乾緑郎のレビュー一覧

  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    いつだったか表紙買いしてそのまま本立てに置いてあったもの。
    なんとなく引っ張り出してみたらこれが面白いのなんの! 攻殻機動隊江戸時代みたいなのかなぁ、とぼんやり読み進んでみたらまあまあまあ!! なんということでしょう

    寛永・元禄の華やかさ、賑やかさを如実に感じさせながら、一方でSF、一方でミステリー。この3つの組み合わせが実に心地よいのです。解説では幕末モデルとありましたが、空気感はむしろ寛永元禄。その中で上代の雰囲気も江戸後期の要素もちょっと混じっており、異なった次元の倭国がそこにあるのです。こちらの日本で伝えられている伝説や史実がちょこちょこ工夫されているのも成る程。

    これは多くの方に

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    2018年11月17日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    短編集の様にストーリーが区切られて展開していくが、全てが繋がっている。
    凄く面白かった。オートメイルの話も出てくるとは!!
    区切られたストーリーがまた、読みやすくて、一話毎に染み入る感じ。
    一気読みしたいが、読み終わってしまうのが勿体ない。そんな感じ。
    タイトルと表紙で、ずっと気になっていたのに、ハズレだったらどうしようか…と手に取れなかった本。もっと早く手にしておけば良かった。
    2作目も同時に買っておけば良かったと後悔。
    すでにもう一回読みたい作品。

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    2018年08月20日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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     江戸を舞台に、からくり技師を中心とした連作短編集。花魁や幕府といった時代小説的な設定を扱いつつ、からくりとは人とはといったSF的なテーマを描いた作品です。しかしながら固くなりすぎず読みやすいエンタメ小説でした。
     人情と合理さのすれ違いなどがふとした瞬間に描かれはっとしてしまいます。また各短編の余韻も幻想的で美しく、いい作品でした。

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    2018年07月14日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    これはすごい作品!あえていうなら「時代劇版ブレードランナー」とにかくめちゃめちゃ面白かった!

    五つの連作短編集。それぞれが単独でも楽しめる上に、読み通すとさらなる感慨に浸れる構成。
    最初の作品は小噺のような伝奇のような、つかみとしては見事としか言いようがないお話し。
    その後に続く二作目以降はより連作の様相が強くなっていき、読み応えも俄然増す。
    徐々に明らかになっていく「伊武」の正体。その謎解きの過程がまた見事。
    そしてその「伊武」がとても魅力的で可愛らしい。甚内、春日、そして天帝といった登場人物たちもまた実に魅力的。

    そして大森望さんのあとがきでの絶賛ぶりが熱い!
    初めて読んだ作家さんだっ

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    2018年02月14日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    パラレル江戸時代を舞台にしたミステリーファンタジー。アンドロイド誕生にまつわる秘密やスチームパンク風味がたまらなく好みでした。
    表題作の短編から5つの物語を通じて、スーパーテクノロジーの結晶である伊武の誕生の謎と、天帝家に係る隠蔽された秘密が徐々に明らかになっていく展開に引き込まれ、圧倒され、そして最後は胸アツに。

    筋立てが鮮明で、謎解きも納得できて、魅力あふれる物語でした。
    伊武がお百度参りしたり、「箱」に座るヤツがいると激怒したり、人間味とはこういうところにあらわれるのだなと思わせるキャラでほんとに好き。
    対称的に、神器は幕府への復讐を背負わされた冷徹さのみかと思ったけど、暗闇を共にした

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    2018年02月09日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    将軍が治める「天府」の城下、幕府精錬方手伝を務める釘宮久蔵の元に、一人の侍が訪れる。馴染みの遊女にそっくりの「機巧人形(オートマタ)」を作って欲しいと依頼する侍の前に現れたのは、生身の女性と区別が付かない美しい機巧人形の伊武(いゔ)。久蔵はこの伊武をベースに遊女の機巧人形を作ってみせると言い放ち、その後侍の元に遊女そのものの女が訪れる・・・

    いやーーー、これはやられました。めちゃくちゃ面白いです!何と艶やかな世界観!

    文化文政時代の江戸に酷似した「天府」を舞台に、機巧技術を巡る権謀術数が繰り広げられる短編5本による連作です。連作集のタイトルにもなっている冒頭の作品「機巧のイヴ」が、その後の

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    2017年12月26日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

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    鍼灸がテーマで馴染みが薄いかもしれないが、とても読みやすくてすぐに物語の中に引き込まれました!!
    鷹野と真奈のやりとりがおもしろく、鷹野の話の折りたたみ方も見事です。

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    2014年09月28日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

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    いわゆる日常の謎系の短編集で、鍼灸院にまつわるあれこれの謎がテーマです。謎とそれが解決に至る道が、さりげないながらもすごく深い。文章もうまくてテンポがいいので、密度はあるのにさらさらと読めてしまいます。
    一応1年というくくりでこの本は終わってるんですが、続かないかなぁ。

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    2014年08月01日
  • 忍び秘伝

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    ネタバレ

    ううむ、乾緑郎おそるべし。
    予想以上にすんごい面白かったー。
    さすが注目の大型新人。
    てゆーかホントに新人?今までどこに隠れてたの。

    戦国時代の予備知識なんて全くないですが、読ませる読ませる。
    武田信玄が天下取りのために手を出した凶神。
    戦場に降りれば血を求めて殺戮の限りを尽くす神。
    川中島では敵を一網打尽にし、辺りを地獄絵図に陥れる。
    その神の秘密を握る孤児の少女。
    怪しい技を駆使する忍びの男・・・。

    歴史小説読んでると名前とか似てるもんで血縁関係とか主従関係が混乱しがちなワタシですが、そのへんも多分できるだけシンプルにしてくれていて、わかりやすい娯楽に徹してる。

