ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
天府城に拠り国を支配する強大な幕府、女人にだけ帝位継承が許された天帝家。二つの巨大な勢力の狭間で揺れる都市・天府の片隅には、人知を超えた技術(オーバーテクノロジー)の結晶、美しき女の姿をした〈伊武(イヴ)〉が存在していた! 天帝家を揺るがす秘密と、伊武誕生の謎。二つの歯車が回り始め、物語は未曾有の結末へと走りだす――。驚異的な想像力で築き上げられたSF伝奇小説の新たな歴史的傑作、ここに開幕!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
スピンオフをアンソロジーで読んで、面白かったので本編を購入。奥深い、味わい深い面白さ。 生身の人間と変わらない外見や動きを備えた機械人形が存在するようなSF性と、武士や忍びが活躍する江戸風の舞台。歯車やバネがみっしり詰まっているのに、関取に想いを寄せたり願掛けをする人形。由来も仕組みも説明のつかない...続きを読む、この時代の中で浮いた存在である伊武に、久蔵も甚内も惹かれているが、伊武自身が何か行動して物語が動くわけではない、というところも良かった。信じたり欺いたり、助けたり殺したり・・・動いてかき回すのは人間だ。だから行動に破綻や不可解さはなく、時代小説のように読んでいける。SFに寄りすぎていないバランスが好みだった。 「どうやってその証を見せる」 「あるからこそ、今、それを失うのだ」 機械人形に心は宿るのか、という命題も組み込まれている。 「人の体をどんなに細かく腑分けしても、機巧と同様、その人の心を現すものや感情や記憶を思い起こさせるものなど、一切出てこないのだ。――振る舞いの中に命がある」 それと装画がカッコよくて忘れられないインパクト。くじらの模様の帯を持つ"太夫"。
機巧人形と人… 江戸時代の日本に似た世界が舞台でしたが、将来来るかもしれないアンドロイドと共存する世界…の、先駆けのようなものを感じました。 人の魂は何処に宿るのか? アンドロイドに魂は宿るのか? 人と何が違うのか? 考えさせられました(哲学的な意味で)。 と、さらにですが、物語としても凄く面白...続きを読むいです。続編にも期待できます。
江戸時代を舞台にしたSF。機械仕掛けで、全く人間と区別がつかないイヴをめぐっての4つの連作短編集。思いが寄せられる程度によって、機械仕掛け(機巧)の人形の心の具合が決まって来るのだ。機械仕掛けの蟋蟀、相撲取り、幕府隠密、天帝、天帝を守る隠密、絡繰り師などが入り乱れて、話は次々と展開する。思いを寄せる...続きを読むから魂が生まれる!?では、その思いを寄せる人間の魂はどこから来たのだろうか。攻殻機動隊のゴーストというのを思い出してしまった。機械のタチコマたちには、ゴーストはあったように思うのだが。イヴはお千度参りなどをして、人間になる事を願っているが、既に人間の魂を持っているのだ。
AIの原型
SFのテーマとして有名な「アンドロイド AIが高度に発達すると、人間そして自意識との区別があいまいになる」を扱っている。 しかも舞台を未来ではなく日本の江戸時代に類似した世界にしているのが実にいい。 文体もその妖しい雰囲気をよく伝えている。
2019.08.28 久々の星5か。大変に面白かった。 短編は好きではないが、連作短編なら読めるが、これはまた異色だ。 心とは…
いつだったか表紙買いしてそのまま本立てに置いてあったもの。 なんとなく引っ張り出してみたらこれが面白いのなんの! 攻殻機動隊江戸時代みたいなのかなぁ、とぼんやり読み進んでみたらまあまあまあ!! なんということでしょう 寛永・元禄の華やかさ、賑やかさを如実に感じさせながら、一方でSF、一方でミステリ...続きを読むー。この3つの組み合わせが実に心地よいのです。解説では幕末モデルとありましたが、空気感はむしろ寛永元禄。その中で上代の雰囲気も江戸後期の要素もちょっと混じっており、異なった次元の倭国がそこにあるのです。こちらの日本で伝えられている伝説や史実がちょこちょこ工夫されているのも成る程。 これは多くの方にオススメしたい、本当に面白くて読みやすい。時代小説もSFも、ミステリーすらよくわかんない、という人でもすらすら読めると思う。それほど人を選ばず楽しめるお話だと思うの。 あと女の子かわいい。 あの子とかあの子とか、ほんとかわいい。
