【感想・ネタバレ】仇討検校(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

鍼灸道を確立し、五代将軍綱吉の御殿医にまで登りつめた鍼聖・杉山検校。じつは、贋者だった!? 一度でも人を斬り殺したものは、血塗られた仇討の連鎖からは逃れられないのか。怨念の呪縛に囚われ、自らを偽り、仕込み杖を携え盲目を装い、因果の大渦から逃げ続けた恩讐の彼方に、その目が見たものは――。目眩くほど壮絶な八十五年の生涯を描く、一気読み必至の大作。『見返り検校』改題。(解説・細谷正充)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

因果応報。悪行の連鎖。こわい話。管鍼法を編み出した杉山検校の話。名前は知っていたが、こんな話があったとは驚き。

0
2024年02月06日

Posted by ブクログ

読まなければ知らなかった歴史上の実在人物も、空想と創造によって物語にされると、わかったような気がしてきておもしろい。

菅鍼法(鍼を管に通して打つ)というのを編み出して有名な(当然知らなかったけど)杉山和一(杉山検校)という盲目の鍼灸師の一生を描いているのだが、伝記的に描いてはつまらなかっただろう。

その人物はある時ある事情から別人にすり替わっている、という物語にしてしまったのだ。そしてそのすり替わった人物柘植定十郎は、目が健常なのだからまたまた複雑になる。目が見えていて白い杖を突いて、胡散臭いのだけど、鍼灸の修行を成し遂げ、開業して人気が出て将軍まで診てしまう出世街道まっしぐら。それだけでなく、勝新太郎も真っ青な仇討活劇と運命とに翻弄されるストーリー展開。

ところでわたしは鍼・灸・指圧が苦手というか、その効果を信じていないところがあるが、ちょっと考え直した。この作者が鍼灸師の資格をお持ちで、このような小説を創るその情熱が伝わってくるので。

0
2021年11月21日

Posted by ブクログ

しばしば実在の人物をモデルに完全なるフィクションで書かれた物語があるが、コレもそのジャンルだった。個人的には、この手段で書かれた話はあまり好きではない。実在の人物が有名である程物語の人物と実在の人物の乖離が生まれそうで、好ましくないと思うからだ。しかしこの話はキチンと区別がつく様に、とあるしかけがしてあるので、良かった。鍼灸師の治療を試してみたくなった。

0
2021年10月01日

「小説」ランキング