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    2012年07月25日
  • 忍び外伝

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    忍び物など司馬遼太郎の「風神の門」以来であったが、初めから回想シーンに突入し、いつまで立っても戻らないのでおかしいなあと思っていたら、何時の間にか次元が同一になり、四次元パラレル宇宙時代劇へと変貌して行ってしまった。忍びの話自体も面白く、それがSF的な話へと移って行くという、これまでにない展開に驚いたが、これは時代小説と言っていいのか、それともSF小説なのだろうか。

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    2011年11月26日
  • 忍び外伝

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    織田信長の頃の伊賀忍者達を描いた「冒険活劇SF伝奇時代小説」とも呼びたい、超一級のエンターテインメント。文句なしに面白い。何となく続きも書けそうな結末に期待も高まります。この人、2010年のこのミス大賞受賞者だそうです。

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    2010年12月14日
  • 完全なる首長竜の日

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    タイトルに惹かれて手に取りましたが、まさか少し前に読んだサリンジャーの「バナナフィッシュ」が出てくるとは思わず驚きました。
    物語は“夢と現実のあわい”を描くような不思議な世界観で、神秘的なのに読みやすいのが印象的。
    個人的にはスパッとした結末が好みなのですが、本作はむしろ読み終えたあとにじんわり考えさせられる余韻が残るタイプでした。

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    2025年11月30日
  • 私たちに残されたわずかな永遠

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    ネタバレ

    面白かった!

    でも、カナコ達は一緒に複製播種船に乗らなかったのかな?
    時間がなかったの??
    アリサがずっとかわいそうで、特に喧嘩を仲裁しようとした5歳のアリサに涙が出たし、ずっと一人きりで何千年?何万年もその思い出を反芻してるのかと思うと……。つらい……。

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    2025年11月16日
  • 私たちに残されたわずかな永遠

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    ゴトーヒナコさんの装画に惹かれて手に取りました。
    読み終えたあと、改めてカバー表紙を見返すと、「そういうことだったのか……」と深く胸に響きました。
    物語の壮大さと静かな余韻が見事に調和していて、本当に素晴らしい作品でした。

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    2025年11月10日
  • 私たちに残されたわずかな永遠

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    交わりそうに無い二つの物語が、こんなにも綺麗に絡み合う展開がとても面白かった。実際には自分たちに残されたわずかな時間でも、今を生きている私たちにとっては永遠に続くと感じてしまう。限られた人生で後悔のない選択をしていきたいと感じさせられた。

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    2025年11月09日
  • 愚か者の島

    匿名

    購入済み

    面白かった。
    登場人物のほとんどがめちゃくちゃ嫌な奴、もしくはうっすら嫌な奴ですが、
    あっさりとした文章(米)で、読んでいてイライラすることもなく、
    テンポの良さと読みやすさで一気読みでした。
    他の著書も読みたいと思いました。

    (米)鬱陶しい正義感や葛藤、不必要な描写をくどくど語らない

    #ドキドキハラハラ #ドロドロ

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    2025年11月09日
  • 私たちに残されたわずかな永遠

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    「人は死ぬのがわかっていても、人との争いをやめない。謝りたい人や、仲直りしたい人がいるなら、素直にそうしておいた方がいいのにね……」という台詞が物語中の場面も相まってぶっ刺さった。
    面白かったので満足。

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    2025年10月26日
  • 完全なる首長竜の日

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    現実世界とセンシング世界とセンシング世界の中のセンシング世界という3つの構造からなる物語。途中読んでて違和感を感じた出来事は主人公が現実世界にいると思い込んでいるが故の出来事かもしれない。最後にはセンシング世界の中にいることを確信して引き金を引いて終了。死んだ人であってもその人のことを覚えている人が生きている限りは本当の意味での死ではないとして、最後には自然流産の女の子まで出てきた。バナナフィッシュという物語が引用されていたり終わり方もそのオマージュらしくそこの理解が追いついていないので素人は作品の100%を感じられずに終わってしまううかもしれない。。

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    2025年10月12日
  • ねなしぐさ 平賀源内の殺人

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    平賀源内の最期に何があったのか。
    あの事件の真相は。
    史実としても、あそこから生き残っていたという説も(可能性は低いとはいえ)あるらしい。
    冒頭のあの事件は、実際に起こっているんだよね。。。
    そして、その後に語られる話の意味、そうきたか。
    あの事件に至るまでの源内さんが周囲の人の視点から語られる。志乃との関係がよかったなぁ。櫛も、本当によかった。
    たけとんぼ、平賀源内の発明っぽく書いてあるのも楽しい。(史実ではないっぽいけど、気にしない。)
    非業の最期を遂げた人が生き延びていたかも、というのは、後世の人の願いでもあるのだと思う。
    さて、源内さんはどうだったのだろうか。

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    2025年05月06日
  • 完全なる首長竜の日

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    「SCインターフェース」
    それは、植物状態の患者と家族が
    意思疎通ができる医療器具。

    少女漫画家の淳美は、この器具を使って
    自殺未遂して意識不明となった弟 浩市と
    対話をし、自殺を図った理由を聞こうとする。
    しかしある日から淳美の周囲に不可思議な現象が
    起こりはじめ、事態はまさかの方向へ……。
    というお話。

    クリストファー・ノーラン監督のインセプションを
    はじめとして「これが夢か現実か」を問う物語は
    たくさん見てきましたが、小説でこの世界観を
    味わうのははじめてでした。

    読んでる最中も、「これは夢やろ…」
    「え、どっちなん?」とか
    疑心暗鬼とワクワク、不安が入り交じる
    おもしろい読書体験

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    2024年12月20日