【感想・ネタバレ】エドガー・アラン・ポー短篇集のレビュー

あらすじ

19世紀前半のアメリカで、推理小説やホラー小説などの新たな分野を切り拓いた孤高の作家、エドガー・アラン・ポー。彼がつむぎ出した独自の世界がもつ圧倒的な想像力は、いまも多くの人に深く強い影響を与え続けている。40年という短く、また不遇な生涯を通して生み出された名作のなかから、その想像力のパワーを示す7篇をえらび、新訳で贈る。巻末に作家の小伝を付す。

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Posted by ブクログ

カポーティ『遠い声 遠い部屋』が好きで、影響を受けたといわれるポーを手に取りました。
か、かっこいい……

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2021年01月18日

Posted by ブクログ

ちくま文庫のための訳し下ろし、編訳。黄金虫ヴァルドマール氏の死の真相赤き死の仮面告げ口心臓メールシュトレームの大渦アッシャー家の崩壊ウィリアム・ウィルソン以上の7篇。附された「エドガー・アラン・ポー小伝」「熱と虚無――エドガー・アラン・ポーとは何か」が、ありがたい。私は特に、『赤き死の仮面』(赤死病の仮面)を読み直したくなって。でも、ここに選ばれた7篇は、やっぱりどれも傑作ですね。手元にある他の翻訳も読み返してみます。それから、こういう短篇は(「大鴉」もだけれど)どうにも原文と対照させたいような気になってしまいます。ペーパーバックの簡易版でいいから探してみようかな。

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2011年07月19日

Posted by ブクログ

海賊の宝に暗号解読がからむ知的エンターテインメントから、象徴に満ちた幻想・怪奇・狂気まで、描かれるものも雰囲気も文体もさまざまである。あまりに違うので、これらをどれも同じように好む読者が果たしているのだろうかという気もするが、ポーの多彩さをあらわすセレクションではある。
もし私がポー・ベストを作るなら、ずっと偏ったものになるだろう。まずここに『黒猫』と『盗まれた手紙』、それに『アモンティリャードの樽』を加えたい。いっぽう、ゴシック趣味あふれる『赤き死の仮面』と『アッシャー家の崩壊』は抜いてしまう。単換字暗号の解読が煩雑な『黄金虫』もなくていい。するとほら、実に好みの感じだ!
…ポー好きの風上にも置けない、とか言われそうであるが。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「黄金虫」と「モルグ街の殺人」を小学生のころに読んだ記憶がうっすらとあるのだが、読書を再開してからは初ポー。彼の文体は評価が分かれるようだが、私には合っていた。ほかの作品も是非読んでみたいと思う。

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2012年11月10日

Posted by ブクログ

エドガー・アラン・ポーの短編集。
なぜかこの人の文には惹きつけられるものがある。

以下ネタバレ。

黄金虫 ★★★
黄金の虫を見つけたことから発展してキャプテンキッドの宝を見つけ出すといったストーリー。冒険心からワクワクさせられる。暗号の解き方や骸骨を利用した宝のありか探しなど描写が面白い。

ァルドマール氏の死の真相 ★★★★
人の臨床の際に催眠術をかけたらどうなるかという話。最終的に死んでいる体から催眠術を解くと体が腐っていく。なんというか発想と描写に脱帽。

赤き死の仮面 ★★★
世の中には悪疫「赤き死」が蔓延していた。そこでプロスペロ公は千人を宮廷の中に住まわせ、宮廷には高い城壁などを用いるとして閂をかけた。外イコール赤き死だった。公は千人のために仮装舞踏会を開いた。衣装は公の趣味でグロテスクであるべし。しかしその中でも差し置いて目立つ男が現れる。その男は赤き死を仄めかした衣装を着ている。その男はダガーで公を殺害する。客たちはその男の衣装を剥ぎ取るとそこには何もなかった。そして赤き死が覆いつくすといったストーリー。なんとも頭の中に様々なそれぞれの映像を描ける作品である。

告げ口心臓 ★★★
狂っていると思われている(読者やその世界にいる周りの人々に)と思っている男の話。男は老人を殺す決意をする。辛抱強く老人を殺し、片付けも三枚に下ろすなど冷静だと語る。しかし警察官などが来ていいわけも完璧に話すがある音が聞こえてくる。心臓の音。それは次第に大きくなり、男は床の下にある心臓の音だ!と警察官に話す。彼が聞いていたのはまぎれもなく自分の心臓の音だ。確かに狂っていない。

