小説・文芸 - 新潮文庫作品一覧

  • 雷神(新潮文庫)
    4.1
    あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人(ゆきひと)を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見(ゆみ)から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上(はたがみ)村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。幸人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒まし……。最後の一行まで最上級の驚愕が続くミステリ。(解説・香山二三郎)
  • わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)
    4.0
    1~3巻649~880円 (税込)
    絶対に定時で帰ると心に決めている会社員の東山結衣。非難されることもあるが、彼女にはどうしても残業したくない理由があった。仕事中毒の元婚約者、風邪をひいても休まない同僚、すぐに辞めると言い出す新人……。様々な社員と格闘しながら自分を貫く彼女だが、無茶な仕事を振って部下を潰すと噂のブラック上司が現れて!? 働き方に悩むすべての会社員必読必涙の、全く新しいお仕事小説!
  • ドルチェ
    3.7
    元捜査一課の女刑事・魚住久江、42歳独身。ある理由から一課復帰を拒み、所轄で十年。今は練馬署強行犯係に勤務する。その日、一人の父親から、子供が死亡し母親は行方不明との通報があった。翌日、母親と名乗る女性が出頭したが(「袋(ブクロ)の金魚」)。女子大生が暴漢に襲われた。捜査線上には彼女と不倫関係の大学准教授の名も挙がり……(「ドルチェ」)。所轄を生きる、新・警察小説集第1弾。
  • 掲載禁止 撮影現場(新潮文庫)
    4.1
    不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」……。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。(解説・真梨幸子)
  • 初恋さがし(新潮文庫)
    値引きあり
    3.4
    忘れられないあの人、お探しします。どうか安心してご依頼ください――。高田馬場駅から徒歩5分、所長もスタッフも全員女性のミツコ調査事務所。訪れる依頼人たちが求めているのは、甘酸っぱい思い出の余韻? ふたたび燃え上がる恋心? それとも。眠っていた過去を呼び覚ますとき、怨嗟の血がとめどなく流れる……。秘密と殺意が絡み合い、戦慄のラストへと疾走する、イヤミスの臨界点!
  • 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)(新潮文庫)
    完結
    4.2
    全2巻781~880円 (税込)
    高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
  • 騎士団長殺し―第1部 顕れるイデア編(上)―(新潮文庫)
    完結
    3.8
    全4巻605~693円 (税込)
    一枚の絵が、秘密の扉を開ける――妻と別離し、小田原の海を望む小暗い森の山荘に暮らす36歳の孤独な画家。緑濃い谷の向かいに住む謎めいた白髪の紳士が現れ、主人公に奇妙な出来事が起こり始める。雑木林の中の祠、不思議な鈴の音、古いレコードそして「騎士団長」……想像力と暗喩が織りなす村上春樹の世界へ!
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)
    4.2
    ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス!(解説・池上彰)
  • 名探偵のはらわた(新潮文庫)
    3.7
    「亘(わたる)君、君は真実を語るべきだ」農薬コーラ毒殺魔、局部切断女、そして恐怖の三十人殺し! 昭和史に残る極悪犯罪者たちが地獄の淵から甦(よみがえ)り、現代日本で殺戮の限りを尽くす。空前絶後の惨劇に立ち上がった伝説の名探偵は、推理の力でこの悪夢を止められるのか。「疑え――そして真実を見抜け」二度読み必至の鮮やかな伏線回収、緻密な論理(ロジック)による美しき多重解決。本格ミステリの神髄、ここにあり。(解説・若林踏)
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)
    3.9
    六十歳を前に、離婚して静かに人生の結末を迎えようとブルックリンに帰ってきた主人公ネイサン。わが身を振り返り「人間愚行(フォリーズ)の書」を書く事を思いついたが、街の古本屋で甥のトムと再会してから思いもかけない冒険と幸福な出来事が起こり始める。そして一人の女性と出会って……物語の名手がニューヨークに生きる人間の悲喜劇を温かくウィットに富んだ文章で描いた家族再生の物語。
  • 子供の死を祈る親たち(新潮文庫)
    4.0
    親子間の溝はますます深くなっている。自室に籠もり、自殺すると脅して親を操るようになった息子。中学時代、母親の不用意な一言から人生を狂わせ、やがて覚醒剤から抜け出せなくなった娘。刃物を振り回し、毎月30万も浪費するひきこもりを作ったのは、親の強烈な学歴信仰だった……。数々の実例からどのような子育てが子供の心を潰すのかを徹底的に探る。現代日本の抱える病巣を抉る一冊。
  • イノセント・デイズ(新潮文庫)
    4.2
    田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
  • 室町は今日もハードボイルド―日本中世のアナーキーな世界―(新潮文庫)
    4.3
    日本人は昔から温和なんて大嘘! 僧侶はデスノートで武士を呪い殺し、ゲス不倫には襲撃で報復。暗殺、切腹、えげつない悪口……。私たちが思い描く「日本人像」を根底から覆す、荒々しく図太く、自由に生きる室町人たち。現代の倫理観とは程遠い中世という“異世界”を知り、常識に囚われがちな私たちの心を解放する! 「室町ブーム」の火付け役による痛快・日本史エンタメ! 対談:ヤマザキマリ。
  • 文字渦(新潮文庫)
    3.9
    1巻781円 (税込)
    「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」。始皇帝の陵墓づくりに始まり、道教、仏教、分子生物学、情報科学を縦横に、変化を続ける「文字」を主役として繰り広げられる連作集。文字を闘わせる遊戯に隠された謎、連続殺「字」事件の奇妙な結末、本文から脱出し短編間を渡り歩くルビの旅……。小説の地平を拓く12編、川端康成文学賞・日本SF大賞受賞。(解説・木原善彦)
  • 「私」を受け容れて生きる―父と母の娘―(新潮文庫)
    4.0
    それでも、人生は生きるに値する。彫刻家・舟越保武の長女に生まれ、高村光太郎に「千枝子」と名付けられる。大学を卒業後、絵本の編集者となり、皇后美智子様の講演録『橋をかける』を出版。だが、華々しい成功の陰には、幾多の悲しみがあった。夫の突然死、息子の難病と障害、そして移住した岩手での震災……。どんな困難に遭っても、運命から逃げずに歩み続ける、強くしなやかな自伝エッセイ。(解説・山根基世)
  • 青い鳥
    4.6
    1巻737円 (税込)
    村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒──後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。
  • 破船
    4.3
    1巻528円 (税込)
    二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。けれども、中の者は皆死に絶えており、骸が着けていた揃いの赤い着物を分配後まもなく、恐ろしい出来事が起った……。嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、積荷を奪い取る――僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。

