乾緑郎のレビュー一覧

  • 完全なる首長竜の日

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    ネタバレ

    SFインターフェースという近未来な機器を介して繰り広げられる夢と現実に魅せられた作品だった。

    どこまでが夢で、どこまでが現実なのか、、

    序盤はミステリー要素がなかったが、徐々に歪みが明かされるのが面白かった。

    アートとか医療の難しい用語多すぎだったけど、ざっと読んでいくと読みやすかった。

    映画化されているらしいので観てみたい。

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    2022年03月09日
  • 完全なる首長竜の日

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    現実と虚実が混ざり合う世界を、納得の描写力で書く力量はすごいと思う。最初から最後まで読んでて心地良い。
    しかし これがミステリーかと言われると疑問に思う。僕的には サイエンスフィクションかなー?
    雰囲気を味わう作品かと思う。

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    2021年10月12日
  • 完全なる首長竜の日

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    SFサスペンス。
    これにアクションが加わればもうハリウッド映画みたいな設定。
    現実と夢の区分は当事者には難しい。
    誰もは一度は考えるテーマかもしれません。
    びゅんびゅん話は飛び、恐ろしいと思った。
    「この世界が現実かどうか試したくなった」
    っていうセリフが印象的でした。

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    2021年06月20日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    割と待っていたシリーズ第3巻。

    第2巻で伊武が目覚めてから約50年くらいたったあとの話。伊武が女学校に通い始め、 また色々な事件に巻き込まれていく。

    関東大震災も出来事として組み込まれており、その際に起きた朝鮮人の虐殺になぞらえた事件も生じた。人間の本性ってこういった極限状態で剥き出しになって怖い。

    最後のエンディング的にひとまずこのシリーズは完結したのかなという気がするのだが、また100年後とかに目覚めるのを期待してしまう。

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    2021年01月10日
  • 完全なる首長竜の日

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    2011年のこのミステリ大賞。ミステリーというよりちょっとサイコスリラーでちょっとSF。でも文体やラストは良かった。わたしがSF好きなのでそう感じるのかも。

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    2020年12月11日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    苫米地英人の本で読んだけど脳科学で言えば感情も記憶も本来存在せずそれは刺激に対する脳の反射でしかないそうだ。人の心はそもそも器官として存在しないから反論できないよね。幕府と天帝家が対立する時代に、バネや発条、歯車で作られた機巧の美女伊武。無いはずの彼女の心に翻弄されるSF時代小説。伊武はリラダンの「未来のイヴ」から取ったのだろう。ロボットに心はあるのかというテーマを描いている。ピノキオ、鉄腕アトムもそうだった。人形やロボットが悩んできたテーマ「人間になりたい」と伊武も言う。その思考過程はブラックボックスだが、自分以外の人間に心や記憶があるか無いかはわからないし、心があったからってお互い分かり合

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    2021年01月24日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    大江戸スチームパンクというか、大江戸攻殻機動隊といった趣向で、とても楽しかった!この手の時代劇は、かなり珍しいのではないか。短編の連作だが、各編を読み進めていくともに徐々に世界観が広がり、かえってアンドロイド「伊武」の謎が深まっていく構成もおもしろい。大風呂敷の広げ方やサービス精神に、ちょっと山田風太郎味も入っているんだけど、もっとSFっぽく理知的なんだよな。続編も読んでみよう。

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    2020年09月08日
  • 完全なる首長竜の日

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    大転換までのストーリーが長く感じるも、そこまで描かれるものに愛着を感じさせることで、大きな変化への進行をスリリングにしているとも言えそう。中盤までに描かれた様々な挿話や小物が全て伏線になっていく仕掛けは目を見張るものがある。読み終え、最初から振り返ってみたくなる面白さも。

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    2020年07月31日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    『はいからさんが通る』は大好きな漫画で、今年宝塚で上演すると聞いて楽しみにしていた。
    が、そもそもチケットは取れず、COVID-19のため公演は中止。

    なのに、ここでどうして『はいからさんが通る』の世界が繰り広げられるのだ!
    丑五郎ならぬ俥夫の重五郎まで!
    天府高等女学校に伊武が通っている!
    しかも矢絣に紫の女袴。そこにベルトを締めている。
    御三家と呼ばれた自由な校風の学校、制服にベルトの付属学校、距離があったので諦めた可愛いセーラー服の横浜の学校。
    残念ながら憧れで終わってしまったけれど、本書の中には小学生のころ憧れた世界が描かれていた。
    大正!横浜!女学生!

    背景だけで話が終わりそうだ

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    2020年05月23日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白かったです。
    今回のイヴは大正~昭和あたり、史実と巧みに絡み合わせてあってドキドキワクワクです。
    でも、1巻からするとすっかりイヴは脇役になってしまったな…面白キャラ要素に。
    ナオミも機巧だろうな…と思っていたけど、林田さんまでそうなるとは!しかも適当な感じで。酷い。
    八十吉くんが亡くなったことでまた止まってしまったイヴだけど、まだ解かれていない謎もあるし(天帝とか)、一応シリーズ終了だろうけど続きを求めています。
    命とは……。

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    2020年04月11日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    新刊が本屋さんにならんでいたので反射的に手に取りました。

