乾緑郎のレビュー一覧

  • 完全なる首長竜の日

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    映像が見えてくるレベルで鮮やかでした。結構な長文でリフレインとか、それが嫌らしくならないのが不思議。

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    2021年08月28日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    このシリーズなんか乗れないな、と思っていたのだが、スチームパンク的ロマンチシズムを期待すると当てが外れるんだ、と今回気が付いた。人種差別や労働争議と言った万博の裏側をリアリズムで描き混む手法は、ハードボイルドでしょ。もちろん、「卑しき街を行く孤高の騎士」というチャンドラー流のロマンチシズムは存在するわけだけれども、これってスチームパンクに期待されるロマンとは、また別の物だよなあ。てなことを今回思った。

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    2021年07月24日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    オーバーテクノロジーが存在する架空江戸(天府)を舞台にしたSF時代劇。スチームパンクに例えることできるが、赤影の世界だよなあ。読み切り短編の色が濃い、初期の作ほど時代劇寄りの感じ。木枯し紋次郎あたりを思わせるが、後半になると連作の感じがはっきりしてきて、SF色がぐっと強まる。読み切りの形でもう少し勝負しても良かったような気もする。

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    2021年06月02日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    歴史×伝奇×SF。天帝と幕府が二大勢力として君臨する、江戸によく似た世界が舞台。伊武(イヴ)という精巧なガイノイドを巡り、命とは何なのかを問いかける。押井守の『イノセンス』のような世界観を彷彿とさせる。一本筋の通った連作短編集で、どれも読み応えがあり面白かった。

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    2021年05月06日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ――

    “ 馬離衝《バリツ》と呼ばれる武術の特徴は二つある。
     一つはその呼吸法だ。馬離衝では「相気」と呼び、これを調和させることを目的とする。
     一元、太極、三才、四神、五行の五種類の呼吸法があり、敵をねじ伏せるのではなく、調和することによって力を封じ、無力化するのが馬離衝だ。”


     ……いやぁSFだなぁ。真面目に。

     乾緑郎『機巧のイヴ』二作目は新世界覚醒篇、ということで前作から約100年の時を経て、舞台は大陸へ移る。万博という、云うなれば技術狂いの舞台設定の中に、けれど機巧人形は埋没することはなくて。むしろ技術の先端でこそ、いのち、との境目は歴然として。

     前作よりもハードボイルド感が増した気がするのは、単純に時代が下ったからかしら。その分伊武の可愛げが増しているのはよしよし。けれど全体的には前作のほうがやはり、均整が取れているかな、と云う感じがしました。
     舞台が日下國に戻る次作で、どう纏まるか。
     ☆3.2。

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    2021年02月24日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    前作よりも主要キャラの造詣が類型的になっているのが残念だなあ。ただ、時代設定や万博という舞台立てはおもしろい。組合潰しなんかをやる探偵組織というとこほは、コンチネンタル・オプを連想した。次作もあるので、そちらも楽しみ!

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    2020年09月09日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    余韻が残るオチ。伊武を主体とする物語なら、確かにこれで終わりだろう。またリブートして続編が出ることを望む。

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    2020年08月23日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    イヴ3部作の最終巻。
    まあまあ面白かったけど、やはり1巻が最高だったな。
    2巻3巻は、なくてもよいとは言えないけど、ちょっと冗長かな。
    また、1巻のようなイヴの短編集を読みたい。

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    2020年08月09日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

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    鍼灸師が主人公。鷹野先生の洞察力と推理力が優れているのは分かったけど、肝心の治療技術については真奈の話と伝聞しか無く。鍼灸師の世界て村社会というか面倒そう。有名鍼灸師はだれかモデルがいるのかな。真奈と吹石の話は悪意がないだけに残酷。鷹野先生は真奈が好きなのか?チラチラ匂わせてた気がする。鍼灸治療受けたいな。

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    2020年08月05日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    だいぶ時間を置いて読んだ続編なので、繋がりが見えなかったりして充分には楽しんだと言えないかもしれない。それでも登場人物の思いの強さ、執着の根拠には裏付けが弱かった気がする。ただ、ストーリーは面白いので、次作も読んでみようと思っている。

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    2020年07月26日
  • 僕たちのアラル

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    人工的に作られた
    異次元的な世界「スフィア」
    生まれた時からここの中で育った井出拓真に巻き起こる出来事‼︎
    そこで生まれたものは、そこの世界しか知らない。
    そこで生まれたものは、そこに戻りたい。そこで生きたい‼︎