    試し読み

    フォロー
  • かくも水深き不在(新潮文庫)
    値引きあり
    3.2
    森に包まれた廃墟の洋館で次々と鬼に変化(へんげ)していく仲間たち。何故か見るだけで激しい恐怖に襲われるCM。想い人のストーカーを追及する男の狂気。大御所芸人の娘を狙った不可解な誘拐事件。浮かび現われては消える4つの物語は、異能の精神科医・天野の出現により誰も見たことのない局面へと変容していく。全ての謎を看破する超越的論理(ロジック)と幻想の融合で煌めく、めくるめく万華鏡(カレイドスコープ)を体感せよ!
  • 三十光年の星たち(上)
    4.5
    1~2巻693円 (税込)
    彼女にも逃げられ、親からも勘当された無職の青年、坪木仁志は謹厳な金貸しの老人、佐伯平蔵の運転手として、丹後・久美浜に向かった。乏しい生活費から毎月数千円を三十二年に渡って佐伯に返済し続けた女性に会うためだった。そこで仁志は本物の森を作るという運動に参加することになるのだが──。若者の再起と生きることの本当の意味を、圧倒的な感動とともに紡ぎ出す傑作長編。
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)
    4.3
    人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。ぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。(解説・日野剛広)
  • ラッシュライフ
    4.1
    泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

    試し読み

    フォロー
  • 車輪の下
    4.0
    ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説。
  • 香乱記(一~四)合本版(新潮文庫)
    -
    悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、いずれも王となると予言。末弟の田横には、七星を捜しあてよという言葉を残す。秦の中央集権下では、王は存在しえない。始皇帝の身に何かが起こるのか。田横は、県令と郡監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが……。楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『香乱記』一~四巻をまとめた合本版です。
  • 約束の海
    4.0
    海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が出る惨事に。マスコミの批判、遺族対応、海難審判……若き乗組員・花巻朔太郎二尉は苛酷な試練に直面する。真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第一号となった旧帝国海軍少尉を父に持つ花巻。時代に翻弄され、抗う父子百年の物語が幕を開ける。自衛隊とは、平和とは、戦争とは。構想三十年、国民作家が遺した最後の傑作長篇小説。
  • 龍神の雨
    3.7
    添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。――そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? あなたの胸に永劫に刻まれるミステリ。大藪春彦賞受賞作。
  • 乱鴉の島(新潮文庫)
    3.9
    犯罪社会学者の火村英生は、友人の有栖川有栖と旅に出て、手違いで目的地と違う島に送られる。人気もなく、無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱なその島に隠棲する、高名な老詩人。彼の別荘に集まりくる謎めいた人々。島を覆う死の気配。不可思議な連続殺人。孤島という異界に潜む恐るべき「魔」に、火村の精緻なロジックとアクロバティックな推理が迫る。本格ミステリの醍醐味溢れる力作長編。(解説・村上貴史)
  • 軍艦長門の生涯(上中下) 合本版
    5.0
    総排水量4万3千トン、40サンチ砲8門搭載、最高速力26.7ノット。世界最大・最強・最高速の戦艦としてその威容を誇った軍艦長門は、帝国海軍の栄光と矛盾を一身に背負って激動の大正・昭和期を生きた。連合艦隊が壊滅し、ただ一隻生き残った長門を、敗戦後待ちうけていたのは劇的な終焉……。一隻の軍艦の生涯を通して今よみがえる、“あの時代”の日本と日本人の一大スペクタクル! ※当電子版は『軍艦長門の生涯』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 幽霊たち(新潮文庫)
    3.9
    私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何の変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー……。'80年代アメリカ文学の代表的作品!(解説・伊井直行/三浦雅士)
  • 躁鬱大学―気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません―(新潮文庫)
    4.6
    今日も仕事で失敗してしまった。自分は何もできない……と悩んでいても自分が苦しくなるだけ。やりたくないことは一切やらず、苦手なことには手を出さず、できることがもっともっとできるようになって、むちゃくちゃ褒められるほうが心地良いじゃないか。人生ボチボチ、努力は敵、今のままで大丈夫。気分の浮き沈みの激しさに苦しんだ著者が発見した、愉快にラクに生きる技術を徹底講義。
  • 落日燃ゆ
    4.5
    東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅。戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共に処刑されるという運命に直面させられた広田。そしてそれを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら抑制した筆致で克明にたどる。毎日出版文化賞・吉川英治文学賞受賞。

