乾緑郎のレビュー一覧
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購入済み
AIの原型
SFのテーマとして有名な「アンドロイド AIが高度に発達すると、人間そして自意識との区別があいまいになる」を扱っている。
しかも舞台を未来ではなく日本の江戸時代に類似した世界にしているのが実にいい。
文体もその妖しい雰囲気をよく伝えている。 -
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舞台は戦国時代。武田のもとに身を寄せる山本勘助と武藤喜兵衛。喜兵衛は後の真田幸村の父である真田正幸のことである。そして信玄に滅ぼされた諏訪頼重と晴信の妹の間に生まれた寅王丸がなぜか加藤段蔵こと「飛び加藤」の通り名で知られる忍者として現れる。
「忍び秘伝」
デビュー作の「忍び外伝」で朝日時代小説大賞受賞した乾緑郎先生の忍び作品の2本目である。加藤段蔵の時代のずれは少し感じたがこの際お構いなしで熟読。SF的な要素も含め正統的な時代小説と言うよりも新しい感はあるが、どんどん引きずり込まれる!
ただ、この作品に関しては斜め読みや速読をしていては、見落とす箇所が何カ所もある。もう1回見たくなる映画 -
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いつだったか表紙買いしてそのまま本立てに置いてあったもの。
なんとなく引っ張り出してみたらこれが面白いのなんの! 攻殻機動隊江戸時代みたいなのかなぁ、とぼんやり読み進んでみたらまあまあまあ!! なんということでしょう
寛永・元禄の華やかさ、賑やかさを如実に感じさせながら、一方でSF、一方でミステリー。この3つの組み合わせが実に心地よいのです。解説では幕末モデルとありましたが、空気感はむしろ寛永元禄。その中で上代の雰囲気も江戸後期の要素もちょっと混じっており、異なった次元の倭国がそこにあるのです。こちらの日本で伝えられている伝説や史実がちょこちょこ工夫されているのも成る程。
これは多くの方に -
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これはすごい作品!あえていうなら「時代劇版ブレードランナー」とにかくめちゃめちゃ面白かった!
五つの連作短編集。それぞれが単独でも楽しめる上に、読み通すとさらなる感慨に浸れる構成。
最初の作品は小噺のような伝奇のような、つかみとしては見事としか言いようがないお話し。
その後に続く二作目以降はより連作の様相が強くなっていき、読み応えも俄然増す。
徐々に明らかになっていく「伊武」の正体。その謎解きの過程がまた見事。
そしてその「伊武」がとても魅力的で可愛らしい。甚内、春日、そして天帝といった登場人物たちもまた実に魅力的。
そして大森望さんのあとがきでの絶賛ぶりが熱い!
初めて読んだ作家さんだっ -
Posted by ブクログ
パラレル江戸時代を舞台にしたミステリーファンタジー。アンドロイド誕生にまつわる秘密やスチームパンク風味がたまらなく好みでした。
表題作の短編から5つの物語を通じて、スーパーテクノロジーの結晶である伊武の誕生の謎と、天帝家に係る隠蔽された秘密が徐々に明らかになっていく展開に引き込まれ、圧倒され、そして最後は胸アツに。
筋立てが鮮明で、謎解きも納得できて、魅力あふれる物語でした。
伊武がお百度参りしたり、「箱」に座るヤツがいると激怒したり、人間味とはこういうところにあらわれるのだなと思わせるキャラでほんとに好き。
対称的に、神器は幕府への復讐を背負わされた冷徹さのみかと思ったけど、暗闇を共にした -
Posted by ブクログ
ネタバレううむ、乾緑郎おそるべし。
予想以上にすんごい面白かったー。
さすが注目の大型新人。
てゆーかホントに新人?今までどこに隠れてたの。
戦国時代の予備知識なんて全くないですが、読ませる読ませる。
武田信玄が天下取りのために手を出した凶神。
戦場に降りれば血を求めて殺戮の限りを尽くす神。
川中島では敵を一網打尽にし、辺りを地獄絵図に陥れる。
その神の秘密を握る孤児の少女。
怪しい技を駆使する忍びの男・・・。
歴史小説読んでると名前とか似てるもんで血縁関係とか主従関係が混乱しがちなワタシですが、そのへんも多分できるだけシンプルにしてくれていて、わかりやすい娯楽に徹してる。