    1冊目のようなドキドキはなく、きっと2冊めのようにどこか殺伐としているんだろうなあと思ったら文字通り殺伐でした。
    しかし、前回より救いのある部分もあって。
    なにより登場してきた瞬間から伊武の愛らしさが炸裂していて、もう伊武ちゃんがいるからこそこの世界が成り立っているのね!とも思えます。読んでいて心がささくれ立っても、彼女の存在で救われます。

    次作はどんな時代でしょうね。WW2あたりでしょうかそれとも
    機械じかけの眠り姫のお話はきっとまだまだ続くのでしょう。

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    2020年03月10日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    三部作完結、とはいえ、イヴは傍観者のポジションに引っ込んだうえ、最後はまた眠りに就く、と。
    「続き」を書くとしたら、超古代篇か遠未来篇かな、文芸忍法「火の鳥」ですな(笑)

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    2020年02月21日
  • 完全なる首長竜の日

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    第9回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作。

    審査員が全員一致で決まったそうで、そんなことを不意に思い出したので読もうかなと積読の山から下ろしてきた。
    テーマは映画「胡蝶の夢」らしいが。読んでいくうちに、あの不思議な胡蝶の夢の雰囲気もどこか感じられるようになってきたが、映画のテーマは別にしても時代が違う。今なら病院に収容されても、夢を探る機器も現代的で、主人公はこれが夢なのか現実か迷う事も記録に残せる。あるいはときには冷静に向き合うことができるかもしれない。

    主人公の女性は漫画家で成功している。子供のころ一家で行った奄美の島で幼い弟が波にのまれた。
    西湘にある病院では、それ以

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    2020年01月05日
  • 決戦!川中島

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    数ある合戦の中でも知名度が高く、上杉謙信と武田信玄がしのぎを削った川中島。複数の作家のオムニバスで、上杉方と武田方の視点を入れ替えての作品を楽しめた。謙信、信玄が本人であったのか影武者であったのか、史実を同定することは難しいが故の各作家の視点。それぞれの作家が史料に基づき展開するフィクション。時代小説を堪能する真髄があるように感じた。

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    2019年10月18日
  • 完全なる首長竜の日

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    読み始めるまで、殺人事件が起こるミステリだと思ってたけど、これも悪くないです。SF要素が入ってる分好物な方でした。
    主題と副題が交互に混じりながら全体的なラストへと向かうまとめ方は、ほんとに芸達者な作風。
    主人公の夢か現実か分からなくなる気持ち悪さを共有して、不思議というか不気味な感覚に陥るけど、続きが気になって読み進めてしまう。
    そして、ラストのラストに劇的に締める感じがまた良かった。素直にハッピーエンドで終わらせてくれないんやなぁ。

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    2019年09月22日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    江戸風サイバーパンクミステリー。「機巧」というからくりが高度に発達した世界で、自立して動く機巧人形の伊武と周囲の人の顛末が書かれている。単話形式の話ごとに結末があるミステリーで、別の話で振りまいたネタが別の話でもちゃんと使われて出てくるのが個人的には良かった。
    人間と変わらない動きをする人形と相対した場合、人は人形をどう扱うのか、というテーマがあったように感じた。この本に登場した人物は無下にはしなかったようだ。

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    2019年09月19日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    自分で自分を決められる、たった一つの部品だ。無くすなよ。
    ってあれは泣いた。


    きっと、どういう仕組みで動いているか、それをひとつひとつ解明していっても、じゃあそれが何故動いているのか、って問いには誰も応えられないのだろう。
    ひとも機巧も。



    SF…でありファンタジーであり、時代小説であってミステリである。
    ……胃もたれするわね!

    SFとしては非常にオーソドックスなテーマを、各章で角度視点を変えて丁寧に描いている一方、衒学的時代小説感がそこになんとも云えない艶を出していて。なんというか、やけにヱロい。本来の意味でのエキゾチック、というか。


    最終章で、神器(と呼ばれているもの)の行動

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    2019年08月16日
  • 悪党町奴夢散際

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    1行目から面白い小説ってなかなかないと思う。


    時は17世紀中頃
    幡随院長兵衛がいた時代。

    彼が死んだことからはじまる大騒ぎのお話ですが
    「イブ」のときと同じくいくつか有名どころの話がうまいぐあいに重なっていて、まさに醍醐味。

    そして出てくる女性たちが誰も愛くるしくて魅力的。
    オッサンばかりのなかに、こういうキラキラ感があるというのはメリハリあって良いなあと思う次第です。

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    2019年06月03日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    日本版スチームパンク。
    江戸時代の文化とオーバーテクノロジーが醸し出す独自の世界観が良いですね。

    ヒトとモノの境界、生命、意識とは?

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    2019年05月02日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    前作が素晴らしすぎて、続編があると知り大喜びで購入しました。

    イヴちゃんの可愛らしさは相変わらず。
    時代が100年ほど下がって、あのときに出会った人々は故人になってしまい日下國も変わってしまってとても寂しく感じられました。思い入れがあったのでしょうね。

    イヴや天帝だった少女は時を超えて存在しつづけてしまう、その切なさは本人たちにしかわからない。
    それでもまた、さまざまな人々と交わり、彼女たちは未来に向かって進んでいくんだ……

    白長須鯨の箱が健在?で残ってたのが全編のどこを読んでいても安心感を与えてくれてそれも嬉しかったなあ。

    また、続編が出たら是非読みたいものです。

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    2019年04月11日