乾緑郎のレビュー一覧

  • 完全なる首長竜の日

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    映像が見えてくるレベルで鮮やかでした。結構な長文でリフレインとか、それが嫌らしくならないのが不思議。

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    2021年08月28日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    このシリーズなんか乗れないな、と思っていたのだが、スチームパンク的ロマンチシズムを期待すると当てが外れるんだ、と今回気が付いた。人種差別や労働争議と言った万博の裏側をリアリズムで描き混む手法は、ハードボイルドでしょ。もちろん、「卑しき街を行く孤高の騎士」というチャンドラー流のロマンチシズムは存在するわけだけれども、これってスチームパンクに期待されるロマンとは、また別の物だよなあ。てなことを今回思った。

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    2021年07月24日
  • 完全なる首長竜の日

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    ネタバレ

    裏表紙の惹句を読んだ時に、まさか○○じゃないよな、と思ったらその通りだった。十年前の話だし、二十年前ならホントにこれを「衝撃の結末」と真面目に言う向きはいたろうから、時代の流れはあるかも知れない。けれども結末まで完全に予想通りで、これはもう様式美の域だと思う。乾緑郎氏は「ライプツィヒの犬」でも、予想通りのオチだけれど、つまらないわけではないという感じだったから、プロットのひねりより、ディテールの作家さんなんだろう。実際ヒロインの日常生活の手触りとかはよかった。しかしまあ、さすがにこれを「衝撃の結末」と煽られると絶句する。

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    2021年06月10日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    オーバーテクノロジーが存在する架空江戸(天府)を舞台にしたSF時代劇。スチームパンクに例えることできるが、赤影の世界だよなあ。読み切り短編の色が濃い、初期の作ほど時代劇寄りの感じ。木枯し紋次郎あたりを思わせるが、後半になると連作の感じがはっきりしてきて、SF色がぐっと強まる。読み切りの形でもう少し勝負しても良かったような気もする。

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    2021年06月02日
  • 機巧のイヴ(新潮文庫)

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    歴史×伝奇×SF。天帝と幕府が二大勢力として君臨する、江戸によく似た世界が舞台。伊武(イヴ)という精巧なガイノイドを巡り、命とは何なのかを問いかける。押井守の『イノセンス』のような世界観を彷彿とさせる。一本筋の通った連作短編集で、どれも読み応えがあり面白かった。

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    2021年05月06日
  • 完全なる首長竜の日

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    タイトルから、ひかれた。
    今の現実が本当にリアルなのか?
    この感想を書いていることさえ。
    見事などんでん返しでした。
    次の作品に期待。

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    2021年03月05日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ――

    “ 馬離衝《バリツ》と呼ばれる武術の特徴は二つある。
     一つはその呼吸法だ。馬離衝では「相気」と呼び、これを調和させることを目的とする。
     一元、太極、三才、四神、五行の五種類の呼吸法があり、敵をねじ伏せるのではなく、調和することによって力を封じ、無力化するのが馬離衝だ。”


     ……いやぁSFだなぁ。真面目に。

     乾緑郎『機巧のイヴ』二作目は新世界覚醒篇、ということで前作から約100年の時を経て、舞台は大陸へ移る。万博という、云うなれば技術狂いの舞台設定の中に、けれど機巧人形は埋没することはなくて。むしろ技術の先端でこそ、いのち、との境目は歴然として。

     前作よりもハードボイルド

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    2021年02月24日
  • 完全なる首長竜の日

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    これをミステリーと呼んでいいのかどうか。
    一人称の語り部が、実は虚構の中の出来事を、こうあったらいいと思い描いていることが、実際の現実とオーバーラップして錯綜している。
    それはどこか、虚構なのにあまりにもリアリティがあって、逆につかみどころがない。
    首長竜の出番もあまりなくて、少しふに落ちない。

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    2020年09月09日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    前作よりも主要キャラの造詣が類型的になっているのが残念だなあ。ただ、時代設定や万博という舞台立てはおもしろい。組合潰しなんかをやる探偵組織というとこほは、コンチネンタル・オプを連想した。次作もあるので、そちらも楽しみ!

