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自由の名の下に、人々が闘争を繰り広げていく現代社会。愛を得られぬ若者二人が出口のない欲望の迷路に陥っていく。現実と欲望の間で引き裂かれる人間の矛盾を真正面から描く著者の小説第一作。
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Posted by ブクログ
すごく面白かった 一ページ目で 『くだらない、かすの極み、フェミニズムの成れの果て』 この文で、ああ、言いたいことを包み隠さず言う小説だと分かり、嬉しくなった 自由は闘争という苦しみの始まりで、経済的弱者、恋愛弱者が生まれる。実際問題、教育など他の領域でも、自由の名の下闘争が広がっている 読み終...続きを読むわって、闘うか敗北を受け入れるかと言う命題を、突きつけられるようだった。 闘おう、ファイトクラブだ!
当時、翻訳されたウエルベック作品を大方読み、 この処女作を買おうかどうしようか、 古本屋を探しても見当たらず、 ネットで買うには割と高めで。 色々迷っていたところ、 文庫化されて、喜んだ記憶があります。 他のウエルベック作品より、 性描写などは抑え目ですが、 全ての作品に通ずる根っこはここにあっ...続きを読むたと、 得心した記憶。 細かい内容は忘れてしまいましたが(笑)、 再読したい本です。
闘争領域で闘う同僚など、身の回りの人物を、主人公のシニカルでありつつも同情に満ちた目線で描く。最後、主人公は鬱になって闘争領域を完全に脱落するのだけれど、何故か清々しい。現代人に向けた、いい小説だ。
初ウエルベック。インセル鬱病エンジニアの主人公が同僚の非モテ醜男と旅に出る。小説の形態をとりながらその中身はエッセイのような、論文のような、アジテーションのような。厭世的ではあるが世界を観察する眼差しを捨てることは決してできない。そんな哀しさに満ちている。皮肉たっぷりの持ってまわった言い回しは痛快で...続きを読む面白いけど物語として面白いかと言われると…??
ウエルベックの処女作。冒頭のデブス二人がミニスカートは男の気を引きたくて履いているわけではないと高らかに宣言するのに対し「くだらない。粕の極み。フェミニスムの成れの果て」と主人公が毒づくのは苦笑してしまった。ウエルベックは相変わらず差別的だが、ある種の絶望した男性を描くのは本当に上手い。 自由主義...続きを読むが経済市場や恋愛市場に行き渡ること=すなわち闘争領域の拡大が本作のテーマである。Twitterでよく論じられるキモカネ論(キモくてカネのないおっさん)にも通じる内容で、それは主人公の観察対象であるティスランを見ているとよく分かる。彼は経済的には成功しているものの、性的行動は満たされていない。性的行動は一つの社会階級システムであると本書は語っているわけだが、生まれつき醜く容姿の悪い人間はそれを得ることができない。カネで代替することはできるものの、そこに愛はなく、狭い闘争領域の中に愛は存在しない。これは残酷な真実であり、どうしようもなさを感じてしまう。処女作ということもあって後の作品と比較するとやや淡々とした運びであり、救済も答えもないのだけれど、ウエルベックの暴きたい欺瞞がわりと露骨に出ている秀作である。
自由であるが故に、自分が敗者となる恐怖・敗者であると認める恐怖は、私たちにとってもあまりにもリアル。 自分を客体視することで平静を保とうとし、硬質な文で綴られるこの独白も、その内側の絶望感を浮き彫りにしていて痛々しい。けっきょくのところこの主人公も愛を渇望していて、闘争領域の外に立つことはできないの...続きを読むだから。
初ウエルベックなので読み方が手探りだった。 主人公の「僕」と醜男ティスランが主流になり、恋愛という自由主義を求めて彼らの世界が「拡大」していく。 そう信じていたにも関わらず、その拡大の仕方が頑張れば頑張る程に良くない方向へと転落してしまう。 ウエルベックを読むにあたり、登場人物に同情(共感)する事に...続きを読むよって読み手の世界も拡大していくとあとがきで分かった。 仕事、恋愛、性生活とテーマが3つあるけど、登場人物全てが日常に潜む人間ばかりでよりリアリティを帯びる。 主人公は観察者であり、観察する事により自分の内部で噛み砕いて分析をするけれど、取り込むことはせず、だけど敏感に感じやすい体質なのかマイナス面ではかなり感化されて苦しそうに感じた。 最初はうっすらとだけど進めていくと、その感情や分析が重く苦しいものに様変わりしてしまう。 哲学的描写なのでもっと色々考えたりしたいけど、あと何冊かウエルベックを読まないとそこら辺はなんとも言えない。 確かに面白かったけど、その先にまだまだ何か色んなものが隠されている感じがした。 時には含みを持っていた書き方だったりしたから、作品をもっと読んでそれが何かを加味していきたい一冊だった。
服従を読んでコイツとは全く理解し合えない、と突き放しかけたんだけどちょっぴりそうなのねって寄り添えた
フランスを代表するベストセラー作家であるミシェル・ウエルベックのデビュー作。フランス現代思想のような衒学的なタイトルであるが、その意味するところはシンプルであり、痛切なものだ。 近代の資本主義は、企業やそこで働く個人を市場という絶え間ない闘争領域に追い込んでいく。最初は生産・販売などの経済的活動が...続きを読む闘争領域で繰り広げられたが、止む事のない資本の自己増殖能力は徐々に闘争領域を拡大させていく。その結果、恋愛そしてセックスまでもが闘争領域に飲み込まれていく。 身の回りを見渡してみれば良い。良いセックスができる人間はますますそのチャンスを増大させる一方で、そうした機会が与えらない人間はますますそのチャンスを逃していき、格差が増大していく。 常に現代社会の残酷な一面を切り取り、小説という形態にテーマを昇華させ見事な作品に仕立て上げるウエルベックの方法論はデビュー作からして確立されていた。そうしたことを感じた一冊。
ウェルベック先生的要約は 「自由が進むと、経済的な落伍者が出るように性的落伍者がでるよ。」 「それってとっても苦しいことで、メンタルもやられちゃうよね。」 うん、つらい。
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闘争領域の拡大
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ミシェル・ウエルベック
中村佳子
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