    私には、知らない事がまだまだ沢山あるのだと
    考えずにはいられない。。。

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    2020年05月28日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    #日本SF読者クラブ シリーズ3作目で一応の完結編となる。大正浪漫とモダニズムを髣髴させる時代が舞台。美しきオートマタの伊武(イヴ)。あとがきにもあるように、「未来のイヴ」や「攻殻機動隊」などの作品のオマージュが感じられる。そして作を重ねるごとに、軽妙さが増してきているように思える。イヴのキャラクター付けが、神秘から世俗に移ってきたからか。これは嫌いではない。

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    2020年04月08日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸

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    ・鍼灸院が舞台の短編集第二弾。いちおうミステリ?
    ・鷹野さんへの真奈さんの当たりが強くなったような。
    ・真奈が他者の人生に関わりがちなのに鷹野は批判的だ。
    ・鍼灸師のすべきこと、できることは?
    ・真奈のお節介さは変わらないし作品にとって必要条件。
    ・アイスマンの話が鍼灸って感じで舞台にそぐってた。
    ・真奈の性格も相まって基本的に人情話。

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    2019年12月28日
  • 決戦!川中島

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    書きつくされたテーマだけに

    川中島の合戦はあまりにも有名で書きつくされたテーマだけに、これだけの気鋭の作家を並べても「どこかで見たこと読んだことのある視点」と思えてくるのが残念。各作者の中で乾緑郎の作品が印象に残った。

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    2019年11月16日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

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    【内容】鍼灸業界が題材のミステリ。
    【感想】鍼灸に関する蘊蓄はほどほど。あまり詳しくやられるよりはこのくらいがちょうどいいかもしんない。ミステリ成分もほどほど。鷹野さんはカバー絵から思ってたほど飄々とはしてなかったのでもう少しそんな感じでかつ出演シーンももう少し増やしてもいいかも。続編あるなら読んでみたいとは思った。

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    2019年11月03日
  • 僕たちのアラル

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    SF。サスペンス。青春。
    ライトノベルっぽい、軽く読める娯楽作品。
    SF的には、管理社会を描いた一種のディストピアものになるのでしょうか。
    設定的にもストーリー的にも、特筆するような特徴もないかな。悪くはないです。
    明日菜のキャラクターが良い。

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    2019年09月02日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    人間と、機巧人形と。そのどこに違いがあるのだろうか、とぼんやり思った。
    いろいろなかたちの関係が、連作短編のかたちで描き出されている。だが、技術について、情の交らないように表現したうえで、ふとした瞬間にたましいの要素が交ざるというのがとても興深く感じられた。
    ちがいというのは、「本来異なるものが一緒に居るにはどうしたらいいか」を考えるときとくに意識されるものなのかもしれない。春日が好き。

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    2018年09月27日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    「機巧のイヴ」の続編。「機巧のイヴ」は短編集でどの話もものすごく面白かったが、この続編はちょっと微妙。長編エンターテイメント要素はばっちりなのだが、登場人物への感情移入がいまいちかな。でも前作と同様にイヴのかわいらしさは健在。アニメ化したら売れると思う。イヴのさらなる活躍を期待。

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    2018年09月25日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    時代が進んで明治?くらいかな。まさにスチームパンクど真ん中の時代。ストーリーは、前巻と比べると随分と軽くなった感がある。個人的な好みは、前巻の静謐な雰囲気が良かった。おそらく日本を舞台にストーリーは、続くと思われるので、次巻は少し雰囲気がクールになることを期待したい。大人も結構好きな設定だと思うので。

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    2018年11月04日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    前作は江戸時代を模した時代設定だったが、今回は一気に百年後の世界だ。
    新世界大陸で開催されるゴダム万博は問題山積。
    ちっとも働かない労働組合員である、エアルランド系白人たちのせいで工期は遅れに遅れている。
    そのことを忌々しく思っているのは使用者たちだが、人々の思いは様々で......。

    騙し騙されの世界、一体誰が異常なのか?
    そして我らが伊武は一体どこに.....?
    いたいた、万博日下国館、「十三層」の最上階に。
    彼女は眠ったまま、長持ちに腰掛けているが、果たして再起動するのか?

    一方、日下人であるジョー・ヒュウガの活躍は血で彩られている。
    妻子の元に帰るため、金のため。
    けれどもそれは同胞が鬼となるのを目前とし、自らを助けてくれた華丹人の命を奪って描いた夢。
    たとえそれが彼が直接関わったものでないにしろ。
    その部分は目を覆いたくなる凄惨さだ。
    大岡昇平『野火』の世界がそこに広がる。

    ヒュウガの息子、丈一郎が日下国の港で出迎える場面に至るには多くの悲しみが詰まっている。

    伊武の活躍より、ヒュウガの物語が中心に据えられている。
    またしても伊武は眠りにつくだろうか。
    伊武が次に目覚めた時、世界は彼女をイヴ、始まりの人となるのだろうか。

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    2018年08月03日