乾緑郎のレビュー一覧

  • 私たちに残されたわずかな永遠

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    機巧のイブが気になりながらも新刊を読んで面白かったら読もうと手に取った。SFでここまでのめり込むとは思わなかった。余韻に浸りながら人としての生き様やこの先にある未来を考えてしまう。そして続きが読みたいと思う作品だった。

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    2025年11月21日
  • 忍び秘伝

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    最初から最後まで とてつもなく 引き込まれて面白かった、 中だるみもなくこの人の作品探してまた読みたい

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    2025年08月04日
  • 決戦!大坂城

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    ネタバレ

    決戦シリーズは、作家ごとのさまざまな解釈を楽しみながら、複数の視点から戦いを立体的に見ることができる良企画。
    大阪城では、「日ノ本一の兵」のラストに情緒を掻き乱された。また、「黄金児」にせよ「男が立たぬ」にせよ、淀殿の陰に隠れて見過ごしがちな秀頼という人間に焦点を当てているのがとても良い。一方、その強烈な母君である淀殿に新しいイメージを与えてくれるのが「鳳凰記」。
    シリーズの他の編も楽しみになる。

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    2025年08月03日
  • 愚か者の島

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    面白かった。
    無人島なんて普段生活の上で考えたこともない舞台がテーマの小説で、実に興味深かった。
    内容の参考となっている実際に無人島で起きた事件のことも初めて知って、調べる良い機会にもなった。
    生きる上で改めて、世の中自分の知らないことばかりで面白いことが沢山あると、本を通して痛感する。
    文明利器に甘やかされて守られて生きてきて、無人島なんて行きたくもないが、もしとんでもないパンデミックが起きてそれに近い生活を強いられたらどうなるのだろう、と考える。
    今ではコロナウイルスもすっかりただの風邪扱いだが、当時周りの薬局から衛生用品や備蓄食料があっという間に底を尽きていたことを思い出す。
    皆が皆パニ

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    2025年05月15日
  • 完全なる首長竜の日

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    ネタバレ

    雰囲気がよく、面白かった。
    意識不明の人の精神に入るという設定もめっちゃ好みで、読後感もかなり良かった。

    序盤から弟くんが死んでることにはうすうす気づいていた。岬さんと木内くんが出てきたところで、主人公が夢の中にいると予想。珍しくアナグラムにすぐ気づいたから、嬉しかった。

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    2024年08月05日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    スピンオフをアンソロジーで読んで、面白かったので本編を購入。奥深い、味わい深い面白さ。
    生身の人間と変わらない外見や動きを備えた機械人形が存在するようなSF性と、武士や忍びが活躍する江戸風の舞台。歯車やバネがみっしり詰まっているのに、関取に想いを寄せたり願掛けをする人形。由来も仕組みも説明のつかない、この時代の中で浮いた存在である伊武に、久蔵も甚内も惹かれているが、伊武自身が何か行動して物語が動くわけではない、というところも良かった。信じたり欺いたり、助けたり殺したり・・・動いてかき回すのは人間だ。だから行動に破綻や不可解さはなく、時代小説のように読んでいける。SFに寄りすぎていないバランスが

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    2023年12月29日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    これに限った話ではないのですが何書いてもネタバレになりそうです。大正女学生の少し大人びた冒険から始まり、途中から凄い展開になっていきます。そして最後は煽れんばかりの愛あるSF…という。簡潔に言うと「かなり面白いオススメの作品」です。

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    2023年12月13日
  • 戯場國の怪人

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    面白かった!
    これぞエンタメ!って感じ。
    もうなんかいろいろごちゃ混ぜで、もともと知ってたいろんな登場人物やエピソードがぐつぐつ煮られてひとつの丼に盛られて出てきた印象。
    でも人が誰かを恋しく思うせつない気持ちがずっと軸にあるので、こんなにふざけてるのに乱雑乱暴な読後感ではない。
    この作者の他の作品も読んでみたい。

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    2023年11月21日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    機巧のイヴシリーズ完結編。

    シリーズを読み終え、今後、日本で本作を超えるSF物語が生まれるのだろうか...
    それ程の余韻に浸れる作品でした。

    大きく分けると大正時代と昭和初期を彷彿させる時代設定での二部構成。

    大正時代と言えば何を思い浮かべますか?

    大正浪漫、ハイカラさん、そうです、全部入ってます(笑)
    しかも、前作から主要登場人物は変わらず、舞台は日下國へ。
    おかっぱ頭で袴を履き自転車に乗るイヴ、想像したら思わず吹き出しそうになりました。

    そして後半は舞台を大陸の新国家・如州へと移ります。

    ここではイヴの女学校時代の友人・ナオミの秘密が明かされると共に、イヴとナオミの側にいた多く

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    2023年08月27日
  • 完全なる首長竜の日

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    久しぶりに一気読みしました。気になってほんとに止まらない。色んな布石が繊細でリアルで(でもほんとのrealではなくて)…ナッツのように後引く話でした笑 そして最後がまた…終わり方が良いですコレは大賞とりますね。ぜひ読んでいただきたい作品です。メチャクチャ面白かった。

