乾緑郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かったです。
和製スチームパンク2作目。楽しみました。
前作の100年後の世界で、舞台は日下國ではなく新大陸、そして機巧人形の伊武は機能を停止している…という始まりからわくわく。
スリーパーは多分天帝だろうな、と思いましたし、よく読んだら日向さんとゴーラム氏の結末は最初に書かれてましたが、日向さんと八十吉の冒険?と伊武が動いてることの嬉しさと、フェル女史面白すぎる…と詰め込まれていました。
日向さんの過去の悲惨さと、マードックの胸くそ悪さが辛かったです。この人ほんとに何だったんだろ。。
ゴダム万博の顛末は、薄ら寒いものがありました。無理に進めるとこうなる。
心はちくっとなっていますが -
Posted by ブクログ
とても面白かったです。
時代物とSFがぴったりと合わさっている連作短編集で、最初のお話からこの世界に惹き付けられました。
自動人形として機巧が存在している、江戸時代を思わせる世界。
独特の要素はたくさん盛り込まれているのですが決してごちゃごちゃしてなくて、魂は、心はどこにあるのか、どこからやってくるのか…このことを色濃く考えさせられます。
オートマタの伊武を始め、登場するキャラクターたちが皆さんとても魅力的でした。
オートマタと言ったら「からくりサーカス」の人形たちを思ってしまいますが、こちらの自動人形も素敵。
物語の世界は思いもかけない場所へ進んでいって、終盤は切なかった…初めましての作家さ -
Posted by ブクログ
いやいやこれは面白い。時代もの(特に伝奇もの)はほとんど読まないので、アンテナにひっかからなかったのだが、こちらでフォローしている方のレビューにひかれて読むことに。こういう出会いは嬉しいなあ。
SFとして特段の驚きがあるわけではない(むしろ結構首をかしげたくなるところもある)のだけど、そんなことは気にならないくらい、読ませる読ませる。これは「完全なる首長竜の日」と同様の感想で、でも、こっちがより巧みで華麗な作品世界が構築されていると思った。映像的というより、何と言うか「絵画的」な感じ。残酷であでやか。クールで艶っぽい。一歩間違うと、並のライトノベル的薄っぺらさに陥りそうな題材が、鮮やかな手つ