    試し読み

    フォロー
  • 新田義貞(上)
    -
    ともに源氏の嫡流でありながら、かたや足利氏の女(むすめ)を室(しつ)としてむかえる園田庄と、無位無冠の新田庄とは、上野国で代々、水争いを続けていた。元弘2年(1322年)新田家8代の小太郎義貞は、京都大番役の役目をはたして帰郷の折、鎌倉に立ち寄り足利氏の面々を訪れる。足利尊氏や楠正成の陰に隠れながら、源氏再興の夢を賭けた悲運の武将の生涯を活写する。山岳小説の名手が書き上げた傑作時代小説(全2冊)。

    試し読み

    フォロー
  • 新任巡査(上)(新潮文庫)
    値引きあり
    4.0
    1~2巻515~781円 (税込)
    上原頼音(ライト)、22歳。職業、今日から警察官。はじめての24時間交番勤務。立番・巡回連絡・職務質問・無線の使い方・出前の取り方……「バカヤロウ」と何度も怒鳴られながら、組織で働く社会人としての、そして地域を守る警察官としての心構えをたたき込まれる。そんな新米巡査の日常の中に、少女連続行方不明事件の手がかりが潜んでいた。圧倒的な熱量とリアリティで描き出す“警察お仕事小説”。
  • 砂の女(新潮文庫)
    4.0
    砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)
  • 夜のピクニック
    4.3
    1巻781円 (税込)
    高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
  • ポー短編集(Ⅰ~Ⅲ)合本版(新潮文庫)
    -
    詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。(『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―』の内容紹介文より) ※当電子版は新潮文庫版『ポー短編集』シリーズⅠ~Ⅲをまとめた合本版です。
  • 罪と罰(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。 ※当電子版は新潮文庫版『罪と罰』上下巻をまとめた合本版です。
  • きみはポラリス(新潮文庫)
    3.6
    どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている――。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。(解説・中村うさぎ)
  • ツナグ(新潮文庫)
    4.3
    一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。
  • レ・ミゼラブル(一)
    4.3
    1~5巻737~979円 (税込)
    わずか一片のパンを盗んだために、19年間の監獄生活を送ることになった男、ジャン・ヴァルジャンの生涯。19世紀前半、革命と政変で動揺するフランス社会と民衆の生活を背景に、キリスト教的な真実の愛を描いた叙事詩的な大長編小説。本書はその第一部「ファンチーヌ」。ある司教の教えのもとに改心したジャンは、マドレーヌと名のって巨富と名声を得、市長にまで登りつめたが……。
  • オーデュボンの祈り
    4.1
    コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 伊坂幸太郎、伝説のデビュー作見参!
  • 君が夏を走らせる(新潮文庫)
    4.5
    ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて――。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。(解説・あさのあつこ)
  • おとうと(新潮文庫)
    3.9
    1巻605円 (税込)
    高名な作家で、自分の仕事に没頭している父、悪意はないが冷たい継母、夫婦仲もよくはなく、経済状態もよくない。そんな家庭の中で十七歳のげんは三つ違いの弟に、母親のようないたわりをしめしているが、弟はまもなくくずれた毎日をおくるようになり、結核にかかってしまう。事実をふまえて、不良少年とよばれ若くして亡くなった弟への深い愛惜の情をこめた看病と終焉の記録。(解説・篠田一士)
  • 新三河物語(上中下)合本版(新潮文庫)
    -
    永禄3年(1560年)、織田信長の急襲に遭って、今川義元は桶狭間に斃れた。義元に頤使されていた松平元康(家康)は父祖の地、西三河は岡崎城に戻り、悲願の独立を果たす。だが息継ぐ間もなく、一向一揆が勃発。血縁者が敵味方に分かれ、相争う国力消耗の未曾有の事態から家康を救ったのは大久保忠俊(常源)だった。忠俊率いる大久保一党の決死の進退が深く胸を打つ戦国歴史小説の巨編。 ※当電子版は新潮文庫版『新三河物語』上中下巻をまとめた合本版です。
  • 硝子の葦(新潮文庫)
    3.9
    道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出す――。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)
  • でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相―
    4.1
    「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教諭は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。
  • シーシュポスの神話(新潮文庫)
    3.9
    神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさまに転がり落ちてしまう。――本書はこのギリシア神話に寓してその根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもので、カミュの他の作品ならびに彼の自由の証人としてのさまざまな発言を根底的に支えている立場が明らかにされている。
