乾緑郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作は江戸時代を模した時代設定だったが、今回は一気に百年後の世界だ。
新世界大陸で開催されるゴダム万博は問題山積。
ちっとも働かない労働組合員である、エアルランド系白人たちのせいで工期は遅れに遅れている。
そのことを忌々しく思っているのは使用者たちだが、人々の思いは様々で......。
騙し騙されの世界、一体誰が異常なのか?
そして我らが伊武は一体どこに.....?
いたいた、万博日下国館、「十三層」の最上階に。
彼女は眠ったまま、長持ちに腰掛けているが、果たして再起動するのか?
一方、日下人であるジョー・ヒュウガの活躍は血で彩られている。
妻子の元に帰るため、金のため。
けれどもそれは同 -
Posted by ブクログ
何を読もうかとランキングを物色し、ちょっと惹かれたこの本にしてみた。
国を支配する幕府があり、上方には帝がおわす、江戸時代の日本を多少ゴシック調にした世界が舞台。
5つのお話からなるが、最初のお話が元々独立した短編ということらしく、これがなかなか洒落てる。
後はここから世界を広げたという感じの話だが、2つ目の話は、暴走する右腕が“機巧に魂が宿るか”というテーマを象徴して、これも印象深い。
後の3つの話は一つに括って、これまでの話を枕に天帝家を揺るがす秘密にじわじわと迫り、それなりに楽しめたのだが、計算尽くで何だか普通にまとまり過ぎている気も。
続く話もあるようなので、そこは楽しみに待つようにし