無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
昨年5月の不忍ブックストリート『一箱古本市』で、100円で購入した一冊。昭和50年6月発行の十刷。
王道的なレビューとすれば、「戦後」「アメリカ」「風刺」あたりのキーワードを使うということになるのだろうが、ワタシにはもうとにかく"イタイ"短編集という印象が強烈に。何が"イタイ"って、登場してくる男たちがのきなみイタイ。発言、態度、行動…どれを取っても、思わず「アイタタタ…」と突っ込みたくなるようなものばかり。例えば、このイタイ男たちはひたすら依存する。妻へ、愛人へ、物へ。そして、ブンブン振り回される。
ただ、思わず笑ってしまうおかしさがあるのは確かなのだけれど、喜劇のように腹の底から笑えるものでは決してない。この男たちが見せているのは、人間の性(さが)とか弱さといったもので、それは自分にもあてはまる部分がある…と、どこかで感じてしまう。これが腹の底からは笑えない理由なのでは。この短編集の不思議なおかしさの奥には、そんなものが垣間見えた。
Posted by ブクログ
どの作品も一貫して主人公は無様だ。
同情を誘う可愛らしい今風の無様、ではなく、きっと物心ついたときからすでにこういう扱いを受け続けてきたんだろうなと想像できるような無様。そこに戦後の、否が応でも自尊心を意識せざるを得ない流れがやってくるからさらに厄介。
「アメリカン・スクール」、「汽車の中」、「星」、「微笑」の感想は上記のような感じ。
どの作品も私好みの奇妙さと哀惜を湛えていて面白く読んだけど突出して良かったのは「馬」かな。
結局よく読者も主人公もよくわからないまま終わる。真相はおくさんだけが知ってるんだけど。こういう話が一人称で語られるとすごく怖いです。最近見つかった安部公房の未発表作品の「天使」的な感じ。あそこまでストレートなえぐみはないけど。シュールの一言で片づけられないものがありました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。