  • 豆の上で眠る(新潮文庫)
    3.7
    小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微(かす)かな違和感を抱き続けている。――お姉ちゃん、あなたは本物なの? 辿り着いた真実に足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー。(解説・宇田川拓也)
  • 魔の山(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    第一次大戦前、ハンブルク生れの青年ハンス・カストルプはスイス高原ダヴォスのサナトリウムで療養生活を送る。無垢な青年が、ロシア婦人ショーシャを愛し、理性と道徳に絶対の信頼を置く民主主義者セテムブリーニ、独裁によって神の国をうち樹てようとする虚無主義者ナフタ等と知り合い自己を形成してゆく過程を描き、“人間”と“人生”の真相を追究したドイツ教養小説の大作。 ※当電子版は新潮文庫版『魔の山』上下巻をまとめた合本版です。
  • うちの子が結婚しないので(新潮文庫)
    4.0
    老後の準備を考え始めた千賀子は、ふと一人娘の将来が心配になる。 28歳独身、彼氏の気配なし。自分たち親の死後、娘こそ孤独な老後を送るんじゃ……? 不安を抱えた千賀子は、親同士が子供の代わりに見合いをする「親婚活」を知り参加することに。しかし嫁を家政婦扱いする年配の親、家の格の差で見下すセレブ親など、現実は厳しい。果たして娘の良縁は見つかるか。親婚活サバイバル小説!
  • いとみち(新潮文庫)
    4.2
    1~3巻693~737円 (税込)
    相馬いと。青森の高校に通う16歳。人見知りを直すため、思い切ってはじめたアルバイトは、なんとメイドカフェ。津軽訛りのせいで挨拶も上手に言えず、ドジばかりのいとだったが、シングルマザーの幸子やお調子者の智美ら先輩に鍛えられ、少しずつ前進していく。なのに! メイドカフェに閉店の危機が~~。初々しさ炸裂、誰もが応援したくなる最高にキュートなヒロインの登場です。
  • あと少し、もう少し
    4.4
    陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。
  • 出版禁止(新潮文庫)
    3.7
    著者・長江俊和が手にしたのは、いわくつきの原稿だった。題名は「カミュの刺客」、執筆者はライターの若橋呉成。内容は、有名なドキュメンタリー作家と心中し、生き残った新藤七緒への独占インタビューだった。死の匂いが立ちこめる山荘、心中のすべてを記録したビデオ。不倫の果ての悲劇なのか。なぜ女だけが生還したのか。息を呑む展開、恐るべきどんでん返し。異形の傑作ミステリー。
  • 仇討検校(新潮文庫)
    値引きあり
    3.3
    1巻770円 (税込)
    鍼灸道を確立し、五代将軍綱吉の御殿医にまで登りつめた鍼聖・杉山検校。じつは、贋者だった!? 一度でも人を斬り殺したものは、血塗られた仇討の連鎖からは逃れられないのか。怨念の呪縛に囚われ、自らを偽り、仕込み杖を携え盲目を装い、因果の大渦から逃げ続けた恩讐の彼方に、その目が見たものは――。目眩くほど壮絶な八十五年の生涯を描く、一気読み必至の大作。『見返り検校』改題。(解説・細谷正充)
  • スカラムーシュ・ムーン(新潮文庫)【電子特典付き】
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    新型インフルエンザ騒動で激震した浪速の街を、新たな危機が襲う。今度は「ワクチン戦争」が勃発しようとしていた――霞が関の陰謀を察知した異端の医師・彦根新吾は、ワクチン製造に必要な鶏卵を求めて加賀へ飛び、さらに資金調達のために欧州へと旅立つ。果たして、彦根が挑む大勝負は功を奏するのか? 浪速の、そして日本の医療の危機を救えるのか。メディカル・エンタメの最高傑作! ※【電子版あとがき】をはじめ、ストーリー上の出来事が一目でわかる【桜宮年表】や【作品相関図】、小説・ノンフィクション作品の【海堂尊・全著作リスト】、小説作品の【「桜宮サーガ」年代順リスト】など数々の電子版特典を巻末に収録!
  • 警官の条件
    4.1
    警部に昇任し、組織犯罪対策部第一課の係長に抜擢された、安城和也。彼は自らのチームを指揮し、覚醒剤の新たな流通ルートを解明しようと奮闘していたが、過程で重大な失策を犯してしまう。重苦しいムードに包まれる警視庁に、あの男が帰ってきた。かつて、“悪徳警官”として石もて追われたはずの、加賀谷仁が! 警察小説の頂点に燦然と輝く『警官の血』──白熱と慟哭の、第二章。
  • 異邦人(新潮文庫)
    4.2
    母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。(解説・白井浩司)
  • 桜田門外ノ変(上)
    4.0
    安政七年(1860)三月三日、雪にけむる江戸城桜田門外に轟いた一発の銃声と激しい斬りあいが、幕末の日本に大きな転機をもたらした。安政の大獄、無勅許の開国等で独断専行する井伊大老を暗殺したこの事件を機に、水戸藩におこって幕政改革をめざした尊王攘夷思想は、倒幕運動へと変わっていく。襲撃現場の指揮者・関鉄之介を主人公に、桜田事変の全貌を描ききった歴史小説の大作。
  • 風が強く吹いている(新潮文庫)
    4.7
    箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。(解説・最相葉月)
  • 七瀬ふたたび(新潮文庫)
    4.1
    生まれながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生まれてはじめて同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持ち主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と壮絶なバトルを繰り広げる!

