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Posted by ブクログ 2020年05月14日
タイトルから想像されるプロット(暴力的な場面も多いのでは?など)とはまったく違う、どちらかといえば知的な会話や主人公の内省によって展開に、やや意外な印象を受けた。読後、すべては「ぼくは何も後悔しないだろう」というラストに向かっての布石だったと知るのは、ある意味で衝撃的でさえある。
主人公の知人の乗車...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月16日
え?え?と驚いているうちに、状況がどんどん変化していく。
リアリティは半端ない。
背景として人口増と共にイスラム教徒が世界で増加していることもあって、背筋が凍る思いがするディストピア小説だった。とくにジェンダーをめぐっては皮肉と真剣さがない交ぜになって、深く考えさせられる。
最後にソ連崩壊後の世界...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月20日
これはただのSF小説ではない。個人・国家・自由といった概念がこれからどのような変貌を遂げるのか、ウェルベック独自の視点で読者に提示する傑作である。私の理解では、この作品のテーマは先進国における個人主義・自由主義の未来であると考える。重要なのは「服従」というタイトルで、多様性の中で自由を謳歌していた個...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月15日
イスラム化していくフランスを強固な政治的リアリズムで描くという実験的な試みが小説の主軸にはあるが、見落としてはいけないのがユイスマンスの存在。享楽に埋没していた中年男性が精神的にも身体的にも危機に襲われる。
結末にやってくるのが、まさに主人公にとっての救い。
これはまさにユイスマンスの人生そのものと...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月21日
全体的に大きな爆発的なエピソードはなく、ゆっくりと食べ物が腐っていく様を見ているような話だった。
序盤は社会情勢についてどこか他人事で非常に呑気な振る舞いをしているがだんだん自身の生活が変容していき、なすがままに飲み込まれていく様子が異様にリアルだった。
主人公が人生を通しての研究対象としたユイスマ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月14日
ずっと前に書店で『素粒子』というタイトルの文庫本を見つけ、物理学系の読み物かと思ったら小説らしかった。変わった題のを書く作家だなと思い、その後もあちこちでウエルベックの名を見かけたが、ついぞ読まずに過ごしてきた。
やっと初めて読んだのがこの本。
現在のフランスの大統領選で、極右政党とイスラム教系の政...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月25日
"2017年に行われたフランス大統領選では、中道政党であるアン・マルシェのエマニュエル・マクロン候補と、極右政党である国民戦線のマリーヌ・ル・ペン候補の決選投票となり、39歳のエマニュエル・マクロン氏が選ばれ、フランス大統領となった。
本書「服従」では、極右政党と移民系イスラーム政党の決選...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年11月26日
フランスにて極右政党とイスラム穏健派政党が首班を争うことになったら、
という設定のもとに、
大学で教授を務める主人公の姿が描かれる。
政治の動きを実名政治家も用いながら説明しており、
フランス人にとってはかなりリアリティの高い作品なのだろうと思わされる。
正直なところ、読後感はすっきりしない。
こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月28日
西欧文明の行き詰まりからありうる近未来を描くということなのかな。一つの極端な基本的にはなさそうな可能性っていうことなのかもしれないけど、全体的なインテリ限定の世界にいまひとつ入り込めない印象。佐藤優の解説が余計に胡散臭さを感じさせる。この人の作品は初めて読んだけど女性の書き方はなんか酷い。この作品だ...続きを読む
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