【感想・ネタバレ】愚か者の島のレビュー

あらすじ

ようこそ、偽りの楽園へ。
理想郷を求めて無人島に入植した9人の男女の行く末は――。
人間の本質を浮き彫りにする、ディストピア小説!

独自の自然主義に染まった医師・土岐周一郎と不倫相手の北郷咲良は、家族も仕事も捨てて、沖縄の遥か南にある無人島へと入植した。彼らの移住を機に、他にも入植者たちが現れる。
しかし、島には先住者が潜んでいた――その正体は逃亡中の殺人犯、苅部公則。
人々の理想の楽園だったはずの島は、やがて人間のエゴと憎しみがぶつかり合う「愚か者の島」へと化していき……。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

面白かった。
無人島なんて普段生活の上で考えたこともない舞台がテーマの小説で、実に興味深かった。
内容の参考となっている実際に無人島で起きた事件のことも初めて知って、調べる良い機会にもなった。
生きる上で改めて、世の中自分の知らないことばかりで面白いことが沢山あると、本を通して痛感する。
文明利器に甘やかされて守られて生きてきて、無人島なんて行きたくもないが、もしとんでもないパンデミックが起きてそれに近い生活を強いられたらどうなるのだろう、と考える。
今ではコロナウイルスもすっかりただの風邪扱いだが、当時周りの薬局から衛生用品や備蓄食料があっという間に底を尽きていたことを思い出す。
皆が皆パニックに侵され、溢れ返る情報の中から何が正しいのか精査出来ない状況の中で、果たして自分はどこまで生存出来るのか。
恐らくすぐに負けてしまうだろうな。

0
2025年05月15日

匿名

購入済み

面白かった。
登場人物のほとんどがめちゃくちゃ嫌な奴、もしくはうっすら嫌な奴ですが、
あっさりとした文章(米)で、読んでいてイライラすることもなく、
テンポの良さと読みやすさで一気読みでした。
他の著書も読みたいと思いました。

(米)鬱陶しい正義感や葛藤、不必要な描写をくどくど語らない

#ドキドキハラハラ #ドロドロ

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

理想郷を求めて無人島に入植した9人の男女のディストピア小説。男女で無人島だから、アレなシーンが多いかと懸念してたけど、それほどではないので大丈夫だった。絶海の孤島ではなく、定期的に差し入れされる無人島なので、サバイバル要素は薄め。愚か者がテーマだけど、朱に交われば赤くなるで愚かな人と一緒にいると愚かになっていくのかなと感じた。

0
2024年08月22日

Posted by ブクログ

乾緑郎『愚か者の島』祥伝社文庫。

初読み作家。

沖縄の遥か南に位置するフリムン島という名の小さな無人島を舞台にした人間の本質を浮き彫りにするディストピア小説である。

図らずも無人島に集まった10人。それぞれの思惑と欲望が渦巻き、僅かばかりの均衡で辛うじて保てていた平和が音を立てて崩れていく。

西村寿行のハードバイオレンス小説のような風合いを感じるが、そこまでの思い切りも無ければ、そこまでのレベルも無い。

別れ話を持ち込んで来た恋人の女性を殺害し、逃亡を重ねる大学生の苅部公則はフリムン島の中にあるガマと呼ばれる洞窟に身を潜めていた。

その島に独自の自然主義を主張する医師の土岐周一郎と不倫相手の北郷咲良が、家族も仕事も捨てて入植して来る。

その後、不登校で引き籠もりの中学生の諒の将来を危惧する石毛久志と美千子の一家が一匹の犬を連れて入植して来た。

さらには嘉門真澄という女性が阿久津被害者と亀石という2人の男と島にやって来て、土岐や久志にこの島を持ち主から買い取り、グランピング施設を作ると告げる。

南国の楽園の島にたちまち不穏な空気が漂い、人びとの諍いが始まる。

本体価格960円
★★★

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2024年08月15日

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