作品一覧
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3.8天下の奇人か、稀代の天才か―― 日本中を漂流した男・平賀源内の死の謎に迫る! 「平賀源内は晩年に殺人事件を起こし、その罪を問われて伝馬町の牢屋敷で獄死した。ショッキングだけど、歴史上は確かにそういうことになっている。 しかし本書は、その史実を鵜呑みにしていいのか、磊落な天才の人生の行き着く先に、他の希望の道はなかったのだろうかと問いかける物語だ。ラストの二行が胸にしみる」 ――宮部みゆき 「読売新聞」2020年4月19日付 身分は侍、本業は本草学者。医学や蘭学、鉱物の知識にも明るく、戯作者、発明家といったよろずの才を持つ平賀源内。ある朝、彼が自宅で目を覚ますと、部屋には男の亡骸が転がっていた。知らせを受けて駆けつけた杉田玄白の前には、脇差を手に持ち、茫然自失とする源内の姿があり、記憶がないとただ首を振るばかり……。稀代の天才の身にいったい何があったのか。 (著者プロフィール) 乾緑郎 1971年、東京都生まれ。2010年に『完全なる首長竜の日』で第9回『このミステリーがすごい!』大賞を、『忍び外伝』で第2回朝日時代小説大賞を受賞。他の著書に「鷹野鍼灸院の事件簿」シリーズ、「機巧のイヴ」シリーズ、『愚か者の島』など。
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
スピンオフをアンソロジーで読んで、面白かったので本編を購入。奥深い、味わい深い面白さ。
生身の人間と変わらない外見や動きを備えた機械人形が存在するようなSF性と、武士や忍びが活躍する江戸風の舞台。歯車やバネがみっしり詰まっているのに、関取に想いを寄せたり願掛けをする人形。由来も仕組みも説明のつかない、この時代の中で浮いた存在である伊武に、久蔵も甚内も惹かれているが、伊武自身が何か行動して物語が動くわけではない、というところも良かった。信じたり欺いたり、助けたり殺したり・・・動いてかき回すのは人間だ。だから行動に破綻や不可解さはなく、時代小説のように読んでいける。SFに寄りすぎていないバランスが -
Posted by ブクログ
ネタバレ機巧のイヴシリーズ完結編。
シリーズを読み終え、今後、日本で本作を超えるSF物語が生まれるのだろうか...
それ程の余韻に浸れる作品でした。
大きく分けると大正時代と昭和初期を彷彿させる時代設定での二部構成。
大正時代と言えば何を思い浮かべますか?
大正浪漫、ハイカラさん、そうです、全部入ってます(笑)
しかも、前作から主要登場人物は変わらず、舞台は日下國へ。
おかっぱ頭で袴を履き自転車に乗るイヴ、想像したら思わず吹き出しそうになりました。
そして後半は舞台を大陸の新国家・如州へと移ります。
ここではイヴの女学校時代の友人・ナオミの秘密が明かされると共に、イヴとナオミの側にいた多く