乾緑郎のレビュー一覧

  • 鷹野鍼灸院の事件簿

    Posted by ブクログ

    鍼灸が好きである。
    時々、全身鍼をしている。
    知識は全くないけれど、
    身体の中の血液だかリンパだか知らないけれど、
    グルグル身体中を巡る感じが、大好き。

    鍼灸院で働く新米鍼灸師の真奈の
    お仕事ミステリーと言えばいいのかな。

    最初のほう、この主人公が若いのに
    とっても怒りんぼなので、残念だった。
    いまからこんなに怒りんぼだと、
    更年期にはすんごい怖いおばちゃんになってそう。

    全体的には楽しかったので、続編がでたらまた読みたいなぁ。
    鷹野先生は結構タイプだわぁ

    0
    2015年07月02日
  • 海鳥の眠るホテル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     語り手が話していることは現実か非現実か、それを対比させながら物語を進める。

     このミス大賞「完全なる首長竜の日」の作者、乾緑郎の話の進め方は読み手を物語へ引き込む力が強い。

     
     写真学校へ通いながら裸婦モデルのバイトをしている千佳、

     近頃の物忘れの激しさから検査をすると若年性アルツハイマーと診断された中年女性、君枝、

     そして東京から二時間ほどの温泉街の奥にある廃ホテルの一室を住みかとする記憶をなくした男。

     この三人の視点から物語は進む。

     三人が語る日常は、日常生活そのものなのだが、どこか違和感を感じるような、その違和感に物語は緊張で張りつめる。

      廃ホテルの一室で見

    0
    2014年07月31日
  • 海鳥の眠るホテル

    Posted by ブクログ

    登場人物たちが、悪いほう悪いほうに転がっていくので、読んでいて少しめげました。ただ、主に廃墟のホテルで起きている事象から目が離せなくなっていって、途中からはぐいぐい引き込まれました。終盤に向かってパズルのピースがはまっていく感じは気持ちよくさえありました。
    なかなか救いのない話ですが、ラストシーンは少しだけほっとしました。

    0
    2014年07月20日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

    Posted by ブクログ

    話の展開が面白くなって来た。鍼灸院の治療内容は、参考になるのと、次の会話は面白い。
    p64
    「愚者は人に教えたがる、賢者は人から学びたがる。シェークスピアの言葉だ。知っているか」
    「シェークスピアのことばで?知りません」
    腕組みをし、鼻の穴を広げて言う鷹野に、うんざりした気分で私は答える。
    「他人を弟子役にして師匠ごっこをやりたがる人間なんて、ろくなのがいないってことさ」
    「先生、たぶんそれ、シェークスピアじゃなくてチェーホフだと思います」
    うっと声を詰まらせ、椅子からずり落ちそうになる鷹野に、聞き流してやればよかったかなと私はちょっと反省した。
    p148
    柔整とは柔道整復師、つまり接骨院や整

    0
    2014年08月04日
  • 忍び秘伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    共に異形で実在したかどうかもわからない飛び加藤と山本勘助を中心に据え、忍法合戦ものの王道で非現実的な忍法が多々、登場するが、それらも地通り越して、甲賀三郎の諏訪伝説を下敷きとしながらも、クトゥルー神話まで引っ張り出した邪神召喚の話に繋がるスケール感は圧巻。前作も訳のわからない忍法が登場する話であったが、時系列が凝り過ぎていてよくわからなかったが、本作は、そのあたりは実にストレートでわかりやすい分、話としては、より面白くなっている。ただし、同じくタイムパラドックス的なものとなっており、同一人物が同時に存在するという矛盾にも一切、頓着せずに話が突き進む潔さはかえって好感がもてる。それにしても三姉妹