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    2023年06月05日
  • 決戦!大坂城

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    すごくおもしろかった。
    子ども向けの本だと出てこない武将が登場するのがうれしい。それから、いろいろな作者の短編集だから、この人から見たあの人と、別の人から見たあの人が違うのもおもしろい。このシリーズは全部読みたい。
    一番よかったのは「黄金児」で、その次は「忠直の檻」。(小5)

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    2023年03月05日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    普段あまり手にすることのないSF、時代物、そんな一見して交わることのなさそうな2つのジャンルが掛け合わさるととんでもない作品が生み出されました。

    その名は「機巧のイヴ」。

    主人公を変えながら進む5作の連作短編が生み出す衝撃の面白さ。

    江戸時代を匂わせる時代設定の中で、現在の科学技術でも創り出すことが出来ない人知を超えた技術の結晶、美しき女の姿をした〈伊武〉が存在!

    いわゆる人型ロボット(アンドロイド)なのですが、無論、ICチップもコンデンサも、モーターさえも入っていません。

    所謂、からくり人形です。

    しかし、この伊武がなんともいえないぐらいに魅力的なんですよねー。

    続編買わなくち

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    2022年12月29日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    機巧人形と人…
    江戸時代の日本に似た世界が舞台でしたが、将来来るかもしれないアンドロイドと共存する世界…の、先駆けのようなものを感じました。

    人の魂は何処に宿るのか?
    アンドロイドに魂は宿るのか?
    人と何が違うのか?
    考えさせられました(哲学的な意味で)。

    と、さらにですが、物語としても凄く面白いです。続編にも期待できます。

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    2022年11月14日
  • 決戦!川中島

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    信玄ファンも謙信ファンも納得させる骨太のアンソロジーでした。それぞれ作家さんが独自の発想から大胆な物語を書かれていて楽しかったです。

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    2022年07月02日
  • ねなしぐさ 平賀源内の殺人

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    平賀源内と言えば『土用の丑の日』で鰻屋を儲けさせたプロデューサー!
    『エレキテル』(使途不明)なるものを作り出した発明家!?→本書ではエレキテルがどういうものかの説明あり
    はたまた、絵を描き、戯作を書き、蘭学者で植物学者で陶芸もこなし、金山も掘り当てる非常にマルチな才能を持つ男!現代であればインフルエンサーとして何らかの富は築けたはず・・・

    しかし、そんな彼の最期は意外と知られていない・・・

    まさかの、人を殺して投獄、破傷風にかかり獄死!!!


    本書は天才 平賀源内の犯した殺人事件の謎に迫る!

    最後がせつない・・・



    因みに本書を読んで得た雑学としてシロツメグサとはオランダからの積

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    2022年06月22日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    江戸時代を舞台にしたSF。機械仕掛けで、全く人間と区別がつかないイヴをめぐっての4つの連作短編集。思いが寄せられる程度によって、機械仕掛け(機巧)の人形の心の具合が決まって来るのだ。機械仕掛けの蟋蟀、相撲取り、幕府隠密、天帝、天帝を守る隠密、絡繰り師などが入り乱れて、話は次々と展開する。思いを寄せるから魂が生まれる!?では、その思いを寄せる人間の魂はどこから来たのだろうか。攻殻機動隊のゴーストというのを思い出してしまった。機械のタチコマたちには、ゴーストはあったように思うのだが。イヴはお千度参りなどをして、人間になる事を願っているが、既に人間の魂を持っているのだ。

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    2021年08月27日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    伊武がかわいいです。誰かに望まれて心を宿したけれど、その誰かをただ一人の人と思い、そこに縛られるのではなく、自由に思いを広げていく伊武が好きです。機能を停止してしまった伊武が、また動き出す時が見たいです。

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    2020年03月20日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

    購入済み

    AIの原型

    SFのテーマとして有名な「アンドロイド AIが高度に発達すると、人間そして自意識との区別があいまいになる」を扱っている。
    しかも舞台を未来ではなく日本の江戸時代に類似した世界にしているのが実にいい。
    文体もその妖しい雰囲気をよく伝えている。

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    2019年11月24日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    2019.08.28

    久々の星5か。大変に面白かった。
    短編は好きではないが、連作短編なら読めるが、これはまた異色だ。
    心とは…

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    2019年08月28日
  • 忍び秘伝

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    舞台は戦国時代。武田のもとに身を寄せる山本勘助と武藤喜兵衛。喜兵衛は後の真田幸村の父である真田正幸のことである。そして信玄に滅ぼされた諏訪頼重と晴信の妹の間に生まれた寅王丸がなぜか加藤段蔵こと「飛び加藤」の通り名で知られる忍者として現れる。

    「忍び秘伝」

    デビュー作の「忍び外伝」で朝日時代小説大賞受賞した乾緑郎先生の忍び作品の2本目である。加藤段蔵の時代のずれは少し感じたがこの際お構いなしで熟読。SF的な要素も含め正統的な時代小説と言うよりも新しい感はあるが、どんどん引きずり込まれる!

    ただ、この作品に関しては斜め読みや速読をしていては、見落とす箇所が何カ所もある。もう1回見たくなる映画

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    2019年02月19日