    試し読み

    フォロー
  • ハンニバル・ライジング(上)(新潮文庫)
    3.4
    1941年、リトアニア。ナチスは乾坤一擲のバルバロッサ作戦を開始し、レクター一家も居城から狩猟ロッジへと避難する。彼らは3年半生き延びたものの、優勢に転じたソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれて両親は死亡。残された12歳のハンニバルと妹ミーシャの哀しみも癒えぬその夜、ロッジを襲ったのは飢えた対独協力者の一味だった……。ついに明かされる、稀代の怪物の生成過程!
  • イヤシノウタ(新潮文庫)
    4.0
    なんていうことのない日々に宿る奇跡のような瞬間、かけがえのない記憶。土地がもたらす力、自然とともに生きる意味。運命的な出会い。男女とは、愛とは。お金や不安に翻弄されず生きるには? そして命と死を見つめるなかで知った、この世界の神秘とは──。研ぎ澄まされた文章と人生を見つめるまなざしが光る81篇。父・吉本隆明との対談「書くことと生きることは同じじゃないか」収録。
  • 個人的な体験
    4.0
    わが子が頭部に異常をそなえて生れてきたと知らされて、アフリカへの冒険旅行を夢みていた鳥(バード)は、深甚な恐怖感に囚われた。嬰児の死を願って火見子と性の逸楽に耽ける背徳と絶望の日々……。狂気の淵に瀕した現代人に、再生の希望はあるのか? 暗澹たる地獄廻りの果てに自らの運命を引き受けるに至った青年の魂の遍歴を描破して、大江文学の新展開を告知した記念碑的な書下ろし長編。
  • イエスの生涯
    4.3
    英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。
  • 天国はまだ遠く
    4.2
    加藤ローサ、徳井義実(チュートリアル)主演の映画原作。もう、これ以上あの日々を続けることには耐えられない。上司のお小言。同僚の嫌味。毎日の生活。これを飲めば、あの日々から解放されるのだ。それを思えば、死ぬことなんて怖くない。そう言い聞かせ、睡眠薬を飲んだ私は、布団に入り固く眼を閉じた――。が、目覚めは爽快。やばい。すごくやばい。しくじってしまった。自殺は失敗だ!! どうすればいいんだろう……!? 無器用にしか生きられないあなたに贈る清爽な旅立ちの物語。

