あらすじ
決して××に近づいてはいけない。
あの娘がついて来てしまうから――。
フリーライターの大塚文乃は注目の画家、荒木一夫のルポを書くため、個展を訪ねた。
ダムに沈んだ荒木の故郷、小楷町を再現した絵の前に立ったとき、いるはずのない少女が絵の中に現れ、文乃は気を失ってしまう。
後日、小楷町の歴史を調べるうちに、「ツキノネ」と呼ばれる土着宗教の神の存在を知るが、その名はある老夫婦の惨殺現場で発見された少女と同じものだった…………。
【『ツキノネ』改題作品】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
民俗学ホラーという感じ。一人の少女の純粋なというか無邪気な悪意に回りが翻弄されている感じ。登場人物たちの知っていること、調べていることが、すんでのところですれ違って結びつかない。そういったもどかしさがあります。物理的にではなく、じわじわくるホラーですね。
Posted by ブクログ
現代的なホラーでサクサク読めました。
コレは私が同性だからなのか、モヤつきましたね。なんだコイツ!ってずっと思いながら読んでました。
コケティッシュとでも言うんでしょうか…嫌ですねぇ、それで周りがめちゃくちゃになって行くのを見るのがなかなかしんどい。でもどうしてこうなったのか気になっていっきに読みました
Posted by ブクログ
フリーライターの大塚文乃は、注目の画家・荒木一夫のルポを書くため、個展を訪ねた。ダムの底に沈んだ今は無き町、小楷町を再現した絵の前に立った時、いるはずのない少女が絵の中に現れ、文乃は気を失ってしまう。
後日、小楷町の歴史を調べるうち、「ツキノネ」と呼ばれる土着宗教の神の存在を知るが、その名はある老夫婦の惨殺事件現場で発見された少女と同じものだった。
民俗学要素のあるホラー? サスペンス? 作品です。
2019年出版の『ツキノネ』を改題して文庫化したもの。
土着宗教の神なんかの存在を扱っていますが、超存在・超常現象が怖いというよりは、怖さのベクトルはじっとりしたヒトコワ系(ヒトではないけど)に感じます。女が女のライバルに向ける嫌悪感や、人を陥れたり操ったりする手腕が怖い。
生理的な怖さ、気持ち悪さを感じます。
ちなみに、この本の記憶の画家・荒木一夫のモデルとなった画家で、同じように記憶だけで生まれ故郷を描いた画家、フランコ・マニャーニという方がいらっしゃるのですが、本をきっかけに調べてみたらとても面白かったので、そういう意味でも読んでよかったです。