メールシュトレームの大渦 ★★★★
モスケシュトレームに巻き込まれた男の話。こんなのは見たことなかった(私の経験が少ないのもあるが)。なんだか渦の中にいる気分。

アッシャー家の崩壊 ★★★★
優秀な血統のアッシャー家のロデリック・アッシャーは気を病んでいた。そこで古い友人の男を呼んで憂鬱を解消してもらおうとする。アッシャー家は代々一つの死に方をするという。そしてそれは自分の身に近いと。館にはレディー・マデラインという病持ちの妹がいて彼女がアッシャー家最後の一人になるとアッシャーは言う。しかしマデラインは亡くなってしまう。アッシャーと男はアッシャー家の風習に従って一時的に安置しにいく。アッシャーの精神興奮は次第に強まっていった。そしてある日アッシャーはついにそこまで来ている、聞こえないのかと呪文のように力強い言葉で話し出す。そこにはマデラインの高貴な姿があった。そしてアッシャーの上に倒れこんでアッシャーの死も確実だった。男は逃げ出す。するとつむじ風によって立派なアッシャー家は崩壊するのだった。館から浮かび上がる情景。アッシャー家の先行きが見えない暗雲立ち込めるような空気。そしてすべてが崩壊する。詩的な話だ。

ウイリアム・ウイルソン ★★★
同姓同名のウイリアム・ウイルソン(仮名)に苦悩する話。大学時代でもどこでも彼は嫌がらせしてきた。最終的に仮面舞踏会で剣の勝負をし、主人公のウイルソンはもう一人のウイルソンを殺す。しかし彼は近づいてきてこう言う。「おまえは勝利を得た。そしておれも屈服した。しかし、いまおまえもまた死んだのだ。(中略)これはおまえ自身だ。なんと完全にお前はお前自身を殺したことか」と。本当の敵は己です。

ポー小伝・熱と虚無 ★★★★★
酒におぼれ、人の話を辛辣に批評し、恋多き男で、謎の死を遂げたポー。彼の波乱万丈な人生を語るにはこのページ数じゃ少なすぎるだろう。そのため年表のような感じになっているのは少し残念だが、それにもましてポーの人柄にひきつけられる。彼は決して人格者ではない。そこもいい。もっと生きていてほしかった。長生きした晩年にポーの書いた作品を見てみたかった。

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2010年10月01日

Posted by ブクログ

予備知識なしで読んでいった。
「アッシャー家の崩壊」と「ヴァルドマール氏の死の真相」なんかは文章の凄味が感じられるようでよかった

だけど…これはポーの持ち味なのか、翻訳の具合なのか、
日本語にちょっと違和感を感じるところがあったような気もして、
さらに解説のほうでも「ん・・?」と思うところがあって

さらにポーは翻訳者いわく、修辞に特徴があるようで
はたしてこの1冊だけでポーを楽しんだことになるのか
他の翻訳と読み比べ、はたまた英語版を見てみるべきか?

ここまで「うー」となったことはいままであんまりないかも・・・個人的には翻訳のせいかな・・?と思うのですが。

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2012年05月15日

Posted by ブクログ

エドガー・アラン・ポーは、黒猫ぐらいしか読んだことが無かった。それも高校生ぐらいの時に読んだので、暗いという印象しかない作家であった。

そして、本を読んだ感想は・・・。
正直、大して印象が無い。おもしろかったけれど、それ以上ではない。
若干うまく書かれたホラー小説を読んだ感じ。

あとがきによると、ポーの評価は、国によってまっぷたつにわかれるらしい。

イギリスやアメリカでは、「子供の書いたストーリー」とか「気味が悪いだけ」などの酷評を受ける反面、日本やフランスでは高い評価を受けている。映画の傾向などを見るとわからないでもない。白黒割り切ろうとする英米人と、割り切れない感覚がすきなフランス人や日本人。

ポーの作品は、心の中に帰結しているものが多いように思う。いろいろな事件が起こっているように見えて、実は自分ヒトリの心の中だけで事件が起こっている。恐怖に駆られて殺人を自白したり、妄想に取り付かれたり。

私にとっては、このような作風はもはや見慣れたものであり、題名を見るだけで内容がわかってしまった。これは、ポーのせいではないかもしれない。その後の多くの作家が彼の作品を真似、影響を受けた結果ともいえる。現に、この短編集を読んだだけで、いくつかの小説や映画が頭に浮かんだぐらいである。そういった意味では、ポーの偉大さは彼の作品の中にあるというより、その影響の中にあるのかもしれない。

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2011年07月12日

Posted by ブクログ

ポーの短編集。

聞いたコトがある作品が多いですが
読むのは初めてのモノばかりでした。

どれも怪奇的な要素が織り込まれてて
面白かったです。

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2011年09月29日

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