乾緑郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
胡蝶の夢、サリンジャーのバナナフィッシュをチラつかせて夢か現実かという印象を読者に与える。
そして主人公、読者ともに(もしかして…)と思わせていく。
流れとしてはもしかしたらn番煎じなのかもしれないが、そこにどれだけの物語性や納得感を持たせていくかという点において作者の筆力の高さが伺えた。
前半までのどこかで、敦美が自身の漫画を「杉山さんとの子どものようなもの」と表現しており、そこで別の(もしかしたら…)が自分の中で湧き上がった。そういうチラつかせ方も上手いなぁと感じた。
次はサリンジャーを読もうかな。
この原作を読んでしまうと、11年前の実写映画の鑑賞を躊躇する。映画では敦美と浩一が恋 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夢見た舞台女優として歩みを進める
妙子が、ある日出会ったのは
着物に女袴、おしゃれな断髪のおかっぱで
あたまにちょこんとベレー帽を載せている
自分と同じ年端ぐらいのハルちゃん。
右に左に、楽しそうにステップを踏みながら
ヴァイオリンを弾くハルちゃんとそれに合わせて歌う妙子との掛け合いは心に残る名場面。
舞台が近代というのがまた雰囲気あって良い。
出会いや別れ、恋模様やお家問題…次々と起こるそれはまるで人生の一部を見ているような。
可愛い表紙とは打って変わってしっかり重めな内容。
読み終えてから表紙を見てポカポカ。
プロローグを見返してジーン。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「あなたは、どなた」?少年が彼女の冷たい体を抱きしめるとき、運命の歯車が廻り始める──。
いやぁ~痺れますね~
SF×伝奇=未体験ハイブリッド小説!!
シリーズ第1作を読み終えたのが2022.12.29、あまりの面白さに続編を購入し、手にとるまで約8ヶ月...
何やってたんだよ~って心の声が聞こえる間に物語の世界は100年経っていました(笑)
シリーズ第2作となる本作は前作と違い所謂長編物で、江戸時代を彷彿させる舞台から100年後(明治~大正)を彷彿させる時代へと進み、日本を彷彿させる日下國から1893年にシカゴで開催されたコロンブス万国博覧会を彷彿させる世界コロンビア博覧会へと移りま