    0
    2011年11月22日
  • 忍び外伝

    Posted by ブクログ

    南北朝の対立から、本能寺の変まで、時代を裏側から操る闇の職人集団。時空を自在に超える伊賀の忍びと、不老不死の力で対抗する謎の左術師、怨念の争い。超盛りだくさんの要素で、大長編になるところを大胆に突っ走った快作です。登場人物も魅力的なんですが、物語の展開のスピード感に気持ちが入り込むところまで行かず、やや物足りなさが残ります。この中途半端な感じは「完全なる首長竜の日」でも感じたところ。でも、これくらい一気に読める方がイイのかも。幻術合戦は映画にするほど派手ではありませんが、舞台で見ると面白くなりそうです。

    0
    2011年10月09日
  • 忍び外伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    忍者物は、白土三平のように徹底的にリアリズムに徹して書くか、山田風太郎の様に荒唐無稽に書くかのどちらかになることが多いが、本作は少々、どっちつかずとなっているが、やや山田風太郎寄りで、なおかつテーマが時空を超える忍法なので、時系列も含め分かりにくいところと、多くがてんこ盛りに盛り込まれているので、消化不良となっていることを差し引いても、十分に面白い。ただし、窺見衆と果心居士との確執の結末も、たぶん、その後の石川五右衛門となるであろう主人公との結末も語られ切らずに終わるため、続きをというスケベ根性があるのかなと思われるが、素直にそれに乗っかり、続編を期待したい。主人公と果心との関係がもう少しなけ

    0
    2011年01月31日
  • 忍び外伝

    Posted by ブクログ

    第2回朝日時代小説大賞受賞作
    時代と時空に翻弄された忍者エンターティンメント
    映像化したら面白いかも

    0
    2010年12月14日
  • 浅草蜃気楼オペラ

    Posted by ブクログ

    可愛らしい表紙に呼ばれて、、、。
    内容も、可愛らしくて楽しいお話かと思いきや、、、。
    その当時に実在してた人物がタクサン出てきたりして、「なんか、朝ドラ?朝ドラやな。」なんて思いながら読んでた。

    ☆プロローグ
    ☆一章 帝劇とローヤル館
    ☆二章 浅草オペラ
    ☆三章 カルメン
    ☆エピローグ

    0
    2025年11月24日
  • 私たちに残されたわずかな永遠

    Posted by ブクログ

    あっちこっちに話が飛んで、あれれ??と思いながら読んでいくと、だんだん繋がっていく。
    ファンタジーなような、そう遠くない未来というか。最後まで人としての正しい心を残して生きていきたいものだ。

    0
    2025年11月10日
  • 完全なる首長竜の日

    Posted by ブクログ

    とても難しかった。
    胡蝶の夢がテーマの作品。SF要素があり、おもしろい設定だった。

    昏睡状態の患者とセンシングして、精神世界の中で対話する話。読み進めるに連れて少しずつ違和感が出てきて、どの場面が現実でセンシング中の夢の話なのか分からなくなった。

    意識を取り戻したと思った主人公は結局夢から醒めることができていなかったのか。最後の1文をどう解釈したらいいのかわからない。もう一度読み直したい作品。

    0
    2025年07月08日
  • 浅草蜃気楼オペラ

    Posted by ブクログ

    私の祖母は大正生まれでした。祖母の生まれた時の時代背景も身近に感じました。そしてその大正時代においても夢を追いかけて自立して生きるオペラ歌手の妙子の強さやハルちゃんとの友情はとっても印象に残りました。

    0
    2025年06月15日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    シリーズ第3作目にして、一応の完結編。

    前作、前々作を読んでから時間が経ち過ぎており、繋がりというか、伏線みたいなものは全く覚えていない状態で読む。

    イヴが機巧人形であるということがあまり内容に活かされていないというか、イヴは最早主人公ですらない。

    退屈はしないが、物語の長さの割に満足度は高くない。

    シリーズものは連続して読むに越したことはないことを再認識した次第である。

    星は3つ。3.3くらいか。

    0
    2025年04月10日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    シリーズ第2弾。