    試し読み

    フォロー
  • オペラ座の怪人(新潮文庫)
    4.0
    19世紀末、夜ごと流麗な舞台が繰り広げられるパリの花、オペラ座。その地下深くには奇怪な事件を巻き起こす怪人が棲み着いていると噂されていた。怪人は若く可憐なクリスティーヌに夜毎歌の手ほどきを授けていたが、歌姫に想いを寄せる幼馴染の子爵との仲に嫉妬しクリスティーヌを誘拐。結婚を迫り、拒否すればオペラ座を爆破すると脅すのだった……。ホラー小説の先駆けと名高い世紀の名作。(解説・岡田暁生)
  • 代替医療解剖
    4.4
    ワシントンは血を抜かれすぎて死んだ。瀉血が信じられていたからだ。壊血病患者は重労働を課された。ビタミンCが未知だったために。ナイチンゲールの登場以降、医療効果を科学的に測定しようという試みは、2000年代、ついに代替医療へと──。鍼、カイロ、ホメオパシー他の最新の科学的評価とは? 知られざる逸話とともに語られる、代替医療の真実。『代替医療のトリック』改題。
  • 逃亡(上)
    4.5
    1~2巻869~924円 (税込)
    1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞。
  • ドッグ・メーカー―警視庁人事一課監察係 黒滝誠治―(新潮文庫)
    3.9
    黒滝誠治警部補、非合法な手段を辞さず、数々の事件を解決してきた元凄腕刑事。現在は人事一課に所属している。ひと月前、赤坂署の悪徳刑事を内偵中の同僚が何者かに殺害された。黒滝は、希代の“寝業師”白幡警務部長、美しくも苛烈なキャリア相馬美貴の命を受け、捜査を開始する。その行く手は修羅道へと繋がっていた。猛毒を以て巨悪を倒す。最も危険な監察が警察小説の新たな扉を開く。
  • 結婚詐欺師(上)
    3.8
    1~2巻539~605円 (税込)
    橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。やがて松川学という前科者が浮上、身元の確認に追われる。一方、橋口はゴルフ練習場で見つけた女性に次の狙いを定めた――。
  • 午後の恐竜
    3.9
    現代社会に突然出現した巨大な恐竜の群れ。蜃気楼か? 集団幻覚か? それとも立体テレビの放映でも始まったのか?──地球の運命をシニカルに描く表題作。ティーチング・マシンになった教育ママ、体中に極彩色の模様ができた前衛芸術家、核爆弾になった大臣――偏執と狂気の世界をユーモラスに描く『狂的体質』。ほかに、『戦う人』『契約時代』『理想的販売法』『幸運のベル』など全11編。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 私という病
    4.3
    「どうして私は、女であることを、おおらかに正々堂々と楽しめないのか」――男に負けないよう必死で手に入れた「勝ち組」の称号が、恋愛マーケットでは惨めな「負け組」と見なされる。愛されたい、だけど見返してやりたい……相反した女の欲情を抱いた作家が叩いた扉は、新宿歌舞伎町・熟女ヘルス。過激な〈実体験主義〉に潜む、普遍的な「女」の苦しみに肉体ごと挑んだ、戦いと絶望の全記録!
  • 銀花の蔵(新潮文庫)
    4.1
    私は、この醤油蔵の当主になる! 大阪万博前夜。父の実家である奈良の由緒ある醤油蔵で暮らすことになった少女、銀花。蔵を切り盛りする祖母の多鶴子ら一家に馴染もうとするが、母の盗癖、祖母と父の不仲、自らの出生に関する真実に悩む。やがて成長し蔵を継ぐため奮闘する銀花は、一族の秘められた過去を知ることに――。家業に身を捧げ、新たな家族を築く女性の半生を力強く描く長編小説。(解説・大矢博子)
  • 漂流(新潮文庫)
    4.7
    1994年冬、沖縄のマグロ漁師・本村実はフィリピン人船員らとともに37日間海上を漂流した後、奇跡の生還を遂げた。だが8年後、本村は再び漁に出て、今度は二度と戻らなかった……。命を落としかけたにもかかわらず、なぜまた海へ向かったのか? 著者は本村の後姿を追って沖縄、グアム、フィリピンを彷徨い歩く。国境などないかのように生きる海民の声を聴くうちに見えてきたものとは――。(解説・真藤順丈)
  • ひみつの王国―評伝 石井桃子―(新潮文庫)
    4.6
    ノンちゃん雲に乗る、クマのプーさん、ピーター・ラビットなど作家・翻訳者・編集者として幾多の名作を世に送り出し、溢れる才能のすべてを「子ども時代の幸福」に捧げた101年の生涯。200時間に及ぶインタビューや書簡、綿密な取材をもとに、戦前戦中の活動や私生活にも迫る。子どもの本で人々を勇気づけ、児童文学の星座で強い光をはなつ石井桃子の稀有な人生を描いた、初の本格評伝。(解説・川本三郎) ※当電子版には、新潮文庫版に掲載の写真の一部は収録しておりません。ご了承ください。
  • ノックの音が
    3.9
    1巻473円 (税込)
    ノックの音とともに、二日酔いの男の部屋にあらわれた見知らぬ美女。親しげにふるまう彼女の正体は? いったい、だれのところへ、どんな人が訪れてきたのか。その目的は。これから部屋の中で、どんなことがおこるのか……。サスペンス、スリラーからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスで描く15のショートショート。
  • 雑司ヶ谷R.I.P.(新潮文庫)
    4.2
    “雑司ヶ谷の妖怪”こと、泰幸会教祖・大河内泰が死んだ。享年102。葬儀に参列するため中国から帰国した俺を待っていたのは、ババアが書き残した謎の遺書。教祖のイスと莫大な財産は俺の父親に譲るというが、親父ならとっくに死んでいる。ババアの魂胆は何か? 初代教祖の戦前戦後の過去と、二代目就任をめぐる抗争劇の現代が交錯する、衝撃の問題作「雑司ヶ谷」シリーズ第二弾。
  • 若きウェルテルの悩み
    4.0
    ゲーテ自身の絶望的な恋の体験を作品化した書簡体小説で、ウェルテルの名が、恋する純情多感な青年の代名詞となっている古典的名作である。許婚者のいる美貌の女性ロッテを恋したウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知って苦悩の果てに自殺する……。多くの人々が通過する青春の危機を心理的に深く追究し、人間の生き方そのものを描いた点で時代の制約をこえる普遍性をもつ。

