あらすじ
浪漫(ロマン)とモダニズムの花咲く1918年。美しき機巧人形(オートマタ)・伊武(イヴ)は、女学校の友人・ナオミとともに訪れた猫地蔵坂ホテルで、ある男と運命の出会いを果たす。恋の始まりを予感したそのとき、幸せな日常を引き裂く大震災が襲う。時代の波に翻弄され、廻り出す運命の歯車。そして物語の舞台は、大陸の新国家・如洲(にょしゅう)へ――。心を持たない人形が問いかける、愛とは、魂とは。日本SF小説史に残る圧倒的傑作。
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これに限った話ではないのですが何書いてもネタバレになりそうです。大正女学生の少し大人びた冒険から始まり、途中から凄い展開になっていきます。そして最後は煽れんばかりの愛あるSF…という。簡潔に言うと「かなり面白いオススメの作品」です。
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機巧のイヴシリーズ完結編。
シリーズを読み終え、今後、日本で本作を超えるSF物語が生まれるのだろうか...
それ程の余韻に浸れる作品でした。
大きく分けると大正時代と昭和初期を彷彿させる時代設定での二部構成。
大正時代と言えば何を思い浮かべますか?
大正浪漫、ハイカラさん、そうです、全部入ってます(笑)
しかも、前作から主要登場人物は変わらず、舞台は日下國へ。
おかっぱ頭で袴を履き自転車に乗るイヴ、想像したら思わず吹き出しそうになりました。
そして後半は舞台を大陸の新国家・如州へと移ります。
ここではイヴの女学校時代の友人・ナオミの秘密が明かされると共に、イヴとナオミの側にいた多くの人々が命を落としていきます。
前作で動かなくなっていたイヴに魂を吹き込んだ八十吉、今作では軍部により研究の為バラバラにされたナオミに魂を吹き込む林田、まさに機巧人形の愛の物語。
ラスト、思わぬかたちで動きの止まったイヴ。
シリーズとしては確かに完結しましたが、いつの日か、再びイヴに魂を授ける物語があってもいいんじゃないでしょうか。
それ程に見事な作品でした。
これが、日本の『三体』だ! (翻訳家・大森望)
花咲く浪漫、大震災、そして戦乱――。美しき機巧人形(オートマタ)・伊武(イヴ)が激動の時代を駆け抜ける。世界が注目するSF伝奇シリーズ、クライマックス!!
機巧人形(オートマタ)をめぐる、魂と愛の物語。
浪漫とモダニズムの花咲く1918年。美しき機巧人形・伊武は、女学校の友人・ナオミとともに訪れた猫地蔵坂ホテルで、ある男と運命の出会いを果たす。恋の始まりを予感したそのとき、幸せな日常を引き裂く大震災が襲う。時代の波に翻弄され、廻り出す運命の歯車。そして物語は、大陸の新国家・如洲へ――。心を持たない人形が問いかける、愛とは、そして魂とは。日本SF小説史に残る圧倒的傑作。
出版社からのコメント
「一九一八年と言えば、現実の日本では大正七年。『はいからさんが通る』の時代ということで(? )、小説の前半はまさかの女学校もの。轟八十吉の養女として天府に戻った伊武は、『はいからさんが通る』の花村紅緒さながら、自転車を颯爽と走らせて女学校に通っている」(大森望「解説」より)
内容(「BOOK」データベースより)
浪漫とモダニズムの花咲く1918年。美しき機巧人形・伊武は、女学校の友人・ナオミとともに訪れた猫地蔵坂ホテルで、ある男と運命の出会いを果たす。恋の始まりを予感したそのとき、幸せな日常を引き裂く大震災が襲う。時代の波に翻弄され、廻り出す運命の歯車。そして物語の舞台は、大陸の新国家・如洲へ―。心を持たない人形が問いかける、愛とは、魂とは。日本SF小説史に残る圧倒的傑作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
乾/緑郎
1971(昭和46)年、東京生れ。2010(平成22)年、『完全なる首長竜の日』で『このミステリーがすごい!』大賞を、『忍び外伝』で朝日時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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伊武がかわいいです。誰かに望まれて心を宿したけれど、その誰かをただ一人の人と思い、そこに縛られるのではなく、自由に思いを広げていく伊武が好きです。機能を停止してしまった伊武が、また動き出す時が見たいです。
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フェルの娘ナオミの反抗期と恋のお話。
時代は大正から昭和くらい。
時間軸が十数年後なので伊武だけではなく、八十吉やフェルも登場するのが嬉しい。
それだけでなく、日下國にいた日向の妻や息子も登場します。日向家の役回りが悲しすぎる。恨みでもあるのかといいたくなるくらい全員悲しい。
男性陣は伊武を好きすぎて叶えてくれなかったけど、フェルが天徳さんを目覚めさせてくれたらいいな。と思っていたらの最後の一文でした。
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割と待っていたシリーズ第3巻。
第2巻で伊武が目覚めてから約50年くらいたったあとの話。伊武が女学校に通い始め、 また色々な事件に巻き込まれていく。
関東大震災も出来事として組み込まれており、その際に起きた朝鮮人の虐殺になぞらえた事件も生じた。人間の本性ってこういった極限状態で剥き出しになって怖い。
最後のエンディング的にひとまずこのシリーズは完結したのかなという気がするのだが、また100年後とかに目覚めるのを期待してしまう。
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『はいからさんが通る』は大好きな漫画で、今年宝塚で上演すると聞いて楽しみにしていた。
が、そもそもチケットは取れず、COVID-19のため公演は中止。
なのに、ここでどうして『はいからさんが通る』の世界が繰り広げられるのだ!
