西崎憲の作品一覧
「西崎憲」の「黄金仮面の王」「青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
ヴァージニア・ウルフの短編集で、執筆年は1900年代から1930年代くらいのあいだ。
ヴァージニア・ウルフは相当昔、高校生の頃にたぶん『ダロウェイ夫人』を読んだだけだったと思う。ほぼ印象は残っておらず、自分の文学地図の中でジョイスの影に隠れてしまった印象がある。
本書を読んでみると、なかなか新鮮だった。「まさにモダニズム」なのである。
従来のコンテクストを超え、新奇で根本的価値設定を再探究するかのような味わいがあり、読んでいてワクワクする。これは音楽で言うとシェーンベルク、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、初期のショスタコーヴィチ、サティ及びフランス6人組といった面々の清新な作風に通
Posted by ブクログ
幻想文学好きには知られてるマルセル・シュオッブのまさかの初文庫化。
正直、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』文庫化以上に驚いたかも。アンソロジーなんかでマルセル・シュオッブが組まれてることはあるが、まさか文庫で、まるまるマルセル・シュオッブが読めるとは……!
収録されてる作品はどれも傑作で、幻想的で、美しく、時にはグロテスクな作品が描かれる。
マルセル・シュオッブは19世紀末の作家だが、今読んでも古さを感じなくて、驚く。
それと本書には新訳がいくつかあったりするのも嬉しかった。
ただこのマルセル・シュオッブの文庫を手に取ってしまい、もしも心を掴まれてしまったら『夢の扉 マルセル・シュオッブ
Posted by ブクログ
「あいつらにはジャズと呼ばせておけ」これは痺れる。
ジーン・リースについては、英国植民地ドミニカ生まれ育ちの白人に対する、本国イギリス人からの蔑視(こいつらは本物のイングランド人ではない)を抜きにしては語れない。
生まれ育った故郷であるカリブの島では支配層でありながら、母国であるはずのイギリスでは一段下の存在として扱われる。同時に、育った島は白人プランターへの憎悪を募らせてゆき、支配者としての一族は没落してゆく。
どこにも居場所がない感覚、帰属先を失った異邦人。
そしてもう一つは、女性が社会的、経済的に男性の管理下にあった時代への反逆だ。
コーラスガールやモデル(マヌカン)として働いたジー
Posted by ブクログ
フットサルの小説だけど、フットサル以上のものがたくさんあった。
主人公は、大学受験に二度失敗し、浪人をしながらアルバイトを転々として暮らしている松永おん。おんはかつて双子の弟がいたことから、自分は半分だけの存在だという意識を持って生きている。彼の日常に起こるささやかな出来事と心の動きを解像度高く綴っている。
ファンタジーノベル大賞を受賞してデビューされた方だけど、本作は純文学に近いと思う。
何をやっても、どこかどんくさい主人公。自分に自信はない。二浪しているにも関わらず、焦りは少なく、実家から出て弁当屋のアルバイトと仕送りで生計を立てている。
ある日、おんは高校時代の部活・写真部の集ま
Posted by ブクログ
代表作「キュー植物園」など20篇を収録した短篇集。
以前から唱えている〈ヴァージニア・ウルフ=少女漫画説〉が、この短篇集を読んでより自分のなかで強固なものになった。小動物や植物、世間的には取るに足らないとされる小さなものたちにシンパシーを感じ、そこに個人的な象徴や啓示を見いだしていくモチーフの使い方。ディテールに注ぐ偏執的な凝視。言葉になる前の不定形な感情をとらえようとしてあふれだす、言いさしのような未然の文体。
これらはみな、萩尾望都や大島弓子などの作品にある謎めいたほのめかしや、わかりきれないけど「わかる」と思わされてしまうモノローグの魅力にとても近いのではないか。漫画家が絵と言葉を組