の商売人をロンドン市内には入れずに市の入り口の広場で品物を広げた。そのため感染が防げたり、食料も揃った。
    ・失業者は、製造、流通、水上交通に関わる人々、家の建築に関わる人々、商売家庭に奉公してた人たちなど多種に渡る。
    ・市長や行政官は、貧民たちに仕事を与えた。ペスト患者の看護、死者をカートで運搬して共同墓地に放り込む仕事、閉鎖された家の監視人。
     危険な仕事であっても貧乏な人たちは仕事があればなんでも就いた。
    ・多くの犬猫が殺された。
    ・人々は「絶望のために感染から逃げるのぞみを失い、このペストを生き抜くのを諦めた」
    ・ロンドンから逃げた医者や聖職者への風当たりが強かった。
    ・イギリスは海外との貿易を禁じられた。
    ・貧民たちへは、金銭的に余裕のある人達が積極的に助けた。イギリス国民の素晴らしさ。
     だがペストが終息した後も貧民に仕事が戻らず苦しんだのだが、寄付は減ってしまった。
    ・ペスト終息の翌年にロンドン大火事が起きた。だがこれらのためにイギリスでの商売は繁盛した。
    ・著者が例として出した、ロンドンから逃げた三人の男たちがいる。
     彼らは他の逃げ出した人たちと合流し、なんとか田舎の人たちの理解を得て広場で小屋を作り安定した生活を送ったというエピソードが語られる。
    ・終息のはじめの頃は、死者数は減らなかった。だが重症者が減ったり、回復者が増えていった。
    そして徐々に死者も減っていったのが見えるようになった。

    0
    2020年11月11日
  • ペストの記憶

    Posted by ブクログ

    デフォーの伯父をモデルとした架空の書き手が1665年のペスト流行時のロンドンの状況を語る。
    読む前は資料的な作品かと思っていたので、退屈な本だろうなと覚悟をして読み出しましたが、その臨場感あふれる語り口につられて一気に読み終わりました。
    約350年前の話ですが、ニュースを見ているような臨場感。病に対する恐れと行動は現代とかわりませんが、いまと違うのは、人間にどうにもならない時に宗教に頼ることができた点でしょう。

    あと、現代と変わらないといえば、1ページ目にあった「そのころは新聞みたいにさまざまな事件やうわさを広めるための印刷物がなかった。つまり、後の時代に見られるように、誰かが事実を好きなように書き換えることもなかったわけだ。」という、当時最新のメディアであった新聞への批判と取れるような記述が、現代のネットニュースに対する批判と重なって興味深かったです。

    0
    2020年04月26日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

    Posted by ブクログ

    本屋で見つけて、編者が都甲幸治ってこともあり、是非読みたいと思って入手。最近特に、洋邦問わず文学賞が気になるってこともあり、これもとても楽しく読ませてもらいました。方々で言われていることだけど、ノーベル賞より注目すべき文学賞は、あれもこれもあるってことですね。実際には”8大”文学賞では決してないけど、芥川賞と直木賞の章も設けられていて、それはそれで日本人なら気になるものではあるし、ちょっとした息抜きみたいにもなっていて、高感度高しでした。毎度のことながら、また読みたい本・作家がたくさん見つかって、嬉しい悲鳴再び。

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    2018年05月10日
  • ロビンソン・クルーソー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    青年ロビンソン・クルーソーが、地元から出て、旅をする中で無人島に漂流し、生きる中での、自省的な小説。人の強さと弱さが感じられる。

    解説に書かれている通り、これは大きく省略して読まれるのはもったいない話だと思う。名訳。

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    2015年09月25日
  • ペストの記憶

    Posted by ブクログ

    1665年にロンドンを襲ったペストについて、ルポルタージュ半分、フィクション半分に記したもの。ニセ医者や呪術者の混乱に乗じた商売、貧困層を直撃する経済危機、死の恐怖のなかでくり返し訪れる絶望とユーフォリアなど、17世紀ロンドン市民とイングランド人の心理と社会状況が読む者に迫る。

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    2022年08月19日

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