短編集の様にストーリーが区切られて展開していくが、全てが繋がっている。 凄く面白かった。オートメイルの話も出てくるとは!! 区切られたストーリーがまた、読みやすくて、一話毎に染み入る感じ。 一気読みしたいが、読み終わってしまうのが勿体ない。そんな感じ。 タイトルと表紙で、ずっと気になっていたのに、ハ...続きを読むズレだったらどうしようか…と手に取れなかった本。もっと早く手にしておけば良かった。 2作目も同時に買っておけば良かったと後悔。 すでにもう一回読みたい作品。
江戸を舞台に、からくり技師を中心とした連作短編集。花魁や幕府といった時代小説的な設定を扱いつつ、からくりとは人とはといったSF的なテーマを描いた作品です。しかしながら固くなりすぎず読みやすいエンタメ小説でした。 人情と合理さのすれ違いなどがふとした瞬間に描かれはっとしてしまいます。また各短編の余...続きを読む韻も幻想的で美しく、いい作品でした。
これはすごい作品!あえていうなら「時代劇版ブレードランナー」とにかくめちゃめちゃ面白かった! 五つの連作短編集。それぞれが単独でも楽しめる上に、読み通すとさらなる感慨に浸れる構成。 最初の作品は小噺のような伝奇のような、つかみとしては見事としか言いようがないお話し。 その後に続く二作目以降はより連...続きを読む作の様相が強くなっていき、読み応えも俄然増す。 徐々に明らかになっていく「伊武」の正体。その謎解きの過程がまた見事。 そしてその「伊武」がとても魅力的で可愛らしい。甚内、春日、そして天帝といった登場人物たちもまた実に魅力的。 そして大森望さんのあとがきでの絶賛ぶりが熱い! 初めて読んだ作家さんだったけど、他の作品も読んでみたくなってきた。映画化された『完全なる首長竜の日』の作者さんだったのか。 最後に印象的だった文章を引用。それぞれ352頁より。 「人の体を細かく腑分けしても、機巧と同様、その人の心を現すものや感情や記憶を思い起こさせるものなど、一切出てこないのだ。」 「魂とはどこからやってくるのか。そしてどこに隠れているのか。それがずっと疑問だった。」 「誰かに気に掛けられたり、愛されているからこそ、それに応えるために、(中略)、人のように振る舞うことができる。その振る舞いの中に命がある。」
パラレル江戸時代を舞台にしたミステリーファンタジー。アンドロイド誕生にまつわる秘密やスチームパンク風味がたまらなく好みでした。 表題作の短編から5つの物語を通じて、スーパーテクノロジーの結晶である伊武の誕生の謎と、天帝家に係る隠蔽された秘密が徐々に明らかになっていく展開に引き込まれ、圧倒され、そして...続きを読む最後は胸アツに。 筋立てが鮮明で、謎解きも納得できて、魅力あふれる物語でした。 伊武がお百度参りしたり、「箱」に座るヤツがいると激怒したり、人間味とはこういうところにあらわれるのだなと思わせるキャラでほんとに好き。 対称的に、神器は幕府への復讐を背負わされた冷徹さのみかと思ったけど、暗闇を共にした蟋蟀への感情があるところなど、その単純ではない精神構造に心が動かされてしまい… 魂がどこから来るのかとか、魂はどこに宿るのかとか、もう一度そんな疑問にぶち当たって、深く考えさせてくれるような話でした。 続編、楽しみにしています!
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
機巧のイヴ(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
乾緑郎
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「SF・ファンタジー」無料一覧へ
「SF・ファンタジー」ランキングの一覧へ
私たちに残されたわずかな永遠
完全なる首長竜の日
悪党町奴夢散際
浅草蜃気楼オペラ
仇討検校(新潮文庫)
海鳥の眠るホテル
鬼と三日月
思い出は満たされないまま
「乾緑郎」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲機巧のイヴ(新潮文庫) ページトップヘ