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間野新之介は、兄の自刃を受けて、多々良木藩の江戸留守居役を引き継いだ。先輩の留守居役たちにしごかれながら、幕府と藩の橋渡し役として、接待や付け届け、情報戦に明け暮れる日々。そんなとき新之介は、多大な負担を強いる「お手伝い普請」の情報を得る。困窮する藩のため、何としてでもこれを逃れたい――。兄の死の謎や思い人の運命に悩みつつ奔走する、若き藩士の痛快奮闘記。(解説・立川談四楼)
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Posted by ブクログ
江戸留守居役と言う情報収集や幕府との調整役をこなす大変な仕事。 若き主人公がはらはらさせながらも成長して、見事に大仕事を成し遂げる。畠中さんの描く人物は本当にいつも魅力的
組織人特集の一冊として取り上げられていたので特に期待せずに読み始めたがかなりのめり込むこととなった。主人公は兄の死や好きな娘の失踪で落ち込む暇もなく大役を命ぜられ、更にお家のピンチをただ一人背負うことになる。諦めずに難題を大胆に解決する様を清々しく感じ、仲間たちのと結束や人脈作りに、出来過ぎと思いつ...続きを読むつも関心する。終盤の老中との拳遊びを交えながらのやり取りは鳥肌ものですね。一歩間違えば切腹ものですし。我が藩や仲間たちのために身を投じた行動に、千穂が見抜いた主人公の打たれ強い性格が見える。 千穂がおっさんに娶られるのは残念だったが、千穂なりの献身的な行動であり隠れた功労者に違いない。 あとは、何と言っても主人公を食いかねない岩崎の存在感が大きい。 その他のキャラもとても味わい深く、映像化したら面白いだろうなぁと考える。
「ちょちょら」とは、弁舌の立つお調子者。いい加減なお世辞。 調子の良い言葉。という意味だそうです。 なので、主人公が、そんなお調子者かと思いきや、 平々々凡々々と言われる少々情けない未熟者です。 唯一、取り柄があるとすれば、素直なところ。 そんな新之介が、藩の行方を左右する江戸留守居役となります。 ...続きを読む しかも、藩は貧困!接待をするお金もなく……。 問題山積の中、またまた大きな問題を抱えてしまいます。 新人・留守居役、大奮闘です 彼を補佐する他藩の留守居役・岩崎や、 裕福な札差・青戸屋、などなど、これまた魅力あふれる(?) サブキャラも面白いです。 これからの新之介、ますます楽しみになりました。
ン、おもしろかったです♪ 江戸前 ソフト半沢直樹でしょうか? 江戸留守番役という営業を 試行錯誤しながら 仲間や先輩達の手を借りながら なんとか 切りぬけていく新之介… 千穂殿への恋心も…
全1巻。 江戸留守居役(外交官みたいなの)を 突然継がなければいけなくなった 次男坊のドタバタ劇。 や。 これはいい。 いつぶりだろう。 夜を徹して読んだの。 畠中恵といえば妖怪ものだけど今作はガラリ。 妖怪は出てこなくて、侍の世界。 が。 意外と言っては失礼だけど、 まったく違和感がない。 ...続きを読むこの軽快さはどうだろう。 物語の舞台が市井から武士の世界に変わっても、 相変わらず軽やかで親しみやすく、温かい世界が展開され、 最後まで一気に読まされた。 気がついたら朝。 そして魅力的なキャラ造形。 侍なのに。 ニヤニヤが止まらない。 「頼りなくて、ほっとけない主人公」を描かせたら たぶん今日本で一番うまいんじゃないかと思う。 導入部分も、どんでん返しも、伏線もすごく計算されてて、 なにより結びがすごく上手い。 そういう設定に持ってったかあって感じ。 変な例えだけど、 妙にスタンダードな時代ものシリーズっぽくなりそうな予感。 逆に。 シリーズのこれからを期待させるワクワク感が止まらない。 妖怪ものじゃなくてもファンなら是非。 これは楽しみ。
兄の自害によって江戸留守居役を引き受けた次男坊(部屋住)の新之助が自藩を救うために奔走する。 藩を救うために江戸城で催される嘉祥の義に出される8種類の菓子を集めなければならない。お菓子集めと藩の存亡というなんともアンバランスな感じか面白かった。
畠中恵だけど、妖怪が出てこない方w ミステリーというか、江戸の留守居役たちの物語。 実際に江戸留守居役という役職は聞いたことがあったけど、実際にどういうことをするのか知らなかったので、なかなかそのあたりの話がもちろんフィクションも多分にあるだろうけど、たくさんの参考書籍をもとに書かれていたので、そう...続きを読むいう意味で、面白かった。 結局今の世の中でもネットワーキングというか、仕事って誰を知っているかって、結構大きいところがあるので、そういう意味では共感しましたね。 結局は偉い人やパワーのある人、ツボを押さえて物事を頼んだり、回していくことが仕事をうまくやるポイントだと思うので、すごくそのあたりは共感出来たりしましたね。 実際は格式を重んじる武家社会では、名前のないそんな小さな藩の人間に動かせるほど甘くはないだろうなとは思いましたがw
『しゃばけ』シリーズの畠中恵。 シリーズとは違う長編小説が、文庫化されて平積みされていたので、読んでみることにしました。 主人公は、新米の江戸留守居役。 部屋住みとして平々凡々な生活を送っていた彼が、優秀な兄の後を継いで、藩の大事な役職、江戸留守居役に任命されます。 右も左もわからない中、他藩の先輩...続きを読む留守居役たちの厳しい指導を受けながら、お役目を務めていく主人公。 その日常における騒動が、この作家さんらしい温かいタッチで、描かれていきます。 そして彼が役目を受けるきっかけとなった、兄に関する事件の謎解き。 新米で頼りなかった彼が、藩のため、仲間の留守居役たちのために、いつのまにか中心的な役割を担うようになって・・・という展開。 現代で言うところの「外交官」のような立場だった江戸留守居役たちが、どのような役目を負っていたのか、その役目をどのように務めていたのか。 時には仲間、時にはライバルとなる他藩の江戸留守居役との関係、そして武士に金を貸す”札差”や江戸城の”表坊主”との関係。 さらには、幕府からさまざまな役目を言い渡され疲弊する、地方藩の苦しい台所事情などなど。 「平凡男子の成長物語」「謎解き」といった要素とともに、この時代の空気を味わえる小説だなあと、感じました。 ストーリー展開のテンポも良く、500ページ以上の分量ですが一気に読み進めてしまいました。 この作家さんにはまだまだ、引き出しがありそうですね、次作も期待したいと思います。
接待や、袖の下や、根回しや、前例に従うことが、正しく、有益である社会というのは、そうかこういうものかと。 そのものが悪いわけではなく、使い方や解釈が下手な故に非難される慣習や制度というのは、素人が安易に手を出してはいけませんなぁ。
おもしろかった! 新米留守居役の主人公・新之介の成長物語。 帯に「お江戸のサラリーマン」とあったけれど、予算のない中で藩のために接待して情報を掴んだり、人脈作りをしたり、身分は高くないのに重要な仕事ばかり。確かに現代のサラリーマンに通じるものがあるかも。 この作品のおもしろさは、一見何の繋がりも...続きを読むないと思っていたことが、後から繋がって更にもう一捻りあるところ! ラストはこう来るとは思わなかった。 このあとどうなったのか、続きが気になる終わり方で続編を期待してしまう。
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ちょちょら(新潮文庫)
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