ポール・オースターの作品一覧
「ポール・オースター」の「ムーン・パレス(新潮文庫)」「ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ポール・オースター」の「ムーン・パレス(新潮文庫)」「ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
非常に起伏に富んだ鮮やかなストーリー展開で一気に読ませる力がある。所々に出てくる現実の出来事への評価を含めて政治的にも旗幟鮮明であり、「多様性とその敵」とばかりに定義される善悪の構図は、寛容がベースとなる本書の筋書きの中では怒と憎悪の感情が顕になる貴重なアクセントでもある。
小説の舞台から四半世紀、出版から20年が経過した現在から見ると、ポリティカル・コレクトネスが高らかに歌い上げられている光景には当時の熱気と未完の革命への期待感のようなものが感じられる。その明るさが、結末部分に迫る非常に暗い影と対照的に浮かび上がる仕掛けには思わず唸らされた。
Posted by ブクログ
あとわずかで60歳のネイサン。
妻イーディスとの結婚生活は破綻し、娘のレイチェルともうまくいかない。
そこへガンにかかり、治療はなされ小康状態になってはいるが、仕事も失った。
死までの時間を過ごすため、幼少期を過ごしたニューヨークのブルックリンに移り住むところから物語が始まる。
こちらとてキラキラした物語を期待しているわけじゃない。
それでも、序盤からこんなんでついていけるか不安になってくる。
が、そんな不安は次第に払拭される。
その後のネイサンの人生は、実に魅力的なものになっていくからだ。
それには、やはりネイサンのキャラクターが大きな要素になっているのかな、と思う。
彼は自分の人生を振
Posted by ブクログ
結末はあっけなく、とても不明瞭なものだった。
なのになぜこんなに満ち足りた読後感なのだろうか。
結末に至るまでの空想にふける時間がとても濃密で、思考するブルーを観測することを楽しんでいたからだ。
そしてブルーと同じくブラックとホワイトについて推理をする。文章から得られる情報を整理し余白に想い馳せることを繰り返す状態はブルーと同じ感覚だったし、ブルーが様々な変装でブラックに近づく場面でブラックが発した「幽霊たち」の状態そのものだろう。
ブルーと意識が近くなるにつれて、ブラックに少しでも動きがあると嬉しくなったりしていた。
ホワイト(ブラック)が書いた物語がブルーのことだとすれば、その正体はオ