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Posted by ブクログ
語り手が話していることは現実か非現実か、それを対比させながら物語を進める。
このミス大賞「完全なる首長竜の日」の作者、乾緑郎の話の進め方は読み手を物語へ引き込む力が強い。
写真学校へ通いながら裸婦モデルのバイトをしている千佳、
近頃の物忘れの激しさから検査をすると若年性アルツハイマーと診断された中年女性、君枝、
そして東京から二時間ほどの温泉街の奥にある廃ホテルの一室を住みかとする記憶をなくした男。
この三人の視点から物語は進む。
三人が語る日常は、日常生活そのものなのだが、どこか違和感を感じるような、その違和感に物語は緊張で張りつめる。
廃ホテルの一室で見つかった白骨死体は現実なのか、過去なのか、記憶なのか。
どこに進んでいるのか見えてこない霧の中を歩いているような、この作者の本はそんな感覚を呼び起こす。
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