    1作目の面白さは超えられず。
    しかし、本作はそれはそれで面白い。
    1作目の事など殆ど覚えていなかったが、全く問題なく楽しめた。

    調べたところ3作目も既に文庫で出版されており、これはいずれ読みたいと思う。

    1作目に比べてイヴがちょっとおとぼけキャラになっていたような気がするが、それはそれで良いのかもしれない。

    星は3つ。3.4とか。

    0
    2025年04月09日
  • 完全なる首長竜の日

    Posted by ブクログ

    この手の夢と現実の曖昧な作品は嫌いではない。

    そんなに悪くないが、オチもラストも想像とおりの展開で驚きがなかった。

    映画になるようだが、どうなんだろうか。

    0
    2025年04月07日
  • 完全なる首長竜の日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    よみおわったあと、心底ぞっっっとした。さらさら読めるし、主人公の仕事関係のエピソードもたのしくよめました。おもしろかったです。

    0
    2025年02月03日
  • 彼女をそこから出してはいけない

    Posted by ブクログ

    現代的なホラーでサクサク読めました。
    コレは私が同性だからなのか、モヤつきましたね。なんだコイツ!ってずっと思いながら読んでました。
    コケティッシュとでも言うんでしょうか…嫌ですねぇ、それで周りがめちゃくちゃになって行くのを見るのがなかなかしんどい。でもどうしてこうなったのか気になっていっきに読みました

    0
    2024年09月21日
  • 彼女をそこから出してはいけない

    Posted by ブクログ

    フリーライターの大塚文乃は、注目の画家・荒木一夫のルポを書くため、個展を訪ねた。ダムの底に沈んだ今は無き町、小楷町を再現した絵の前に立った時、いるはずのない少女が絵の中に現れ、文乃は気を失ってしまう。
    後日、小楷町の歴史を調べるうち、「ツキノネ」と呼ばれる土着宗教の神の存在を知るが、その名はある老夫婦の惨殺事件現場で発見された少女と同じものだった。


    民俗学要素のあるホラー? サスペンス? 作品です。
    2019年出版の『ツキノネ』を改題して文庫化したもの。

    土着宗教の神なんかの存在を扱っていますが、超存在・超常現象が怖いというよりは、怖さのベクトルはじっとりしたヒトコワ系(ヒトではないけど

    0
    2024年08月16日
  • 愚か者の島

    Posted by ブクログ

    乾緑郎『愚か者の島』祥伝社文庫。

    初読み作家。

    沖縄の遥か南に位置するフリムン島という名の小さな無人島を舞台にした人間の本質を浮き彫りにするディストピア小説である。

    図らずも無人島に集まった10人。それぞれの思惑と欲望が渦巻き、僅かばかりの均衡で辛うじて保てていた平和が音を立てて崩れていく。

    西村寿行のハードバイオレンス小説のような風合いを感じるが、そこまでの思い切りも無ければ、そこまでのレベルも無い。

    別れ話を持ち込んで来た恋人の女性を殺害し、逃亡を重ねる大学生の苅部公則はフリムン島の中にあるガマと呼ばれる洞窟に身を潜めていた。

    その島に独自の自然主義を主張する医師の土岐周一郎と

    0
    2024年08月15日
  • 浅草蜃気楼オペラ

    Posted by ブクログ

    えっらい可愛らしい表紙で。。。そんな可愛らしいお話を書く作家さんだっけ?と思いながら読みました。

    これは・・・なんだろう?史実に基づいているんだろうか?さすがに主人公たちはフィクションなんだろうけど、浅草の演劇の変遷がいかにもそれっぽい。
    調べてみたら・・・やっぱりそうなんだ。なんか途中から妙に駆け足めいた書き方になるのがいかにも史実をなぞってる感じでした。なんだか「こういうことがありましたよ」ということに終始していてちょっと興ざめ感も。
    こういうことがあったんだな、という興味深さはあるものの物語としての面白さはそこまででもなかったかな。

    0
    2024年06月14日