作品一覧

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    4.4
    1巻7,150円 (税込)
    1947年、ユダヤ系の家庭に生まれたアーチボルド・ファーガソンの、驚くべき仕掛けに満ちた成長物語。ドジャースLA移転、ケネディ暗殺、ベトナム反戦運動。50~70年代のアメリカを生きる若者の姿を、緻密で独創的な四重奏で描く。「この本を書くために一生待ち続けていたような気がする」というポール・オースターの、作家人生の総決算となる大長篇。
  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    君がまだ3歳か4歳だった頃、君と地面はもっと近かった。君の父親がついた小さな嘘。母親が打った特大のホームラン。心揺さぶられた映画。性の目覚め。学生運動。パリでの暮らし。妻との出会い。外見はまるで変わっても、君はまだかつての君なのだ――。人生の冬にさしかかった著者が、身体と精神の古層を掘り起こし、自らに、あるいは読者に語りかけるように綴った、温かで幻想的な回想録。
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)
    4.2
    1巻880円 (税込)
    奇妙な老人が奇妙な部屋にいる。彼は何者なのか、何をしているのか――。オースター作品に登場した人物が次々と現れる「写字室の旅」。ある男が目を覚ますとそこは9・11が起きなかった21世紀のアメリカ。代わりにアメリカ本土では内戦が起きている。闇の中から現れる物語が伝える真実。年間ベスト・ブックと絶賛された「闇の中の男」。傑作中編二作を合本。ここに新たな物語空間が立ち上がる。
  • 幽霊たち(新潮文庫)
    4.0
    1巻473円 (税込)
    私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何の変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー……。'80年代アメリカ文学の代表的作品!(解説・伊井直行/三浦雅士)
  • ガラスの街(新潮文庫)
    4.0
    1巻605円 (税込)
    「そもそものはじまりは間違い電話だった」。深夜の電話をきっかけに主人公は私立探偵になり、ニューヨークの街の迷路へ入りこんでゆく。探偵小説を思わせる構成と透明感あふれる音楽的な文章、そして意表をつく鮮やかな物語展開――。この作品で一躍脚光を浴びた現代アメリカ文学の旗手の記念すべき小説第一作。オースター翻訳の第一人者・柴田元幸氏による新訳!
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)
    4.2
    1巻880円 (税込)
    六十歳を前に、離婚して静かに人生の結末を迎えようとブルックリンに帰ってきた主人公ネイサン。わが身を振り返り「人間愚行(フォリーズ)の書」を書く事を思いついたが、街の古本屋で甥のトムと再会してから思いもかけない冒険と幸福な出来事が起こり始める。そして一人の女性と出会って……物語の名手がニューヨークに生きる人間の悲喜劇を温かくウィットに富んだ文章で描いた家族再生の物語。
  • ムーン・パレス(新潮文庫)
    4.5
    1巻924円 (税込)
    人類がはじめて月を歩いた夏だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。彼は僕と世界を結ぶ絆だった。僕は絶望のあまり、人生を放棄しはじめた。やがて生活費も尽き、餓死寸前のところを友人に救われた。体力が回復すると、僕は奇妙な仕事を見つけた。その依頼を遂行するうちに、偶然にも僕は自らの家系の謎にたどりついた……。深い余韻が胸に残る絶品の青春小説。
  • サンセット・パーク
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    大不況下のブルックリン。名門大を中退したマイルズは、霊園そばの廃屋に不法居住する個性豊かな仲間に加わる。デブで偏屈なドラマーのビング、性的妄想が止まらない画家志望のエレン、高学歴プアの大学院生アリス。それぞれ苦悩を抱えつつ、不確かな未来へと歩み出す若者たちのリアルを描く、愛と葛藤と再生の物語。
  • インヴィジブル
    4.1
    1巻2,310円 (税込)
    一九六七年ニューヨーク。文学を志す大学生は、禁断の愛と突然の暴力に翻弄され、思わぬ道のりを辿る。フランスへ、再びアメリカへ、そしてカリブ海の小島へ。章ごとに異なる声で語られる物語は、彼の人生の新たな側面を掘り起こしながら、見えざる部分の存在を読む者に突きつける。事実と記憶と物語をめぐる長篇小説。
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    Posted by ブクログ