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    2020年09月09日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    余韻が残るオチ。伊武を主体とする物語なら、確かにこれで終わりだろう。またリブートして続編が出ることを望む。

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    2020年08月23日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    イヴ3部作の最終巻。
    まあまあ面白かったけど、やはり1巻が最高だったな。
    2巻3巻は、なくてもよいとは言えないけど、ちょっと冗長かな。
    また、1巻のようなイヴの短編集を読みたい。

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    2020年08月09日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

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    鍼灸師が主人公。鷹野先生の洞察力と推理力が優れているのは分かったけど、肝心の治療技術については真奈の話と伝聞しか無く。鍼灸師の世界て村社会というか面倒そう。有名鍼灸師はだれかモデルがいるのかな。真奈と吹石の話は悪意がないだけに残酷。鷹野先生は真奈が好きなのか?チラチラ匂わせてた気がする。鍼灸治療受けたいな。

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    2020年08月05日
  • 機巧のイヴ―新世界覚醒篇―(新潮文庫)

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    だいぶ時間を置いて読んだ続編なので、繋がりが見えなかったりして充分には楽しんだと言えないかもしれない。それでも登場人物の思いの強さ、執着の根拠には裏付けが弱かった気がする。ただ、ストーリーは面白いので、次作も読んでみようと思っている。

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    2020年07月26日
  • 僕たちのアラル

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    人工的に作られた
    異次元的な世界「スフィア」
    生まれた時からここの中で育った井出拓真に巻き起こる出来事‼︎
    そこで生まれたものは、そこの世界しか知らない。
    そこで生まれたものは、そこに戻りたい。そこで生きたい‼︎

    私には、知らない事がまだまだ沢山あるのだと
    考えずにはいられない。。。

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    2020年05月28日
  • 完全なる首長竜の日

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    映画「リアル」の原作で、「このミステリーがすごい!」2010」年大賞受賞。

    昏睡状態にある患者とインターフェイスという機械を通じてコミュニケートできる世界。自殺未遂を図り意識障害に陥った弟とのインターフェイスを通じて、自殺の原因を探ろうとする少女漫画家の主人公。
    時折思い出す昔の風景やフラッシュバックする記憶をたどっていくうちに判明するのは・・・。

    話の内容はさておき、巻末にある「このミス」の選考メンバーによる選評が想像以上に厳しくてびっくりしました。面白い作品を生み出すのって、大変なんだなと改めて思いました。

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    2020年05月08日
  • 機巧のイヴ―帝都浪漫篇―(新潮文庫)

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    #日本SF読者クラブ シリーズ3作目で一応の完結編となる。大正浪漫とモダニズムを髣髴させる時代が舞台。美しきオートマタの伊武(イヴ)。あとがきにもあるように、「未来のイヴ」や「攻殻機動隊」などの作品のオマージュが感じられる。そして作を重ねるごとに、軽妙さが増してきているように思える。イヴのキャラクター付けが、神秘から世俗に移ってきたからか。これは嫌いではない。

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    2020年04月08日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸

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    ・鍼灸院が舞台の短編集第二弾。いちおうミステリ?
    ・鷹野さんへの真奈さんの当たりが強くなったような。
    ・真奈が他者の人生に関わりがちなのに鷹野は批判的だ。
    ・鍼灸師のすべきこと、できることは?
    ・真奈のお節介さは変わらないし作品にとって必要条件。
    ・アイスマンの話が鍼灸って感じで舞台にそぐってた。
    ・真奈の性格も相まって基本的に人情話。

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    2019年12月28日
  • 完全なる首長竜の日

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    漫画家の和淳美は、意識不明のまま入院中の弟の浩市と最先端の医療技術を使ってコミュニケーションを取り続けていたが、浩市の自殺未遂の謎は解けぬまま。そんな折、自身の長年の連載終了が決まったり、ふとしたことで子供の頃の遠い記憶を思い出したり、様々なことが起こるが、どれも夢のような現のような不思議な雰囲気を纏って話は進む。
    後半の展開は「そうきたか」という感じ。拾いきれていないけれど、今思えばたくさん伏線もあった。エンターテイメントとして読めば面白い話だ。でも、この話を「自分だったら?」と思ったとたん、とても怖くなる。読み終えた今は、私は怖い気持ちの方が強い。
    これの映画は、一体どんな感じだったのだろ

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    2019年12月18日
  • 決戦!川中島

    購入済み

    書きつくされたテーマだけに

    川中島の合戦はあまりにも有名で書きつくされたテーマだけに、これだけの気鋭の作家を並べても「どこかで見たこと読んだことのある視点」と思えてくるのが残念。各作者の中で乾緑郎の作品が印象に残った。

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    2019年11月16日
  • 鷹野鍼灸院の事件簿

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    【内容】鍼灸業界が題材のミステリ。
    【感想】鍼灸に関する蘊蓄はほどほど。あまり詳しくやられるよりはこのくらいがちょうどいいかもしんない。ミステリ成分もほどほど。鷹野さんはカバー絵から思ってたほど飄々とはしてなかったのでもう少しそんな感じでかつ出演シーンももう少し増やしてもいいかも。続編あるなら読んでみたいとは思った。

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    2019年11月03日