初読み作家。ピュリツァー賞を始め高い評価を得ている。かといって日本人に合うといえないと感じた。静謐、豊かな自然描写を背景に「ハウスキーピング」-家を守る概念をそれぞれの人物が語り、動く。祖父、祖母、母の余りに哀しい死に方。双子が辿る人生に大きく関わってくる叔母の影はある意味疎ましく、煩わしい。聖書の
...続きを読む言葉を随所に置きつつ、ルーシーとルシールが手繰り寄せる「生きる道」を読み手がどう受け止めるか。私にはシルヴィのはき違えて「謳歌する自由」にざらつきばかり感じさせられ最後まで流れるような文章を咀嚼できなかった。
日本語役に好き嫌いがかなり別れそうな感がある。
長い文が多すぎる・・饒舌というのではなく、主語が、術後が、目的語がふらついて、読んでいて嫌になった時もある。
原文がどうなのか読んでみたい。
湖、橋、鉄道、凍った水、流れる水、付きまとうイメージは北欧のともスペインのとも違う、アメリカ。
何処にも優しさが無い、水くいようがないそれは自らの自立を求めて行かねばならぬ強さを美化しているのだろうか。