    試し読み

    フォロー
  • ボヴァリー夫人
    3.9
    娘時代に恋愛小説を読み耽った美しいエンマは、田舎医者シャルルとの退屈な新婚生活に倦んでいた。やがてエンマは夫の目を盗んで、色男のロドルフや青年書記レオンとの情事にのめりこみ莫大な借金を残して服毒自殺を遂げる。一地方のありふれた姦通事件を、芸術に昇華させたフランス近代小説の金字塔を、徹底した推敲を施した原文の息づかいそのままに日本語に再現した決定版新訳。
  • 加田伶太郎全集
    値引きあり
    3.0
    福永武彦が加田伶太郎のペンネームで発表した「完全犯罪」「幽霊事件」「温室事件」「失踪事件」「電話事件」「眠りの誘惑」「湖畔事件」「赤い靴」の傑作探偵小説8編に、随筆「素人探偵誕生記」を併せ収めた異色の一巻。文化大学古典文学科の助教授で、自ら安楽椅子探偵を以て任ずる伊丹英典氏は、ワトソン役の研究室助手久木進君を伴い、お得意の分析力・想像力・論理力を駆使して、あわや迷宮入りかと思われた難事件・怪事件を颯爽と解決する。
  • アメリカン・スクール
    4.2
    占領下の時代に、アメリカ人の学校を参観しに出かけた日本の中学校教員の、貧しく、それゆえにも滑稽な姿を描いて、芥川賞を受賞した「アメリカン・スクール」。ほかに、現代の複雑な世相を、批評精神に貫かれた知的感覚で捉え、人間ドラマを深味のあるユーモアと鋭く深く屈折した諷刺で描いた小島文学初期の傑作「汽車の中」「燕京大学部隊」「小銃」「星」「微笑」「馬」「鬼」を収める。
  • 一死、大罪を謝す─陸軍大臣阿南惟幾─
    -
    昭和二十年八月十五日朝、劇的な自決を遂げた陸相・阿南惟幾。帝国陸軍の典型的軍人として平凡な道を歩んでいた彼は、突然、その生涯最後の四カ月、歴史の表舞台に引き出された。巨大な組織の統率者として敗戦へ向う過程で、彼は何を考え、何を為そうとしたのか。――一切を語らず自決した軍人・阿南惟幾の行動を緻密にたどり、歴史の事実として捉えた、帝国陸軍の擡頭と崩壊の日。
  • クジラアタマの王様(新潮文庫)
    3.9
    記憶の片隅に残る、しかし、覚えていない「夢」。自分は何かと戦っている?――製菓会社の広報部署で働く岸は、商品への異物混入問い合わせを先輩から引き継いだことを皮切りに様々なトラブルに見舞われる。悪意、非難、罵倒。感情をぶつけられ、疲れ果てる岸だったが、とある議員の登場で状況が変わる。そして、そこには思いもよらぬ「繋がり」があり……。伊坂マジック、鮮やかなる新境地。(解説・川原礫)
  • けさくしゃ(新潮文庫)
    3.6
    1巻825円 (税込)
    腕っぷしは弱いが、見た目は役者と見紛うばかりのいい男。柳亭種彦は二百俵取りのお殿様で、暇を持て余す趣味人だ。その読み手を楽しませる才能を見込んだ版元の山青堂は、彼の戯作で一山当てようと目論む。渋々ながらも書き始めた種彦。すぐに戯作の虜になるが、世に出した作品がその身を危うくする……。実在した流行作家の若き姿と、本を愛おしむ仲間たちとの痛快な活躍を描く。(解説・新井見枝香)
  • 殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―
    4.4
    5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか? なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか? 執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。
  • 捨ててこそ 空也(新潮文庫)
    4.0
    平安時代半ば、醍醐天皇の皇子ながら寵愛を受けられず、都を出奔した空也。野辺の骸を弔いつつ、市井に生きる聖(ひじり)となった空也は、西国から坂東へ、ひたすら仏の救いと生きる意味を探し求めていく。悪人は救われないのか。救われたい思いも我欲ではないか。「欲も恨みもすべて捨てよ」と説き続けた空也が、最後に母を許したとき奇跡が起きる。親鸞聖人と一遍上人の先駆をなした聖の感動の生涯。 ※文庫版に収録の「虚実のおもしろさ、仏教の核心」(ひろさちや)は、電子書籍版には収録しておりません。
  • ちょちょら(新潮文庫)
    4.0
    1巻825円 (税込)
    間野新之介は、兄の自刃を受けて、多々良木藩の江戸留守居役を引き継いだ。先輩の留守居役たちにしごかれながら、幕府と藩の橋渡し役として、接待や付け届け、情報戦に明け暮れる日々。そんなとき新之介は、多大な負担を強いる「お手伝い普請」の情報を得る。困窮する藩のため、何としてでもこれを逃れたい――。兄の死の謎や思い人の運命に悩みつつ奔走する、若き藩士の痛快奮闘記。(解説・立川談四楼)
  • パラサイト・イヴ
    3.7
    事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。Eve1と名付けられたその細胞は、恐るべき未知の生命体へと変貌し、利明を求めて暴走をはじめる――。空前絶後の着想と圧倒的迫力に満ちた描写で、読書界を席巻したバイオ・ホラー小説の傑作。