    一ヶ月半をかけてようやく読み切りました!
    ネタバレになってしまうため内容はあまり詳しく言えませんが、一章の途中から違和感を覚え、二章を読み始めると「これってまさか...」と慄き、さらに読み進めて、この本の構造そのものに気づいたとき「とんでもない本に手を出してしまった...」とかなり驚愕しました。
    しかしこの構造自体が今まで人生の可能性について、あり得たかもしれない出来事や人にはコントロールしようのない偶然を何度も題材にしてきたポール・オースターならではであると思いました。まさしく集大成の作品です。

    一滴の水滴が水面に落ちて波紋がゆっくり広がっていくように、少年の頃のある人との出会いが考えの礎

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    2025年03月28日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ポストモダニズムがどうとか、巻末にあった文章のようなことは難しくてわからない。作家たちの歴史を学ぶ必要がある。
    ただ単純に、読んで、構造的な面白さが印象深かった。前衛アートのように構造を楽しむものなのかな、と思った。
    主人公たる探偵ブルーは、ホワイトに「ブラックという男を監視してほしい」と依頼される。しかしブラックは日がな一日机に向かっていて、外出は散歩程度のものだ。依頼の意図も知らないブルーは焦れて、飽き、やがてホワイトとブラックについて物語を妄想したり、自己について深く考え込んだりする。ついにブラックと接触したブルーは、ブラックもまた誰かを監視するよう依頼された探偵だと知る。

    監視する者

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    2025年02月01日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    鍵はウォールデンである。
    ある男を監視する主人公は、男の買ったソローの森の生活を読もうとして挫折する。
    ゆっくりと読む、それが主人公の陥った袋小路を打開する唯一の手段。
    しかし、その機会を失った事で、停滞していた監視は、主人公を傍観者の立ち位置から巻き込む形で、監視される男へと、一種、予定調和の様に集約していく。
    ゆっくり読むべきは、我々読者だったのか?
    この転換は、小説の丁度ど真ん中でピッタリと折り返す様に起き、計算された構成を味わえます。

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    2025年01月22日
  • インヴィジブル

    Posted by ブクログ

    2009年刊行の当作品、表題の示す通り、まさに不可視~Invisibule!!

    作品中の部分が実は手記の引用であったり、ある箇所が本人が他者の語りを組み立てなおしたものであったり。。。真相を掴もうとするほどに、霧が濃くなっていく。
    1960年代後半のコロンビア大学  2人の男が出会った。とある出来事から繰り広げられていく情景がずんずん不可視的 invisibule 化していく。
    流れに戸惑い、流され、宙に放り出されて迷子になって行くのは私だけじゃないだろう。

    文学志望の美青年 アダムは暴力と禁断の愛の時間を経て 仏へ、カリブの島へと各地へ流れていく。
    その時間は春夏秋と手記の形でつdられて

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    2025年01月14日
  • ガラスの街(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    物語の中に著者が出てくるメタ要素がある中で、同じくメタ要素のあるドン=キホーテをとりあげるというユーモアさもありつつ、妻と息子を失った主人公の虚無感ゆえの自己の抽象化と、そこから起こる探偵物語のような展開に惹き込まれる。

    どうなっていくんだろうと没入するほど、奇妙に歪められた世界を見ることになった。
    結論から言うと解決はされていない。
    俎上に載せられた問題は何もわからないまま、物語の幕は閉じる。
    真実の物語なのだから、常に答えが用意されているとは限らないよね、という感じなのか。
    それでも、面白い。

    個人的な読字体験として、プルーストとイカ〜読字は脳をどのように変えるか〜を併読していて、文字

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    2024年12月15日

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