青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集

青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集

1,980円 (税込)

9pt

3.6

〈 じつに、ウルフ的、もっとも、実験的。〉

イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。

短篇は一つ一つが小さな絵のよう。
言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。
21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。
――ウルフは自在に表現世界を遊んでいる。


ウルフの短篇小説が読者に伝えるものは緊密さや美や難解さだけではない。おそらくこれまでウルフになかったとされているものもここにはある。 たぶんユーモアが、そして浄福感が、そして生への力強い意志でさえもここにはあるかもしれない。(「解説 ヴァージニア・ウルフについて 」より)



【目次】

■ラピンとラピノヴァ……Lappin and Lapinova
■青と緑……Blue & Green
■堅固な対象……Solid Objects
■乳母ラグトンのカーテン……Nurse Lugton's Curtain
■サーチライト……The Searchlight
■外から見たある女子学寮……A Woman's College from Outside
■同情……Sympathy
■ボンド通りのダロウェイ夫人……Mrs Dalloway in Bond Street
■幸福……Happiness
■憑かれた家……A Haunted House
■弦楽四重奏団……The String Quartet
■月曜日あるいは火曜日……Monday or Tuesday
■キュー植物園……Kew Gardens
■池の魅力……The Fascination of the Pool
■徴……The Symbol
■壁の染み……The Mark on the Wall
■水辺……The Watering Place
■ミス・Vの不思議な一件……The Mysterious Case of Miss V.
■書かれなかった長篇小説……An Unwritten Novel
■スケッチ
・電話……The Telephone
・ホルボーン陸橋……Holborn Viaduct
・イングランドの発育期……English Youth

■解説 ヴァージニア・ウルフについて——西崎憲
■年表


___________________

《ブックスならんですわる》
20世紀の初頭、繊細にしてオリジナルな小品をコツコツと書きためた作家たちがいます。前の時代に生まれた人たちですが、ふっと気づくと、私たちの隣に腰掛け、いっしょに前を見ています。
やさしくて気高い横顔を眺めていると、自分も先にいくことができる、そんな気がします。いつも傍に置いて、1篇1篇を味わってみてください。

___________________

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詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    亜紀書房
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2022年01月28日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
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青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    代表作「キュー植物園」など20篇を収録した短篇集。


    以前から唱えている〈ヴァージニア・ウルフ=少女漫画説〉が、この短篇集を読んでより自分のなかで強固なものになった。小動物や植物、世間的には取るに足らないとされる小さなものたちにシンパシーを感じ、そこに個人的な象徴や啓示を見いだしていくモチーフの使

    0
    2024年03月24日

    Posted by ブクログ

    もちろん後からの私たちは、彼女の最期を知っていて読むわけで、つい儚さとか弱さとか繊細さとか脆さとか…をイメージしながら読んでしまうのだけれど、意外にもしっかりとした強さをも感じる。

    0
    2022年02月14日

    Posted by ブクログ

    ヴァージニア・ウルフの本は2冊目。
    ウルフは「意識の流れ」という文学的手法を使ったことで有名。

    調べてみたら、意識の流れとは、人物の思考や感情が、川の流れのように途切れなく変化していく様子を表現する方法。出来事を客観的に書くのではなく、人物の主観的な視点から、思考や感情の動きを直接的に書くことが特

    0
    2025年07月25日

    Posted by ブクログ

    文章はとても美しいが、読みながら「これは何が言いたいのだろう?」と思ってしまった。巻末にウルフの文学に対する姿勢などが書かれているので、そう言う意図があったのかと納得した。

    0
    2025年01月08日

    Posted by ブクログ

    絶版のちくま文庫版と収録作品はほぼ同じ。以前読んだとき同様、やはり「キュー植物園」の完成度がとびぬけてすばらしい。園を行き交う人びとが、ありえたかもしれない過去に思いをよせたり、でもいま手にしているこの現実でよかったんだと思いなおしたりする意識の流れが、花々や蝸牛の描写をおりまぜつつ見事に点描されて

    0
    2023年02月16日

青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    亜紀書房
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2022年01月28日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

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