    試し読み

    フォロー
  • 孤高の人(上下)合本版(新潮文庫)
    4.7
    1巻1,474円 (税込)
    昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。 ※当電子版は新潮文庫版『孤高の人』上下巻をまとめた合本版です。
  • 女系家族(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,386円 (税込)
    大阪・船場の老舗矢島家は代々跡継ぎ娘に養子婿をとる女系の家筋。その四代目嘉蔵が亡くなって、出もどりの長女藤代、養子婿をむかえた次女千寿、料理教室にかよう三女雛子をはじめ親戚一同の前で、番頭の宇市が遺言書を読み上げる。そこには莫大な遺産の配分方法ばかりでなく、嘉蔵の隠し女の事まで認められていた。……遺産相続争いを通し人間のエゴと欲望を赤裸々に抉る長編小説。 ※当電子版は新潮文庫版『女系家族』上下巻をまとめた合本版です。
  • チップス先生、さようなら
    4.0
    霧深い夕暮れ、煖炉の前に座って回想にふけるチップス先生の胸に、ブルックフィールド校での六十余年の楽しい思い出が去来する――。腕白だが礼儀正しい学生たちとの愉快な毎日、美しく聡明だった亡き妻、大戦当時の緊迫した明け暮れ……。厳格な反面、ユーモアに満ちた英国人気質の愛すべき老教師と、イギリスの代表的なパブリック・スクールの生活を描いて絶賛された不朽の名作。
  • 雄気堂々(上下)合本版(新潮文庫)
    -
    1巻1,452円 (税込)
    近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊皇攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼打ちを企てるが、中止に終った後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。 ※当電子版は新潮文庫版『雄気堂々』上下巻をまとめた合本版です。
  • 羆嵐
    4.4
    1巻440円 (税込)
    北海道天塩山麓の開拓村を突然恐怖の渦に巻込んだ一頭の羆の出現! 日本獣害史上最大の惨事は大正4年12月に起った。冬眠の時期を逸した羆が、わずか2日間に6人の男女を殺害したのである。鮮血に染まる雪、羆を潜める闇、人骨を齧る不気味な音……。自然の猛威の前で、なす術のない人間たちと、ただ一人沈着に羆と対決する老練な猟師の姿を浮彫りにする、ドキュメンタリー長編。

    試し読み

    フォロー
  • 原色の街・驟雨
    3.6
    見知らぬ女がやすやすと体を開く奇怪な街。空襲で両親を失いこの街に流れついた女学校出の娼婦あけみと汽船会社の社員元木との交わりをとおし、肉体という確かなものと精神という不確かなものとの相関をさぐった「原色の街」。散文としての処女作「薔薇販売人」、芥川賞受賞の「驟雨」など全5編。性を通じて、人間の生を追究した吉行文学の出発点をつぶさにつたえる初期傑作集。
  • 同時代ゲーム
    4.3
    海に向って追放された武士の集団が、川を遡って、四国の山奥に《村=国=家=小宇宙》を創建し、長い〈自由時代〉のあと、大日本帝国と全面戦争に突入した!? 壊す人、アポ爺、ペリ爺、オシコメ、シリメ、「木から降りん人」等々、奇体な人物を操り出しながら、父=神主の息子〈僕〉が双生児の妹に向けて語る、一族の神話と歴史。得意な作家的想像力が構築した、現代文学の収穫1000枚。
  • 掌の小説
    4.1
    唯一の肉親である祖父の火葬を扱った自伝的な「骨拾い」、町へ売られていく娘が母親の情けで恋人のバス運転手と一夜を過す「有難う」など、豊富な詩情と清新でデリケートな感覚、そしてあくまで非情な人生観によって独自な作風を打ち立てた著者の、その詩情のしたたりとも言うべき“掌編小説”122編を収録した。若い日から四十余年にわたって書き続けられた、川端文学の精華である。

    試し読み

    フォロー
  • 禁猟区
    値引きあり
    3.5
    ホストにいれあげている中年女・若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。直子の職業は、警察官だった──。犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事一課調査二係。女性監察官沼尻いくみの活躍を描く傑作警察小説四編。
  • 蒼き狼
    4.0
    1巻781円 (税込)
    風の如く蹂躙せよ。嵐の如く略奪せよ。世界史上未曾有の英雄、成吉思汗即位八百年! 遊牧民の一部族の首長の子として生れた鉄木真=成吉思汗(テムジン=チンギスカン)は、他民族と激しい闘争をくり返しながら、やがて全蒙古を統一し、ヨーロッパにまで及ぶ遠征を企てる。六十五歳で没するまで、ひたすら敵を求め、侵略と掠奪を続けた彼のあくなき征服欲はどこから来るのか?――アジアの生んだ一代の英雄が史上空前の大帝国を築き上げるまでの波瀾に満ちた生涯を描く雄編。
  • 裏庭(新潮文庫)
    4.0
    昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた――教えよう、君に、と。少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。(解説・河合隼雄)
  • 風と共に去りぬ 第1巻
    4.2
    アメリカ南部の大農園〈タラ〉に生まれたスカーレット・オハラは16歳。輝くような若さと美しさを満喫し、激しい気性だが言い寄る男には事欠かなかった。しかし、想いを寄せるアシュリがメラニーと結婚すると聞いて自棄になり、別の男と結婚したのも束の間、南北戦争が勃発。スカーレットの怒濤の人生が幕を開ける――。小説・映画で世界を席巻した永遠のベストセラーが新訳で蘇る!
  • 下天を謀る(上)
    4.2
    「その日を死に番と心得るべし」との覚悟で幾多の合戦を生き抜いた藤堂高虎。織田信長亡き後、豊臣家に三顧の礼を持って迎え入れられるが、秀吉は茶々との愛欲に溺れ、天下人としての資質を失っていく。落胆した高虎は一時出家さえ試みるが、徳川家康から届いた一通の手紙に心を動かされ、再び下天を謀る決意を固める──。「戦国最強」との誉れ高い異能の武将を描く本格歴史小説。

最近チェックした本