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桟敷席を予約し続ける謎の人物の噂が立つ江戸市村座。女形瀬川菊之丞、戯作者平賀源内、二代目市川團十郎、講談師深井志道軒、広島藩士稲生武太夫、大奥御年寄江島、さる公卿とその妹らを巻き込み、芝居小屋の地下で蠢く時を超えた怨讐、恋着、役者の業火等々、虚実のあわいを壮大に描き切る伝奇エンタメの極地!
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Posted by ブクログ
面白かった! これぞエンタメ!って感じ。 もうなんかいろいろごちゃ混ぜで、もともと知ってたいろんな登場人物やエピソードがぐつぐつ煮られてひとつの丼に盛られて出てきた印象。 でも人が誰かを恋しく思うせつない気持ちがずっと軸にあるので、こんなにふざけてるのに乱雑乱暴な読後感ではない。 この作者の他の作品...続きを読むも読んでみたい。
歌舞伎と時代劇、喜劇と怪談もごちゃまぜになった大冒険物語。スピード感もあって異次元の世界を楽しむことが出来ました。
歌舞伎版オペラ座の怪人みたいな感じかと思って読み始めたら、全然違った。個性的なキャラクターたちが暴れまわるドタバタエンタメ劇で、今まであまり読んだことのないタイプのお話。これはこれで面白かったけど、ちょっととっちらかりすぎの感がありました。
「機巧のイヴ」「見返り検校(文庫化の際に「仇討検校」に改題)」が好きで、こちらも時代物ということもあって読んでみた。 「機巧のイヴ」とはまた違ったタイプのファンタジー。 二代目瀬川菊之丞の兄弟子・八重桐の不審死から始まる話はミステリーかと思いきや、東上桟敷を買い占めながら姿を現さない客、そこで起こ...続きを読むる怪異、菊之丞が連れ去られた『戯場國』、冥府と現世を行き来する小野篁と志道軒。 軸となるとは小野篁の禁断の恋と、江島生島事件。 特に江島生島事件については興味深い解釈があった。 生島新五郎という、この事件でしか知らない役者と二代目團十郎との間にこのような因縁話を思いつくとは。 登場人物が多いわりに楽しめたのは、各キャラクターの書き分けが出来ていたからだろうか。 志道軒の年の離れすぎた娘・お廉は女博徒さながらの腕っぷしの強さの一方で純情だったり怖がりだったり。 戯作者・作家として目が出ない平賀源内はひたすら頼りない男だが、いざという時には頑張ったりもする。 同様に髪結いの仙吉も頼りないのだがまっすくで、職人としての矜持もある。 怪異に慣れ過ぎた広島藩士・稲生武太夫は怪異に対しては非常に強いが蚯蚓に弱いという弱点があり、そして彼もまた禁断の恋をしている。 武太夫が持っている小槌にもまた秘密があり、冥府での小槌の活躍は一つの見せ場となっている。 二代目菊之丞と兄弟子八重桐との関係も気になる。 そして小野篁と志道軒との因縁話、生島新五郎と二代目團十郎との因縁話が何といっても興味深かった。 それだけに終盤のバタバタがちょっと残念。もう少し深掘りして欲しかったし、それぞれの結末ももう少しきっちり書いて欲しかったというところもある。 脇役たちの物語が多すぎて、二代目菊之丞がすっかり影が薄くなってしまったのも勿体なく感じてしまった。 しかし役者たちの業だったり、冥府に行っても捨てられない未練だったりというところは印象に残った。 この源内がやがて『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』に繋がるのかと思うと興味深い。
オペラ座の怪人と江島生島事件と小野篁の冥府判官をごった煮にしました!菊之丞は生きてたしお廉と仙吉は結婚したのでハッピーエンドです!というジェットコースター感。 巻き添えで亡くなった八重桐と勝手に失恋した武太夫は可哀想だけど。 とりあえず私も死んだら戯場國行きたいわ。
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乾緑郎
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