丑五郎ならぬ俥夫の重五郎まで!
天府高等女学校に伊武が通っている!
しかも矢絣に紫の女袴。そこにベルトを締めている。
御三家と呼ばれた自由な校風の学校、制服にベルトの付属学校、距離があったので諦めた可愛いセーラー服の横浜の学校。
残念ながら憧れで終わってしまったけれど、本書の中には小学生のころ憧れた世界が描かれていた。
大正!横浜!女学生!
背景だけで話が終わりそうだ。
前作は少し難しい作りであったけれど、本作はまたまた日下国なので親しみやすいし、歴史上の有名な事件、事故も描かれていて夢中になる。
一方、フェル電気のM・フェル氏やその娘、ナオミも登場。
前作で伊武を目覚めさせた八十吉は「父」となっているのだが・・・。
これ以上は言えないのだ。
人間の寿命は、機巧人形から見れば短すぎる。
さよならを言い続けなければならないとき、機巧の心はどう動くのだろう?
本作で伊武tはお別れ?
いやいや、時代は日本の元号でいえば、大正から昭和に移ったところ。
平成、令和の時代にきっと伊武は戻ってくる。
Posted by ブクログ
面白かったです。
今回のイヴは大正~昭和あたり、史実と巧みに絡み合わせてあってドキドキワクワクです。
でも、1巻からするとすっかりイヴは脇役になってしまったな…面白キャラ要素に。
ナオミも機巧だろうな…と思っていたけど、林田さんまでそうなるとは!しかも適当な感じで。酷い。
八十吉くんが亡くなったことでまた止まってしまったイヴだけど、まだ解かれていない謎もあるし(天帝とか)、一応シリーズ終了だろうけど続きを求めています。
命とは……。
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新刊が本屋さんにならんでいたので反射的に手に取りました。
1冊目のようなドキドキはなく、きっと2冊めのようにどこか殺伐としているんだろうなあと思ったら文字通り殺伐でした。
しかし、前回より救いのある部分もあって。
なにより登場してきた瞬間から伊武の愛らしさが炸裂していて、もう伊武ちゃんがいるからこそこの世界が成り立っているのね!とも思えます。読んでいて心がささくれ立っても、彼女の存在で救われます。
次作はどんな時代でしょうね。WW2あたりでしょうかそれとも
機械じかけの眠り姫のお話はきっとまだまだ続くのでしょう。
Posted by ブクログ
三部作完結、とはいえ、イヴは傍観者のポジションに引っ込んだうえ、最後はまた眠りに就く、と。
「続き」を書くとしたら、超古代篇か遠未来篇かな、文芸忍法「火の鳥」ですな(笑)
Posted by ブクログ
シリーズ第3作目にして、一応の完結編。
前作、前々作を読んでから時間が経ち過ぎており、繋がりというか、伏線みたいなものは全く覚えていない状態で読む。
イヴが機巧人形であるということがあまり内容に活かされていないというか、イヴは最早主人公ですらない。
退屈はしないが、物語の長さの割に満足度は高くない。
シリーズものは連続して読むに越したことはないことを再認識した次第である。
星は3つ。3.3くらいか。
Posted by ブクログ
イヴ3部作の最終巻。
まあまあ面白かったけど、やはり1巻が最高だったな。
2巻3巻は、なくてもよいとは言えないけど、ちょっと冗長かな。
また、1巻のようなイヴの短編集を読みたい。